いま、被災地から -岩手・宮城・福島の美術と震災復興-
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いま、被災地から -岩手・宮城・福島の美術と震災復興-は
東京藝術大学大学美術館 本館 展示室1、2、3、4
で開催されています。
会期: 2016年5月17日(火)〜 6月26日(日)
大震災の年には被災地の現状を写した写真展など、頻繁に開催され「鑑賞中は涙をこらえるのが大変でした」
その後数回福島・岩手を訪れ、被災の経験継承、記録保存の活動が続いていることを目にしてきました。
東京でも
今年に入って目黒区美術館で
気仙沼と、東日本大震災の記憶 ―リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史―
という企画展があり、大量の記録写真と資料で、その活動を見てきました。
「あの日を忘れない」ためにも、この様な展覧会が開催され続けることを望みますし、開催されれば必ず見に行きたい・・と思っています。
そして、この展覧会には既知の作家とともに、多くの初めて知る作家の良い作品も展示されていて、鑑賞の楽しみと、被災と文化財レスキュー活動の現状と成果を見ることができ、充実感いっぱいの時間でした。
展示作品が載った冊子(35頁)も貰えて、ありがたかったです。
展覧会の構成は以下の通りです。
第一部 東北の美術―岩手・宮城・福島
岩手県の美術
萬 鐵五郎 赤い目の自画像
1913年頃 油彩・カンヴァス 岩手県立美術館蔵
舟越保武 原の城
1971年 ブロンズ 岩手県立美術館蔵
橋本八百二 津軽石川一月八日の川開
1943年 油彩・カンヴァス 山口雅子氏蔵
松本俊介 画家の像
1941年 油彩・板 宮城県立美術館
宮城県の美術
真山孝治 彼岸に近く
1914年 油彩・カンヴァス 宮城県美術館蔵
太田聴雨 二河白道を描く
1948年 紙本着色 東京藝術大学蔵
佐藤忠良 帽子・夏
1972年 ブロンズ 宮城県美術館蔵
宮城輝夫 月の番人
1963年 油彩・カンヴァス 宮城県美術館蔵
福島県の美術
この関根正二の2作品は素晴らしかった。
忘れられない作品になりました!
関根正二 姉弟
1918年 油彩・カンヴァス 福島県立美術館蔵
関根正二 神の祈り
1918年 油彩・カンヴァス 福島県立美術館蔵
酒井三良 雪に埋もれつつ正月はゆく
1919年 絹本着色 福島県立美術館蔵
宮川教助 逍遥
1922年 油彩・カンヴァス 福島県立美術館蔵
第二部 大震災による被災と文化財レスキュー、そして復興
(修復作品も多数展示されています。)
岩手県における被災美術作品等のレスキュー活動
石巻文化センターのレスキューと復旧
保存修復処置を受けた被災美術品
石巻文化センターは高橋英吉作品を常設する美術館の設立運動が契機となって誕生した施設。
福島県内の被災とレスキュー活動
HPの解説
2011年の東日本大震災では陸前高田市立博物館、石巻文化センターなど多数のミュージアム施設が被災して、貴重な文化財をはじめとして多くの文化資源、美術資料が損傷しました。しかしその直後から支援の手が全国から差し伸べられ、資金援助や寄附などもあり、復興活動が始まりました。
美術資料に関しては全国美術館会議がいちはやく東日本大震災復興対策委員会を立ち上げて、岩手県、宮城県、福島県の県立美術館などと連携しながら作品の救出、修復、復元などの事業を計画的、継続的に実施してきました。
2016年を迎えてもその作業は終わりませんが、それらの経過を報告する企画展が東京の東北地方への玄関口ともいえる上野で開催されます。被災状況、救出活動などを臨場感あふれる写真で紹介し、修復された作品の一部を展示するとともに、この機会に東北地方ゆかりの近現代作家の秀逸な作品を一堂に展示いたします。文化財保護を考える一方で東北地方の豊かな美術文化の土壌を体感できる貴重な機会となります
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