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2016.04.29

安田靫彦展

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安田靫彦展東京国立近代美術館で開催されています。
会期 2016年3月23日~5月15日
会期中展示替えがあります。

作品単品は、度々見ていても、回顧展という形で全体像として見直すと、「素晴らしさが増幅する」という経験は度々あります。
この展覧会もそんな展覧会でした。

解説にある表現
「美しい線」、「澄んだ色彩」、「無駄のない構図」
納得ですね。
そして、意図する空気感が見事に伝わってきます。
衣服等々の模様のち密な描写、その色彩対比の見事さも注目です。

時系列での展示ですので、時代(世相)と作品という観点からも思いを巡らせることになります。

展覧会の構成は以下の通りです。

1章 「歴史画に時代性をあたえ、更に近代感覚を盛ることは難事である」1899-1923

2章 「えらい前人の仕事には、芸術の生命を支配する法則が示されている」1924-1939

3章 「昭和聖代を表象するに足るべき芸術を培ふ事を忘れてはならない」1940-1945

4章 「品位は芸術の生命である」1946-1978


HPの解説から・・・

《黄瀬川陣(きせがわのじん)》や《飛鳥の春の額田王(ぬかだのおおきみ)》など歴史画の名作で知られる安田靫彦(1884‐1978)。東京・日本橋に生まれ、日本美術院の再興に参画し、中核のひとりとして活躍しました。「美しい線」、「澄んだ色彩」、「無駄のない構図」……。日本画に対して誰もが抱くこのようなイメージは、すべて靫彦が作ったといっても過言ではありません。また、生涯かけて歴史画に取り組み、誰も描かなかった主題にゆるぎないかたちを与え、古典の香り豊かに表現したことも特筆されます。

東京国立近代美術館では1976年に回顧展を開催しており、本展覧会はちょうど40年ぶりの開催となります。教科書や切手で見たあの有名作品から、初公開となる作品まで、100点を超える代表作を一堂に集める本展は、端正で香り高い靫彦芸術の魅力を再確認するまたとない機会となるでしょう。

また、94年の人生を生きた靫彦は、若くして亡くなった菱田春草や今村紫紅とさほど年も違わないながら、昭和戦前期のナショナリズムの高揚や戦後の価値観の激変を、身をもって経験しています。時代の大きな流れのなかで、靫彦は何をどう描いたか、そしてそれはどのように変わっていったのか。本展では、靫彦の生きた時代の問題も視野に入れながら、彼の画業をたどりたいと思います。

明治32年[15歳]
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吉野訣別  伊豆市


写実性が顕著な作品。
明治41年[24歳]
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守屋大連(もりやのおおむらじ)  愛媛県美術館蔵

良寛の肖像画も2点ありました。安田靫彦は良寛書が好きなんだそうです。
出雲崎の良寛堂は安田靫彦の設計ですね 。訪れた時に知りました。
大正9年[36歳]
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五合庵の春 東京国立博物館


ユニークな風神雷神図ですね。ルーツはあるようです。
昭和4年[45歳]
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風神雷神図  公益財団法人 遠山記念館


なんとも、美しい。
昭和12年[53歳]
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花づと


頼朝と義経の視線は合いません、この空気感。
昭和15年/昭和16年[56-57歳]
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黄瀬川陣 東京国立近代美術館

昭和22年[63歳]
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王昭君 足立美術館


昭和31年[72歳]
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伏見の茶亭 東京国立近代美術館


昭和39年[80歳]
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飛鳥の春の額田王 滋賀県立近代美術館

昭和50年[91歳]
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富士朝暾   京都国立近代美術館

安田靫彦は94歳ので亡くなりましたが、まさに素晴らしい日本画を描き続けた人生だったんですね。

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2016.04.22

迎賓館赤坂離宮一般公開2016

迎賓館赤坂離宮一般公開に行ってきました。

集合時間20分前に集合場所の西門入口に到着しました。
既に長い行列が出来ていました。
ここで、参加証 の確認をしていました。
(ネット予約の参加証はプリントアウトしたもの必須、スマホ等での参加証表示は不可)

