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2016.01.31

観てきた展覧会備忘録(2016年1/1~1/31)

博物館に初もうで(会期終了)
会期 2016年1月2日(土) ~2016年1月31日(日)
東京国立博物館


歴史をつなぐ天璋院の用箪笥

会期 2016年01月02日(土)〜02月21日(日)
江戸東京博物館

レオナルド・ダ・ヴィンチ−−天才の挑戦
会期 2016年01月16日(土)〜04月10日(日)
江戸東京博物館

「岡本太郎と中村正義・東京展」  ~「東京展」に賭け、日本の美術界に挑む~(会期終了)
会期 2015年10月17日(土)~2016年1月11日(月)
川崎市岡本太郎美術館

スター・ウォーズ展 未来へつづく、創造のビジョン(会期終了)
会期 2015年11月25日(水)~2016年1月5日(火)
そごう美術館


横浜発 おもしろい画家:中島清之ー日本画の迷宮
(会期終了)
会期 2015年11月03日(火)〜2016年01月11日(月)
横浜美術館

パリ・リトグラフ工房idemから
―現代アーティスト20人の叫びと囁き

会期 2015年12月5日(土)~2016年2月7日(日)
東京ステーションギャラリー


プラド美術館展 ―スペイン宮廷 美への情熱(会期終了)
会期 2015年10月10日(土)~2016年1月31日(日)
三菱一号館美術館


絵画のゆくえ2016
FACE受賞作家展

会期 2016年1月9日(土)~2月14日(日)
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館


最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて(会期終了)
会期 12月8日(火)~2016年1月31日(日)
渋谷区立松涛美術館


三井文庫開設50周年・三井記念美術館開館10周年
記念特別展II 三井家伝世の至宝 (会期終了)
会期 2015年11月14日(土)~2016年1月23日(土)
三井記念美術館


吉野石膏 珠玉のコレクション展
会期 2016年1月20(水)~2月1日(月)
日本橋三越本店7階ギャラリー


館蔵 茶道具取合せ展
会期 2015年12月12日(土)―2016年2月14日(日)
五島美術館


水 神秘のかたち
会期 2015年12月16日(水)~2016年2月7日(日)
サントリー美術館


スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス―ピカソに鉄彫刻を教えた男(会期終了)
会期 2015年11月28日~2016年1月31日
世田谷美術館

フェルメールとレンブラント:17世紀オランダ黄金時代の巨匠たち展
会期 2016年1月14日(木)~3月31日(木)
森アーツセンターギャラリー


フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション

会期 2016年1月1日(金)〜 2月14日(日)
六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

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2016.01.27

最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて

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「最初の人間国宝 石黒宗麿のすべて」は渋谷区立松涛美術館で開催されています。

会期:12月8日(火)~2016年1月31日(日)

この時期、区立、市立美術館では、年度最後の企画展が多いですよね。


鉄釉陶器で人間国宝になった石黒ですが、 古今東西の様々な技法に挑戦しました。
石黒の本領はまさにこの作品の多彩さと自由な精神にあります。
ということで、展示リストから書き出してみます。
三彩釉、鈞窯、磁州窯、刷毛目、柿釉、金彩、黒釉、唐津、宋赤絵、チョーク描、彩瓷、楽、辰砂、織部、志野、線刻、型の使用。そして書画もあります。
どうでしょう・・これだけ多彩な作品が並ぶと、この人に、この作品という感じは持てません。でも、じっくり見るといい作品が散見されます。
自ら異端と称した石黒宗麿、出口王仁三郎とのエピソードなども時代を反映していて・・・面白いなと思いました。

HPの解説から。 

陶芸界で最初の人間国宝に指定された石黒宗麿(1893~1968)は、特定の師を持たず、中国・日本・朝鮮・ペルシャなどの古陶磁に学び、独創的な陶芸の世界を築きました。昭和30(1995)年に重要無形文化財保持者(人間国宝)の制度が誕生すると、富本憲吉、濱田庄司、荒川豊藏と共に、初めての認定を受けました。
  本展は、綿密な作品調査によって選定した様々な技法を駆使した陶磁器約130点、書画約30点を、近年の研究に基く新たな制作年代順に展示、紹介します。石黒宗麿の本格的な回顧展は約20年ぶりです。自らを異端と称した石黒の斬新で品格のある世界をぜひお楽しみください。

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黒釉葉文茶碗 個人蔵

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白地チョーク描薔薇文鉢 個人蔵


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赤楽茶碗 個人蔵

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赤絵魚花文年々富貴茶碗 個人蔵

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2016.01.25

スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス ―ピカソに鉄彫刻を教えた男

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スペインの彫刻家フリオ・ゴンサレス
―ピカソに鉄彫刻を教えた男
世田谷美術館で開催されています。

