生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画 -<みやび>の女性像
生誕290年記念 勝川春章と肉筆美人画 -<みやび」>の女性像は出光美術館で開催されています。
会期 2016年2月20日(土)~3月27日(日)
出光美術館のコレクションは流石、充実してますね~。
他の美術館収蔵品も含めて計31の春章美人画の展示です。丁寧に描き込まれた衣装も素晴らしいです。
さらに、浮世絵の祖と称される菱川師宣、春章の師匠筋にあたる宮川長春、そして春章のまさに直後に頭角をあらわした喜多川歌麿、さらには若き日に春章のもとで絵を学んだ葛飾北斎まで、春章を軸にして肉筆美人画の系譜をたどります。(一部HPから引用)
鏑木清方は勝川春章の信奉者だったそうで、
「浮世絵が即ち美人画なんだけれども、その中でも、後の肉筆浮世絵の先駆けをしたのは、私は、春章だと思います。」
また、
「肉筆じゃ、やっぱり春章が一ばんうまいと思うし、それに次いでは栄之だと思いますがね。」
と述べていたとのことです。
最近は鈴木春信っていいな~と思っていたのですが、肉筆となると春章もいいですね、そう思わせてくれた企画展でした。
栄之の素晴らしい作品も展示されていました。
展示構成は以下の通り。
1.春章の達成 -「美人鑑賞図」にみる創意
2.春章へと続く道 -肉筆浮世絵の系譜、〈大和絵師〉の自負
3.美人画家・春章の出発 -安永・天明期、上方へのまなざし
4.春章の季節 -同時代の浮世絵師たちとの交感
5.俗のなかの〈みやび〉 -寛政期、円熟と深化へ
6.〈浮世絵の黄金期〉へ -春章がのこしたもの
HPの解説
江戸時代中期に活躍した浮世絵師・勝川春章(かつかわしゅんしょう 1726-92)の生誕290年にあたる2016年、春章による肉筆美人画を特集する展覧会を開催いたします。
春章の画業がもっとも充実した時期は、多色摺木版画(錦絵)を創始した鈴木春信(1725?-70)の後半期に重なり、また、鳥居清長(1752-1815)や喜多川歌麿(1753?-1806)、東洲斎写楽(?-1794-?)といった浮世絵史上に輝く歴々の巨匠たちが脚光を浴びはじめる、まさにその目前で終わりをむかえます。活躍期を接するビッグネームたちに押されたためか、春章に寄せられるこれまでの評価は、いまだ作品の出来ばえに見合ったものとはいえません。歌舞伎俳優の特徴をとらえた、迫真的な役者絵にもすぐれた仕事を残した春章ですが、とりわけ晩年期に手がけられた肉筆による美人画は、その女性表現の優雅さにおいて、ほかの浮世絵師のそれとは一線を画したものといえます。
おそらくは周囲の貴顕たちの好みに応じた結果、風雅なおもむきを強くにじませることとなった春章の肉筆美人画は、同時代の女性という日常的で手近な題材をとらえながらも、画題の選択や表現技法に、〈古典〉とのつながりを明確に打ち出します。この展覧会は、〈美人画〉という現実の都市生活の断面を、伝統的な文化の枠組みのなかへ転じようとする、いわば〈俗中の雅〉ともいうべき性格に注目しながら、春章の芸術が目指したこと、そして、当時の鑑賞者たちが春章の絵画に期待したことを明らかにしようとするものです。
美人鑑賞図 勝川春章
寛政2-4年(1790-92)頃 出光美術館
鳥文斎栄之の三枚続きの錦絵「福神の軸を見る美人」に酷似していることが分かったそうです。
勝川春章は、肉筆画大画面に応用したと考えられるとのことです。
浮絵の手法を使ってますね。
文読む遊女図 勝川春章
天明3-7年(1783-87)頃
花下の遊女 勝川春章
天明7, 8年(1787, 88)頃千葉市美術館
婦人風俗十二か月 正月 勝川春章
寛政元-4年(1789-92)頃 千葉市美術館
蚊帳美人図 鳥文斎栄之
江戸時代(18世紀後期 出光美術館
見立江口の君図 勝川春章
寛政元-4年(1789-92)頃
更衣美人図 喜多川歌麿
江戸時代(19世紀前期) 出光美術館
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (0)
最近のコメント