西門を通過すると、テントが張ってあり、蛇行の行列です。
ここで、参加証と本人確認(私の場合は免許証と参加証の照合)と手荷物検査が行われます。
職員も不慣れで試行錯誤の様子、行列が遅々として進みません。

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行列の途中には解説ガイドの貸し出しコーナーがあり、借りる人は、一度列を外れ、メモに名前と電話番号を書いて200円を支払い 音声ガイドを受け取って行列に戻ります。
そして、手荷物検査、金属探知機ゲートを通過して、やっと解放!30分以上かかったと思います。
最後に自動券売機(3台あり)で入場券を購入します。(大人1000円)

公開場所は、自由行動です。
本館内は撮影不可、本館の外観、庭園は静止画のみ撮影可です。

本館内は要所要所に案内係がいて誘導してくれます。
(本館見学コース)
1階から入館して2階へ→彩鸞の間→花鳥の間→大ホール→朝日の間→羽衣の間→1階(入館場所)に戻って退館

私は、本館内部を解説ガイドを聞きながら、1回、さらにガイドを外してもう一度見てきました。
そして、快晴の主庭を写真撮影しながら、のんびり散歩。

本館内部の装飾、シャンデリア、調度品、絨毯、窓、扉の装飾からカーテンまでじっくり見てきました。
建築外観も、窓、扉、照明とうとう頑張って見てきました。
庭の噴水も国宝だそうです。

感想・・・
この様な建物内をスニーカーとジーパンで見学して来た”ド庶民(こんな言葉無い?)”の私には感想とかより、その絢爛豪華さに、驚きと違和感あるのみ・・・一度行ってみるのも良いかも・・・です。
維持費、大変だろうな〜


庶民的な話、
休憩場所は、主庭の隅にテント(テント内に折りたたみ椅子)と西門を入ってすぐの建物内に休憩室とトイレがあります。

日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋建築物である「迎賓館赤坂離宮本館」は、明治42年に東宮御所として建設され、戦後、我が国の国際社会への復帰に伴い、海外からの賓客をお迎えし、接遇することを目的として改修を行い、昭和49年に国の迎賓施設として生まれ変わり、平成26年で設立40周年となります。(HPから)

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主庭と本館

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主庭の噴水と本館

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本館内部は、撮影不可です。
以下の画像は、入場時に渡されたパンフレットから引用しました。

よく出来た動画がありますので、行かれる方は、予習、復習に使えます。
政府インターネットテレビ
迎賓館 赤坂離宮 本館

音声ガイドの内容は、ほぼ同じですから、予習していけば借りる必要はないと思います。


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彩鸞 の間
彩鸞の間」という名は、左右の大きな鏡の上とねずみ色の大理石で造られた暖炉の両脇に「鸞」(らん)と呼ばれる霊鳥をデザインした金色の浮彫りがあることに由来します。白い天井と壁は金箔が施された石膏の浮彫りで装飾され、10枚の鏡が部屋を広く見せています。
晩餐会の招待客が国・ 公賓に謁見したり、条約・協定の調印式や国・公賓とのテレビインタビュー等に使用されています。(HPから)


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花鳥の間
花鳥の間」という名は、天井に描かれた36枚の油絵や、欄間に張られた錦綴織、壁面に飾られた30枚の楕円形の七宝などに花や鳥が描かれていることに由来します。周囲の腰壁は茶褐色のシオジ材で板張りしてあり、その壁の中段を飾るのが七宝です。下絵は日本画家の渡辺省亭が描き、明治期の七宝焼の天才・涛川惣助が焼いたものです。
この部屋は、主に国・公賓主催の公式晩餐会が催される大食堂で、最大130名の席が設けられます。(HPから)

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朝日の間
「朝日の間」という名は、天井に描かれた「朝日を背にして女神が香車を走らせている姿」の絵に由来します。周囲の16本の円柱はノルウェー産の大理石です。壁には、京都西陣の金華山織の美術織物が張られ、床には、紫色を基調とした47種類の糸を使い分けて桜花を織り出した緞通が敷かれています。
この部屋は国・公賓用のサロンとして使われ、ここで表敬訪問や首脳会談等の行事が行われます。(HPから)


