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2016.03.17

ますむらひろしの北斎展

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ますむらひろしの北斎展は八王子市夢美術館で開催されています。
会期 2016年2月6日(土)~3月27日(日)

北斎版画中の登場人物が猫のヒデヨシやアタゴオルの住人に入れ替わったり、画中に紛れ込んだり・・・・北斎版画のアタゴオル化世界は愉快、傑作!

富嶽三十六景
富嶽百景
諸国瀧廻り
千絵の海
北斎漫画
諸国名橋奇覧
などなど、お馴染みの北斎版画がアタゴオル化されていいます。

作品のほとんどに”ますむらひろし”さんによる文が添えられていて、模写しているうちに感じた矛盾点にも触れています。
遠近法に於ける矛盾点についても度々触れて・・・なるほどな~、鋭いな、と思ってしまいます。

「北斎を模写していて気づいた遠近法と北斎の視点のズレ。毎日文章を推敲していると、北斎が遠近法的世界観に蹴りを喰わせていることに気付く。恐るべし北斎、画狂達見」

「見たままじゃねえか、それじゃ描いたことにならねえよ」

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HPの開催概要(紹介文)
八王子市夢美術館では、ますむらひろしの漫画「アタゴオル」シリーズのキャラクターと葛飾北斎の浮世絵が合体した異色のイラスト作品「アタゴオル×北斎」を紹介します。
ますむらひろしは宮沢賢治の童話作品の漫画化やアニメーション『銀河鉄道の夜』(杉井ギサブロー監督)の漫画原作者としてその名を知られます。賢治作品の登場人物が猫として描かれるその意外な組み合わせは今日でも多くの人々を魅了し、漫画化は氏のライフワークの一つとなっています。一方、漫画「アタゴオル」シリーズは氏が作家活動の中で最も長く付き合い培ってきた空想の世界です。そして、ユーモア感や心地よい浮遊感で満たされたアタゴオルの世界を最も代弁するキャラクターが「アタゴオル×北斎」にも数多く登場する、立って歩く太った猫ヒデヨシです。大食漢で怠惰なヒデヨシは好奇心旺盛な猫ですが、何故か憎めない存在で、物語では主にヒデヨシが起こす様々な騒動をきっかけに新しい発見がこの世界にもたらされます。漫画「アタゴオル」シリーズが現在も根強く支持される理由は、ヒデヨシでも生きられる自由で大らかな世界を読者が欲しているからといえるでしょう。
そんな「アタゴオル」の世界と北斎の浮世絵が合体した「アタゴオル×北斎」は2005年から2013年にかけて情報誌「王様手帖」(アド・サークル発行)に掲載されたイラスト作品で52点が発表され、後に49点がカレンダーとしても制作されました。この作品の面白さはなんと言ってもヒデヨシをはじめとする「アタゴオル」の住人たちが北斎の描く名勝景勝地に違和感なく溶け込んでいるところでしょう。しかし、氏はこれらを単に人物をキャラクターに置き換えた北斎のパロディとして描いたわけではありません。この作品の一つ一つには氏による文が付けられ、そこには北斎の浮世絵を模写し「アタゴオル」の要素を加える際の考えや姿勢、そのプロセス、そして、北斎の画業についての自身の見解等が北斎への尊敬と畏敬の念を持って語られています。「アタゴオル×北斎」はいわば氏の解釈による絵と文が一体となった北斎の研究作品でもあるのです。本展では「アタゴオル×北斎」と北斎の浮世絵(復刻浮世絵版画やパネル)を比較しながら、北斎との違いや氏の解釈を体感できる内容となっています。
もちろん、この世界での「アタゴオル」の住人たちの描写も本作の見どころです。特に「どんな世界だってお構いなし」のマイペースなヒデヨシは、ずかずかと入り込んだこの世界にどんな新しい発見をもたらすのでしょうか。ますむら流ユーモアと解釈が加わった新しい北斎の世界をお楽しみください。

※今回「アタゴオル×北斎」といくつか比較展示されている北斎の浮世絵は公益財団法人アダチ伝統木版画技術保存財団にご協力いただき、アダチ版復刻浮世絵版画を展示しています。

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