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2016.01.25

スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス ―ピカソに鉄彫刻を教えた男

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スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス
―ピカソに鉄彫刻を教えた男
世田谷美術館で開催されています。

会期:2015年11月28日~2016年1月31日 


こんな開放的な世田谷美術館初めて・・・これが一番の印象、作品ももちろんいいのですが、窓から砧公園の緑が望める空間に余裕をもって作品が 展示されています。

最初の展示室、公園の緑が背景の扇形のフロアに、チラシにも使われている代表作《ダフネ》(ブロンズ、鍛造)と頭部―二つの頭部(ブロンズ、鍛造)の2点のみが展示されています。この空間気に入りました。

金工職人だったフリオ・ゴンサレスは画家を目指して、バルセロナからパリに拠点を移します。
ブランクーシの技術助手を務めたり、旧知のピカソに溶接技術を教えたりしながら 、50歳を過ぎて彫刻家としての自分を発見し約10年その活動を続けたうです。(生活のためにルノーの外注工場で溶接の仕事もしていたとのこと)

金工職人時代の作品(ブローチ、ネックレス、ペンダント)、鍛造作品、、「空間の中のドローイング」といわれた線材を使った作品、ブロンズ(鋳造)、石の彫刻、ドローイングが展示されています。
一つの時代に関わった彫刻家として、その空気を感じさせる作品群でした。
ロダン、マイヨール、ブランクーシ、ピカソ等々を脳裏に・・・


HPからの引用。
20世紀鉄彫刻の父、フリオ・ゴンサレス(1876-1942)。19世紀末、バルセロナの若き金工職人だった彼は、1900年からパリを拠点に、金工で生計を立てつつ画家をめざしました。ブランクーシの技術助手を経て、1920年代末、同郷の旧友ピカソに鉄の溶接技術を教えたことで、ゴンサレスは50歳を過ぎてから「彫刻家」としての自分を発見します。以後、「空間の中のドローイング」とも呼ばれる、抽象的でいて有機的なのびやかさをもつ彫近郊で刻によって注目されますが、スペイン内戦や第二次世界大戦という苦難のなか、志半ばで世を去りました。
 ゴンサレスが彫刻家として活動したのは、わずか10年あまりです。しかし、鉄などの金属素材を知りつくした手と、同時代の多彩な芸術を咀嚼する粘り強い精神から生まれた彼の作品は、デイヴィッド・スミス、アンソニー・カロなど、戦後の現代彫刻家たちが進むべき道を指し示すものとなりました。
 本展は、ゴンサレスの仕事の全体像をとらえる、わが国初の体系的な回顧展です。スペインのバレンシア現代美術館(IVAM)の所蔵品を中心に、バルセロナ時代の貴重な金工作品をはじめ、彫刻、素描など計94点を展覧し、知られざる巨匠ゴンサレスの魅力をお伝えします。



展示構成は以下の通りです。

1、 金工職人としての仕事 

2、「彫刻家」への道程

3、彫刻家の誕生―平面から立体へ

4、空間とのコラボレーション―素材としての空間

5、石の頭部―量塊をめぐる試行

6、終わりなき探求

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《 花(菊)》 1890-1900年頃 鉄、真鍮(鍛造、溶接)

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《尖ったマスク》 1929-30年頃 鉄(鍛造、切断、曲げ 、溶接)

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《鏡の前の頭部》 1934年頃 ブロンズ(鋳造)

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《座る女1》 1935年頃 ブロンズ(鋳造)

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