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羽衣の間
羽衣の間」という名は、謡曲の「羽衣」の景趣を描いた300平米の曲面画法による大絵画が、天井に描かれていることに由来します。3基のシャンデリアは迎賓館で最も豪華なもので、およそ7,000個もの部品で組み立てられており、高さは約3メートル、重さは約800キログラムであり、壁は楽器、楽譜等をあしらった石膏の浮彫りで飾られています。また、正面の中2階はオーケストラ・ボックスとなっており、かつて、この部屋が舞踏会場として設計されたことが偲ばれます。
この部屋は、雨天の際に歓迎行事を行ったり、レセプションや会議場等として使用されており、また、晩餐会の招待客に食前酒や食後酒を供するところでもあります。(HPから)

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2016.04.21

迎賓館赤坂離宮一般公開2016(本館前広場)

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迎賓館赤坂離宮一般公開に参加してきました。
参加方法には、ネット申し込みと当日券配布そして団体事前申し込みの3種類があります。
当日分は、各1000名、合計で3000名です。

詳細は、迎賓館赤坂離宮の一般公開についてで確認してください。

私は、ネット申し込みで参加。(先着順)
(12:00集合でした)


参加当日は、早めに昼食を済ませて迎賓館に到着。
集合時間までには時間があったので、まずは無料開放されている本館前広場に行きました。

正門前には検問所のテントがあり、手荷物を預けて、チェックゲートを通過しました。
(正門右側の少々歩いたところで、当日券の配付を行っていました。本館前広場は無料開放ですので当日券もいりません)

正門を通過すると、松の木が植えられた、本館前広場につながる道を、歩きます。
(両側には噴水もあります)

そして広場に到着です。
入ってすぐ、正面左側に軽食販売(飲料のみ?)の車、さらに奥には簡易トイレがありました。
右側には記念品販売のテントがありました。

本館前広場は比較的空いていて、本館建物外観は勿論、扉、窓等々じっくり見ることができました。


30分程度滞在して、正門を出て左折、一般公開(有料エリア)入口の西門に向かいました。
有料エリア、本館内部見学後の出口が本館前広場になっていましたので、広場に戻ってもう一度見学してきました。


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正門を通過して、本館前広場に向かう道


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本館前広場に到着

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本館玄関前から正門方向を望む。
左のテントが記念品販売所。

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本館前広場出口から正門へ戻る


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正門、ここを出て西門へ左折・・・



デジカメで撮った動画を編集しています。(動画撮影の可否は迎賓館職員に確認しました)
今回応募した、有料エリア?は動画不可と参加証に書いてありましたので。


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2016.04.18

ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞

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ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」はBunkamura ザ・ミュージアムで開催されています。
会期 2016/3/19(土)〜6/5(日)
※会期中無休


このところ、充実した浮世絵の企画展が続いていますね。
今月から始まる、若冲展も大いに期待しています。

Bunkamura ザ・ミュージアムのこの企画展も、人気で、私が行った日も混んでいました。
浮世絵は画面が小さいですから、近くからも観たいですね。
従って、行列に並んで鑑賞になります。
これが憂鬱ですね~

特設サイトに混雑状況の目安がありますよ・・・観に行く際にはご参考に。


ボストン美術館の浮世絵コレクションは質、量ともに世界有数を誇るものとなりました。これらは近年までほとんど一般公開されてこなかったため、保存状態がよくまるで摺りたてのような鮮やかさを保っています。

この企画展の作品の、大きな魅力の一つだと思います。
本当に発色が素晴らしいです。
これほど保存状態が良い作品ばかりの展覧会はあまり経験がありません。
全てが秀品といってもいいと思います。

国芳と国貞は、歌川豊国門下の兄弟弟子ですが、若くして評判を得た国貞、なかなか芽が出なかった国芳。

版元の企画(方向性)と絵師のマッチングも重要なのでしょうね。
なかなか芽が出なかった国芳の出世作「水滸伝豪傑シリーズ」が私は大好きです。
なんてったて・・かっこいい!
「寄せ絵」「戯画」も勿論楽しいのだけど。


