ボッティチェリ展
ボッティチェリ展は東京都美術館で開催されています。
期間 2016年1月16日(土) ~ 4月3日(日)
フィレンツェにおけるメディチ家の勃興、パトロンとしての存在。メディチ家衰退後の厳格な宗教指導者サボナローラの登場と影響下の芸術家。
ボッティチェリの作品を中心に、ボッティチェリの師フィリッポ・リッピ、弟子でありライバルでもあった、フィリピーノ・リッピ(フィリピーノの子)の作品と共にフィレンツェ周辺のおける、ルネサンス絵画の系譜を概観します。
ボッティチェリの作品に集中するもよし、
ボッティチェリ、フィリッポ・リッピ、フィリピーノ・リッピの相違、類似点を見比べるのもよし、
サボナローラ影響下の作品の前で考え込むのもよし・・・等々じっくり、ゆっくり鑑賞したいですね。
サンドロ・ボッティチェリ 《バラ園の聖母》
1468-69年頃 テンペラ/板
フィレンツェ、ウフィツィ美術館
こんな事を言ったら叱られそうですが・・・・
聖母
右目は殆どつぶり、左目は半開き、左にに首を傾げ
「何で生まれてきちゃったの?」
幼子イエス
寂しそうな眼差しの幼子は聖母を見つめ、緩く結んだ右手を顎に持って行き
「何でそんな顔してるの?」
って感じ。
サンドロ・ボッティチェリ 《聖母子(書物の聖母)》
1482-83年頃 テンペラ/板
ミラノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館
矢張り、この作品が一番でしょうか?
憂いを帯びた聖母の表情、幼子イエスの強い意志を思わせる眼差し。
明快な色調、透ける様な肌、鮮やかな赤の服、青いマント、襟の黒、見事な金彩の線描、人集りが絶えないのは仕方ないですね。
フィリッピーノ・リッピ 《幼児キリストを礼拝する聖母》
1478年頃 テンペラ/板
フィレンツェ、ウフィツィ美術館
母親の優しい眼差しを、全体的なパステル調の色彩が協調していてとても好きになりました。祈る手の形まで愛おしくなってしまいます。
フィリッポ・リッピ 《 聖母子》
1436年頃 テンペラ/板(新支持体に移し替え)
ヴィチェンツァ市民銀行
サンドロ・ボッティチェリ 《ラーマ家の東方三博士の礼拝》
1475-76年頃 テンペラ/板
フィレンツェ、ウフィツィ美術館
サンドロ・ボッティチェリ 《書斎の聖アウグスティヌス》
1490-94年頃 テンペラ/板
フィレンツェ、ウフィツィ美術館
サンドロ・ボッティチェリ 《美しきシモネッタの肖像》
1480-85年頃 テンペラ/板
丸紅株式会社
サンドロ・ボッティチェリ 《オリーヴ園の祈り》
1495-1500年頃 テンペラ/板
グラナダ、王室礼拝堂
サンドロ・ボッティチェリと工房 《パリスの審判》
1485-88年頃 テンペラ/板
ヴェネツィア、チーニ邸美術館
(ジョルジョ・チーニ財団)
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 ボッティチェリの時代のフィレンツェ
第2章 フィリッポ・リッピ、ボッティチェリの師
第3章 サンドロ・ボッティチェリ、人そして芸術家
第4章 フィリッピーノ・リッピ、ボッティチェリの弟子からライバルへ
HPの解説
サンドロ・ボッティチェリ(1444/45-1510)は、優雅で美しい聖母や神話の女神を描いた画家として知られます。その作品は多くが板に描かれ、きわめて繊細であるため、まとまった数の来日はこれまでに叶いませんでした。日伊国交樹立150周年記念として実現する本展は、フィレンツェをはじめ世界各地から20点以上ものボッティチェリ作品を集め、その画業を一望する大回顧展です。フィリッポ・リッピの工房で修業を積み、生涯のほとんどをフィレンツェで過ごしたボッティチェリは、メディチ家の画家として名を馳せ、大型の祭壇画から私的な神話画まで、幅広い主題の絵画を手掛けました。同時代の芸術家たちが、遠近法や明暗法を駆使した自然主義的な表現に向かうなか、ボッティチェリは中世美術を思わせる装飾的、象徴的な様式を貫き、独自の絵画世界を作り上げます。本展においては、初期から晩年までの宗教画、神話画、肖像画を通して、ボッティチェリ作品の特徴と魅力を紹介するとともに、師のフィリッポ・リッピや弟子のフィリッピーノ・リッピの作品をあわせて展示し、15世紀フィレンツェにおける絵画表現の系譜をたどります。
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