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2016.06.26

日韓国交正常化50周年記念 特別展「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」

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日韓国交正常化50周年記念 特別展「ほほえみの御仏―二つの半跏思惟像―」
東京国立博物館本館 特別5室で開催されています。

会期  2016年6月21日(火) ~ 2016年7月10日(日)

この展覧会では東博エントランスで、手荷物検査、金属探知機検査が行われていました。
過去にも、ありました。
何か決まりがあるのでしょうか?海外の国宝指定作品展示の時とか・・・
地政学的な意味合いとか?


このの展示会場は展示期間が短いこともあって、会期中は無休で20時まで開館時間延長です。
私が行った日は、空いていたので、じっくり鑑賞することができました。
といっても、たった二仏のみの展示ですから、同心円状に人垣ができます。
細部まで丹念に見たい方は、単眼鏡の類を持参したほうがいいかもしれません。

約10メート隔てて対峙する二つの半跏思惟像を何度も行ったり来たりして、鑑賞してきました。
東博の敷地外に出なければ、再入場できますから、他の展示会場と往復しながら何度でも観て来る・・・というのもいいですね、一日楽しめます。

半跏思惟の姿勢は、出家前に人間の生老病死を悩んで瞑想にふける釈迦の姿から始まります。
インド、中国に伝わり、朝鮮半島では争いの絶えない三国時代に(6~7世紀)、弥勒菩薩として沢山作られたようです。 日本においても仏教伝来(552年)により朝鮮半島から仏像、法典がもたらされ、造仏も始まります。
中宮寺門跡の半跏思惟像も、今は如意輪観音像としてまつられていますが、弥勒菩薩としてつくられたようです。

大きさも、材も異なる二仏。
韓国国宝78号半跏思惟像は鋳物でつくられ装飾豊か正面から見て頭部は、右に微妙に傾き、口縁まで彫り込まれた唇はほほえみをたたえています。

中宮寺門跡半跏思惟像はけやきの木彫で、正面から見て頭部は真っ直ぐ、丸みを帯びた体、そしてさり気ないほほえみを浮かべています。


二つの半跏思惟像、フォルムは同じ(当たり前)ですが、細部の造形を丹念に見ていくと面白いですね、観飽きないですよ!
例えば、鼻の高さとか、足裏とか・・・・・・

既に、二度観に行きましたが、二度とも空いてました、意外です。
会期終了が近づくと混むのでしょうね!


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国宝 半跏思惟像 飛鳥時代・7世紀 奈良・中宮寺門跡


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韓国国宝78号 半跏思惟像 三国時代・6世紀 韓国国立中央博物館

HPの解説。

左足を踏み下げ、右足をその膝の上に組んで坐り、右手を頬に添えて思案する仏像を半跏思惟像(はんかしゆいぞう)といいます。このような坐り方を半跏といい、物思いにふける(思惟)ことがその名の由来です。

半跏思惟像は、仏教の母国・インドにはじまり、中国、朝鮮半島、日本へと伝わりました。日本や朝鮮半島では6世紀から8世紀の間に多くの像がつくられ、そのなかには古代仏教彫刻の傑作といわれる仏像があります。奈良県の中宮寺門跡(ちゅうぐうじもんぜき)に伝わる国宝の半跏思惟像はその一つで、優しく微笑む顔は誰もが知るところです。また、韓国国立中央博物館所蔵の銅製の半跏思惟像は、国宝78号像として広く親しまれています。日本と韓国に同じ姿の優れた仏像が残るのは、両国の古代から続く交流の深さを物語るといえましょう。
本展は、日本と韓国の仏像の美を堪能するまたとない機会です。

本展に先立ち、韓国国立中央博物館にて中宮寺門跡と韓国国立中央博物館の半跏思惟像を展示する特別展「韓日国宝半跏思惟像の出会い」(2016年5月24日(火)~6月12日(日))を開催します。




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