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歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」
嘉永4,5(1851,52)年頃 大判錦絵三枚続


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歌川国芳「相馬の古内裏に将門の姫君滝夜叉妖術を以て味方を集むる 大宅太郎光国妖怪を試さんと爰に来り竟に是を亡ぼす」
弘化元(1844)年頃 大判錦絵三枚続

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歌川国芳 「荷宝蔵壁のむだ書」(黄腰壁)
弘化5(1848)年頃 大判錦絵

この展覧会で、驚いたのは(素晴らしいと感じたのは)国貞のデザイン性、その新鮮さでした。
それなりに浮世絵の展覧会は観てきたつもりですが「新発見」という感じでした。

役者の立ち姿のかっこよさと背景の鮮やかな色彩のパターン化されたデザインは、現代アート・・・江戸末期の作品ってホント?と疑ってしまうほど。

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歌川国貞 「御誂三段ぼかし 浮世伊之助」三代目岩井粂三郎、「葉歌乃新」初代河原崎権十郎、「野晒語助」四代目市川小團次、「夢乃市郎兵衛」五代目坂東彦三郎、「紅の甚三」二代目澤村訥升、「提婆乃仁三」初代中村福助
安政6(1859)年 大判錦絵六枚


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歌川国貞 「江戸町壱丁目 扇屋内 花扇」 「角町 大黒屋内 大淀」 「角町 大黒屋内 三輪山」
文政10-天保13(1827-42)年頃


HPの解説(開催概要)

テレビやグラビア雑誌がない江戸時代、浮世絵は歌舞伎スターのブロマイドであり、最新のエンターテインメントやファッションを伝える重要なメディアでした。
本展では世界に冠たる浮世絵コレクションで知られるボストン美術館より、幕末に絶大な人気を博した二人の天才浮世絵師、歌川国芳と歌川国貞の選りすぐりの作品で、江戸の世界を体感していただきます。

二人は兄弟弟子でありながらその作風は対照的で、国芳は豪快な武者絵と大胆な構図で、国貞は粋な美人画や緻密な表現で一世を風靡しました。江戸の「俺たち」 は国芳が描く任侠の世界に憧れ、物語のヒーローの姿に自らを重ねあわせ、粋で鉄火な美人に恋い焦がれたことでしょう。一方で「わたし」は、国貞が描くキラ キラ輝く歌舞伎役者に熱い思いを寄せ、美しい女性の艶姿に夢を馳せたのです。本展では、江戸の国芳・国貞ファンたちと現代の私たちに共通する心情を探りな がら、直感的に鑑賞できることを目指します。



Bunkamura ザ・ミュージアムHPの動画


ボストン美術館所蔵 俺たちの国芳 わたしの国貞」展覧会紹介動画はこちら
(日テレ オンデマンド)


展示会場最終コーナーは条件付きで撮影可能です。
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2016.04.16

新倉浅間公園桜まつり2016

熊本、九州 地方の大地震で被災された方々のことを思うと、とても心が重いのですが、あえて投稿します。
明日は我が身です。


さくら満開の情報を得て、
新倉山浅間公園桜まつり(〜4月17日)に行って来ました。
新倉山浅間神社は地元の人々のための、こじんまりとした神社ですが、此処からの富士山の絶景は、つとに有名です。
桜の時期には最近、大勢の観光客が訪れ、あらゆる言語が飛び交う大賑わいになります。

河口湖と新倉山浅間神社をセットで観光される方も多くいて、私が帰路に着いた時間帯でも、沢山の外国人などとすれ違いましたし、下吉田駅から、河口湖行きの富士急行に乗る方もいました。

私としては、富士山と桜の絶景を眺めながら、のんびり過ごすのがオススメです。
お弁当持って・・・・お祭り期間中は売店も出ますが、数店です。
食事処も近くにはありません。

