日伊国交樹立150周年記念 カラヴァッジョ展
カラヴァッジョ展は国立西洋美術館で開催されています。
会期 2016年3月1日[火]~6月12日[日]
光を描き絵画に革命的な変化をもたらしたバロックの画家カラバッジョ、私生活では、激しい性格から、暴力沙汰を繰り返し、ついに30半ばで殺人を犯してしまいます。そして、ローマを逃れました。
その中でも、作品を残しましたが・・・
教皇の恩赦をを期待して、また、ローマ帰還への強い思いから、カラヴァッジョは1610年7月初め、船に乗ってローマへと向かいました。
その際、カラヴァッジョはボルゲーゼ枢機卿に贈るため、2点の≪洗礼者聖ヨハネ≫と≪マグダラのマリア≫を携帯していた。
途中、下船した際、カラヴァッジョは要塞の隊長に身元確認のために拘束されてしまう。
そして、拘束されている間に船は彼を待たず、絵を積んだまま出発してしまう。
かなりの金額を支払って解放された彼は、徒歩で(馬で?) 船を(絵画を)陸路追いかけたものの途中で病に斃れ38年の激烈な人生を終えます。
ローマから逃亡した後に描かれた作品。
今回展示の3点。
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ< 《エマオの晩餐》
1606年 ミラノ、ブレラ絵画館
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《エッケ・ホモ》
1605年頃 ジェノヴァ、ストラーダ・ヌオーヴァ美術館ビアンコ宮
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《法悦のマグダラのマリア》
1606年 個人蔵
この展覧会で新発見の作品《法悦のマグダラのマリア》 が世界で初公開されています。
洞窟での隠遁生活で腕は黒ずみ、ほとんど閉じた眼から一筋の涙が流れ、色を失った下唇と右下に描かれたドクロは死を暗示しているのでしょうか。
神の恩寵に包まれたマグダラのマリアの法悦の最期なのでしょうか。
HPの紹介文
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ(1571-1610年)は、西洋美術史上最も偉大な芸術家のひとりであり、イタリアが誇る大画家です。彼の理想化を拒む平明なリアリズムや、劇的な明暗法によって浮かび出る人物表現は、バロックという新時代の美術を開花させる原動力となりました。彼の画法はイタリアのみならずヨーロッパ中からやってきた画家たちによって熱狂的に継承され、その影響はルーベンスやラ・トゥール、レンブラントなど、17世紀の数多の画家たちに及んでいます。
本展は、イタリアの代表的な美術館が所蔵するカラヴァッジョの名作と、彼の影響を受けた各国の代表的な継承者たちによる作品を合わせた50数点を展示します。また、裁判や暴力沙汰といった彼の生涯をしばしば波立たせた出来事を記録した古文書など、同時代史料も併せて出品し、カラヴァッジョの人生と芸術両面におけるドラマをご紹介します。
展覧会の構成は以下の通り。
Ⅰ風俗画:占い、酒場、音楽
Ⅱ風俗画:五感
Ⅲ静物
Ⅳ肖像
Ⅴ光
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《果物籠を持つ少年》
1593-94年 ローマ、ボルゲーゼ美術館
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《トカゲに噛まれる少年》
1596-97年頃 フィレンツェ、ロベルト・ロンギ美術史財団
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《マッフェオ・バルベリーニの肖像》
1596年頃 個人蔵
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《女占い師》
1597年 ローマ、カピトリーノ絵画館
4 ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《メドゥーサ》
1597-98年頃 個人蔵
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ《バッカス》
1597-98年頃 フィレンツェ、ウフィツィ美術館
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《ナルキッソス》
1599年頃 ローマ、バルベリーニ宮国立古典美術館
ミケランジェロ・メリージ・ダ・カラヴァッジョ 《洗礼者聖ヨハネ》
1602年 ローマ、コルシーニ宮国立古典美術館
その波乱に満ちた人生は度々映画化もされてきました。
カラヴァッジョ 天才画家の光と影
予告編
原題:Caravaggio
製作国:2007年イタリア・フランス・スペイン・ドイツ合作映画
配給:東京テアトル
上映時間:133分
キャスト: アレッシオ・ボーニ、エレナ・ソフィア・リッチ、ジョルディ・モリャ、パオロ・ブリグリア
監督:アンジェロ・ロンゴーニ
撮影:ビットリオ・ストラーロ
劇場公開日 2010年2月
舞台は16世紀イタリア、母との別れ、ミラノでの絵画修業、そして、幼い頃から憧れのコロンナ侯爵夫人の援助で芸術の都・ローマに向かう、貧しさと病に苦しむカラバッジョに一人の青年が手を差し伸べる、そんな場面からこの映画は始まります。
やがてローマでダルピーノの工房に入ったカラバッジョは、酒場で、高級娼婦のフィリデに一目ぼれ。後々、映画の中で彼女は一定の存在感を持って描かれる。相変わらず貧困に悩む日々のなか、デル・モンテ枢機卿が絵の評判を聞きつけて、カラバッジョに生活の援助を申し出る......カラバッジョ38年の波乱に満ちた人生が描かれてく。
カラヴァッジョ展 世界初公開作品も NHKニュース
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