ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞
「ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」はBunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。
会期 2016/3/19(土)〜6/5(日)
※会期中無休
このところ、充実した浮世絵の企画展が続いていますね。
今月から始まる、若冲展も大いに期待しています。
Bunkamura ザ・ミュージアムのこの企画展も、人気で、私が行った日も混んでいました。
浮世絵は画面が小さいですから、近くからも観たいですね。
従って、行列に並んで鑑賞になります。
これが憂鬱ですね~
特設サイトに混雑状況の目安がありますよ・・・観に行く際にはご参考に。
ボストン美術館の浮世絵コレクションは質、量ともに世界有数を誇るものとなりました。これらは近年までほとんど一般公開されてこなかったため、保存状態がよくまるで摺りたてのような鮮やかさを保っています。
この企画展の作品の、大きな魅力の一つだと思います。
本当に発色が素晴らしいです。
これほど保存状態が良い作品ばかりの展覧会はあまり経験がありません。
全てが秀品といってもいいと思います。
国芳と国貞は、歌川豊国門下の兄弟弟子ですが、若くして評判を得た国貞、なかなか芽が出なかった国芳。
版元の企画(方向性)と絵師のマッチングも重要なのでしょうね。
なかなか芽が出なかった国芳の出世作「水滸伝豪傑シリーズ」が私は大好きです。
なんてったて・・かっこいい!
「寄せ絵」「戯画」も勿論楽しいのだけど。
歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」
嘉永4,5(1851,52)年頃 大判錦絵三枚続
歌川国芳「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる 大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」
弘化元(1844)年頃 大判錦絵三枚続
歌川国芳 「荷宝蔵壁のむだ書」(黄腰壁)
弘化5(1848)年頃 大判錦絵
この展覧会で、驚いたのは(素晴らしいと感じたのは)国貞のデザイン性、その新鮮さでした。
それなりに浮世絵の展覧会は観てきたつもりですが「新発見」という感じでした。
役者の立ち姿のかっこよさと背景の鮮やかな色彩のパターン化されたデザインは、現代アート・・・江戸末期の作品ってホント?と疑ってしまうほど。
歌川国貞 「御誂三段ぼかし 浮世伊之助」三代目岩井粂三郎、「葉歌乃新」初代河原崎権十郎、「野晒語助」四代目市川小團次、「夢乃市郎兵衛」五代目坂東彦三郎、「紅の甚三」二代目澤村訥升、「提婆乃仁三」初代中村福助
安政6(1859)年 大判錦絵六枚
歌川国貞 「江戸町壱丁目 扇屋内 花扇」 「角町 大黒屋内 大淀」 「角町 大黒屋内 三輪山」
文政10-天保13(1827-42)年頃
HPの解説(開催概要)
テレビやグラビア雑誌がない江戸時代、浮世絵は歌舞伎スターのブロマイドであり、最新のエンターテインメントやファッションを伝える重要なメディアでした。
本展では世界に冠たる浮世絵コレクションで知られるボストン美術館より、幕末に絶大な人気を博した二人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の選りすぐりの作品で、江戸の世界を体感していただきます。二人は兄弟弟子でありながらその作風は対照的で、国芳は豪快な武者絵と大胆な構図で、国貞は粋な美人画や緻密な表現で一世を風靡しました。江戸の「俺たち」 は国芳が描く任侠の世界に憧れ、物語のヒーローの姿に自らを重ねあわせ、粋で鉄火な美人に恋い焦がれたことでしょう。一方で「わたし」は、国貞が描くキラ キラ輝く歌舞伎役者に熱い思いを寄せ、美しい女性の艶姿に夢を馳せたのです。本展では、江戸の国芳・国貞ファンたちと現代の私たちに共通する心情を探りな がら、直感的に鑑賞できることを目指します。
Bunkamura ザ・ミュージアムHPの動画
ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展覧会紹介動画はこちら
(日テレ オンデマンド)
展示会場最終コーナーは条件付きで撮影可能です。
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