アクセス方法は、富士急行利用がいいと思います。
車、高速バス利用も考えましたが、この時期の渋滞、駐車場の心配を考えたら、電車利用が、ストレス無いですね。

電車が下吉田駅に着くと沢山の乗客が降り、小さな駅舎はちょっとの間渋滞です。
改札を通過したら、桜まつりのパンフレットを貰い情報確認です。

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下吉田駅ホーム

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下吉田駅ホームから新倉浅間公園が見えます。

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下吉田駅正面

駅舎を出た後は、人の流れについて行けば、10分弱で新倉浅間神社の参道に到着します。
途中、富士山の雄大な姿を写真におさめる人も、ちらほら見かけます。


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新倉浅間神社参道入口。

忠霊塔まで397段の急な石の階段を登ることになるのですが・・・途中浅間神社がありますので、一休み。
神社手前に売店が数店出ていました。
流石に忠霊塔までの397段を一気に登り切る人はいません。
何度も振り返って、写真を撮影する方がほとんどです。

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参道石階段を上る人たち。


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新倉浅間神社


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忠霊塔


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忠霊塔と富士山と桜


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富士山と桜


新倉浅間公園周辺は富士山の全景が望める大パノラマ、絶景です。
公園と言っても山の斜面にベンチが数か所ある程度の自然公園です。
桜の木の下で皆さんお弁当を食べていました。

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新倉浅間公園周辺で(展望デッキからさらに上った場所)くつろぐ人たち。(ここにはベンチなし)



デジカメで撮った動画を編集しています。

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2016.04.13

日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展

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カラヴァッジョ展国立西洋美術館で開催されています。
会期 2016年3月1日[火]~6月12日[日]

光を描き絵画に革命的な変化をもたらしたバロックの画家カラバッジョ、私生活では、激しい性格から、暴力沙汰を繰り返し、ついに30半ばで殺人を犯してしまいます。そして、ローマを逃れました。
その中でも、作品を残しましたが・・・

教皇の恩赦をを期待して、また、ローマ帰還への強い思いから、カラヴァッジョは1610年7月初め、船に乗ってローマへと向かいました。
その際、カラヴァッジョはボルゲーゼ枢機卿に贈るため、2点の≪洗礼者聖ヨハネ≫と≪マグダラのマリア≫を携帯していた。
途中、下船した際、カラヴァッジョは要塞の隊長に身元確認のために拘束されてしまう。
そして、拘束されている間に船は彼を待たず、絵を積んだまま出発してしまう。
かなりの金額を支払って解放された彼は、徒歩で(馬で?) 船を(絵画を)陸路追いかけたものの途中で病に斃れ38年の激烈な人生を終えます。

ローマから逃亡した後に描かれた作品。
今回展示の3点。

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ< 《エマオの晩餐》
1606年 ミラノ、ブレラ絵画館


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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《エッケ・ホモ》
1605年頃 ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館ビアンコ宮

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《法悦のマグダラのマリア》
1606年 個人蔵

この展覧会で新発見の作品《法悦のマグダラのマリア》 が世界で初公開されています。
洞窟での隠遁生活で腕は黒ずみ、ほとんど閉じた眼から一筋の涙が流れ、色を失った下唇と右下に描かれたドクロは死を暗示しているのでしょうか。
神の恩寵に包まれたマグダラのマリアの法悦の最期なのでしょうか。


HPの紹介文
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)は、西洋美術史上最も偉大な芸術家のひとりであり、イタリアが誇る大画家です。彼の理想化を拒む平明なリアリズムや、劇的な明暗法によって浮かび出る人物表現は、バロックという新時代の美術を開花させる原動力となりました。彼の画法はイタリアのみならずヨーロッパ中からやってきた画家たちによって熱狂的に継承され、その影響はルーベンスやラ・トゥール、レンブラントなど、17世紀の数多の画家たちに及んでいます。

 本展は、イタリアの代表的な美術館が所蔵するカラヴァッジョの名作と、彼の影響を受けた各国の代表的な継承者たちによる作品を合わせた50数点を展示します。また、裁判や暴力沙汰といった彼の生涯をしばしば波立たせた出来事を記録した古文書など、同時代史料も併せて出品し、カラヴァッジョの人生と芸術両面におけるドラマをご紹介します。

展覧会の構成は以下の通り。
Ⅰ風俗画:占い、酒場、音楽
Ⅱ風俗画:五感
Ⅲ静物
Ⅳ肖像
Ⅴ光

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《果物籠を持つ少年》
1593-94年 ローマ、ボルゲーゼ美術館

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《トカゲに噛まれる少年》
1596-97年頃 フィレンツェ、ロベルト・ロンギ美術史財団

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《マッフェオ・バルベリーニの肖像》
1596年頃 個人蔵

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《女占い師》
1597年 ローマ、カピトリーノ絵画館

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4 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《メドゥーサ》
1597-98年頃 個人蔵


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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《バッカス》
1597-98年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館


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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ  《ナルキッソス》
1599年頃 ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館

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ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《洗礼者聖ヨハネ》
1602年 ローマ、コルシーニ宮国立古典美術館

その波乱に満ちた人生は度々映画化もされてきました。
カラヴァッジョ 天才画家の光と影
予告編

原題:Caravaggio
製作国:2007年イタリア・フランス・スペイン・ドイツ合作映画
配給:東京テアトル
上映時間:133分

キャスト: アレッシオ・ボーニ、エレナ・ソフィア・リッチ、ジョルディ・モリャ、パオロ・ブリグリア
監督:アンジェロ・ロンゴーニ 
撮影:ビットリオ・ストラーロ

劇場公開日 2010年2月

舞台は16世紀イタリア、母との別れ、ミラノでの絵画修業、そして、幼い頃から憧れのコロンナ侯爵夫人の援助で芸術の都・ローマに向かう、貧しさと病に苦しむカラバッジョに一人の青年が手を差し伸べる、そんな場面からこの映画は始まります。
やがてローマでダルピーノの工房に入ったカラバッジョは、酒場で、高級娼婦のフィリデに一目ぼれ。後々、映画の中で彼女は一定の存在感を持って描かれる。相変わらず貧困に悩む日々のなか、デル・モンテ枢機卿が絵の評判を聞きつけて、カラバッジョに生活の援助を申し出る......カラバッジョ38年の波乱に満ちた人生が描かれてく。

カラヴァッジョ展 世界初公開作品も NHKニュース

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2016.04.07

鎌倉建長寺の桜2016

鶴岡八幡宮の参道「段葛(だんかずら)」整備工事が終了、高徳院の鎌倉大仏調査も終了して拝観が再開されたということで、行ってきました。
最近の私的定番、鶴岡八幡宮建長寺円覚寺高徳院長谷寺と巡りましたが、長谷寺は時間切れで門前で引き返しました。
主目的は、建長寺の桜です。
桜の鎌倉は素晴らしいですね、ただし外国人観光客の増加も含めて、混んでます。
休日は更に大変ですね。
4月10日から鎌倉まつりが行われます。


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建長寺の桜は満開でした、週末までもつような気もしました。
半僧坊までは境内を出て10分程度かかり、途中急階段ということもあり、行かない人が多いですが、もったいないですね、できれば見晴台まで行ってみるのが、お勧めです。
運が良ければ富士山の姿も見られます。

建長寺総門→入門→三門前の桜トンネル→境内→半僧坊→見晴台→半蔵坊下り→境内→出門。

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鶴岡八幡宮段葛は全面的整備で、道は舗装され、灯篭も新品、桜も植え替えられていました。ピカピカの一年生という感じで、少々味気ない感じでもありました。
段葛の桜はほとんどが葉桜になていました。

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鶴岡八幡宮、太鼓橋の桜(赤橋の右側が「源氏池」、左側が「平家池」)
皆さん記念写真を撮るので大変・・・


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円覚寺は桜の木が少ないですね~
境内は空いていて、ベンチで読書の方も、この様な楽しみ方もいいですね。

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高徳院は、混んでいて、拝観券購入には行列ができていました。
大仏さんの人気は相変わらずです。


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長谷寺は時間切れで入門しませんでした。残念・・・・

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2016.04.05

薬師池公園の桜2016

お花見の人気ランキングに登場するような場所は大賑わい、華やかで嫌いではありません。
今年も何か所か行きました。

ちょっと・・・人疲れしたかな~と思った時には、こんな場所もいいですよ。
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薬師池公園は、そこそこの規模ですが、混雑して人疲れするということはありません。(と思います)
桜は、散り始めていました。
今週一雨降ると、その後の景色は少々違ってくるかもしれませんが、ご紹介です。

町田駅からはチョット遠いですが・・・・
2か所に分かれて、大きな駐車場があります。(平日無料、土日・休日有料(1時間30分以内は無料))
ただし、土日・休日は満車になることが多いようですので注意が必要です。



何か所か、同じ場所を角度を変えて撮影しています。
リス園横の桜並木の道路を入るとすぐに駐車場があります。(他に一か所あり)

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2016.04.04

観てきた展覧会備忘録2016年3月

没後100年 宮川香山
会期 2016年2月24日(水)~4月17日(日)
サントリー美術館


ガレの庭 花々と声なきものたちーの言葉
会期 2016年1月16日(土)~4月10日(日)
東京都庭園美術館


ジョルジョ・モランディ―終わりなき変奏
会期 2016年2月20日(土)~4月10日(日)
東京ステーションギャラリー

「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」
会期 2016年3月23日(水) ~5月15日(日)
東京国立博物館


館蔵日本画展 日本美術院の画家達1
会期 2016年1月5日(火)~4月16日(土)
松岡美術館


清親―光線画の向こうに
会期 2016年3月12日(土)~4月17日(日)
町田市立国際版画美術館

冬季展「春に想う―梅・椿・桜・桃―」 (会期終了)
会期 2016年1月16日(土)~3月13日(日)
畠山記念館

気仙沼と、東日本大震災の記憶 (会期終了) 
会期 2016年2月13日(土)~2016年3月21日(月)
目黒区美術館

サイモン フジワラ ホワイトデー ( 会期終了)
会期 2016年1月16日(土)─ 3月27日(日)
東京オペラシティ アートギャラリー

ますむらひろしの北斎展 (会期終了)
会期 2016年2月6日(土)~3月27日(日)
八王子夢美術館

伊藤若冲 生誕300年記念 ゆかいな若冲・めでたい大観 (会期終了)
会期 2016年1月3日(日)~3月6日(日)
山種美術館


生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画 ―〈みやび〉の女性像 (会期終了)
会期 2016年2月20日(土)~3月27日(日)
出光美術館

ボッティチェリ展 (会期終了)
会期 2016年1月16日(土) ~ 4月3日(日)
東京都美術館


リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展 (会期終了)
会期 2015/12/22(火)〜2016/3/6(日)
Bunkamura ザ・ミュージアム

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2016.04.02

上野の桜2016

新宿御苑から上野にやってきました。
そもそも、この日の主目的はトーハクの企画展”黒田清輝展”の観賞です。
新宿御苑の桜、上野の桜まつりと巡ってきて、少々疲れ気味・・・”黒田清輝展”鑑賞には2時間程度の時間が取れたのですが、集中できず・・・反省です。
でも楽しい一日になりました。

上野恩賜公園の喧騒を逃れて・・・・東京国立博物館の庭園散歩です。
トーハクでは、イベント”博物館でお花見を”が開催されていて4月17日まで”春の庭園開放”が行われています。

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新宿御苑の桜2016

トーハクに行く途中、新宿駅で降りて、桜満開の新宿御苑に行ってきました。
この季節は必ず行くことにしています。
去年は、しだれ桜が見事に咲き誇っていましたが、昨日は半ば散っていました。
新宿御苑には数種類の桜がありますので、ご覧の通り素晴らしい満開の景色でした。
来ている人たちも国際色豊かで、私も女性三人組の外国人にスマホで撮影を頼まれました。

昼前に退苑したのですが、平日にもかかわらず、入口で入苑規制が掛かっていて大行列ができていました。
ただし、広大な苑内ですから、シートを敷く場所も、空いているベンチもありました。
満開の桜も今週末までかな~
天気が心配です。

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