会期:2015年11月28日~2016年1月31日 


こんな開放的な世田谷美術館初めて・・・これが一番の印象、作品ももちろんいいのですが、窓から砧公園の緑が望める空間に余裕をもって作品が 展示されています。

最初の展示室、公園の緑が背景の扇形のフロアに、チラシにも使われている代表作《ダフネ》(ブロンズ、鍛造)と頭部―二つの頭部(ブロンズ、鍛造)の2点のみが展示されています。この空間気に入りました。

金工職人だったフリオ・ゴンサレスは画家を目指して、バルセロナからパリに拠点を移します。
ブランクーシの技術助手を務めたり、旧知のピカソに溶接技術を教えたりしながら 、50歳を過ぎて彫刻家としての自分を発見し約10年その活動を続けたうです。(生活のためにルノーの外注工場で溶接の仕事もしていたとのこと)

金工職人時代の作品(ブローチ、ネックレス、ペンダント)、鍛造作品、、「空間の中のドローイング」といわれた線材を使った作品、ブロンズ(鋳造)、石の彫刻、ドローイングが展示されています。
一つの時代に関わった彫刻家として、その空気を感じさせる作品群でした。
ロダン、マイヨール、ブランクーシ、ピカソ等々を脳裏に・・・


HPからの引用。
20世紀鉄彫刻の父、フリオ・ゴンサレス(1876-1942)。19世紀末、バルセロナの若き金工職人だった彼は、1900年からパリを拠点に、金工で生計を立てつつ画家をめざしました。ブランクーシの技術助手を経て、1920年代末、同郷の旧友ピカソに鉄の溶接技術を教えたことで、ゴンサレスは50歳を過ぎてから「彫刻家」としての自分を発見します。以後、「空間の中のドローイング」とも呼ばれる、抽象的でいて有機的なのびやかさをもつ彫近郊で刻によって注目されますが、スペイン内戦や第二次世界大戦という苦難のなか、志半ばで世を去りました。
 ゴンサレスが彫刻家として活動したのは、わずか10年あまりです。しかし、鉄などの金属素材を知りつくした手と、同時代の多彩な芸術を咀嚼する粘り強い精神から生まれた彼の作品は、デイヴィッド・スミス、アンソニー・カロなど、戦後の現代彫刻家たちが進むべき道を指し示すものとなりました。
 本展は、ゴンサレスの仕事の全体像をとらえる、わが国初の体系的な回顧展です。スペインのバレンシア現代美術館(IVAM)の所蔵品を中心に、バルセロナ時代の貴重な金工作品をはじめ、彫刻、素描など計94点を展覧し、知られざる巨匠ゴンサレスの魅力をお伝えします。



展示構成は以下の通りです。

1、 金工職人としての仕事 

2、「彫刻家」への道程

3、彫刻家の誕生―平面から立体へ

4、空間とのコラボレーション―素材としての空間

5、石の頭部―量塊をめぐる試行

6、終わりなき探求

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《 花(菊)》 1890-1900年頃 鉄、真鍮(鍛造、溶接)

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《尖ったマスク》 1929-30年頃 鉄(鍛造、切断、曲げ 、溶接)

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《鏡の前の頭部》 1934年頃 ブロンズ(鋳造)

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《座る女1》 1935年頃 ブロンズ(鋳造)

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2016.01.22

記念特別展Ⅱ 三井家伝世の至宝

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三井文庫開設50年・三井記念美術館開設10周年記念特別展Ⅱ 三井家伝世の至宝は三井記念美術館で開催されています。
会期:2015年11月14日~2016年1月23日

後期展示に行ってきました。


収集分野(範囲)の広さ、深さにはあらためて、感心してしまいます。
切手まで収集していたんですね。
よく行く美術館なので、
何度か拝見した作品も多々ありましたが・・・・
そして、何度観ても素晴らしい収集品ばかりなのですが、
今回注目は、茶道具ではないでしょうか?
大阪市立陶磁美術館所蔵の国宝《油滴天目》をはじめ、三井記念美術館以外の所蔵作品が半数程度集められています。
これがまた、傑作、珍品ばかりで、三井家の伝統流石!です。
器形、彩り、微妙な艶、堪能です。

ということで、出展目録から抜粋してみました。

古銅龍耳花入 1口 明時代 室町三井家

青磁浮牡丹文不遊環耳付花入 1口 南宋〜元時代・13〜14世紀 北三井家

重文 唐物肩衝茶入 北野肩衝 1口 南宋時代・12〜13世紀 北三井家

瀬戸面取手茶入 佐久間面取 1口 江戸時代・17世紀 北三井家

瀬戸肩衝茶入 銘橋姫 1口 桃山〜江戸時代・17世紀 室町・北三井家 個人所蔵

重文 玳皮盞 鸞天目 1口 南宋時代・12〜13世紀 室町三井家

粉引茶碗 三好粉引 1口 朝鮮時代・16世紀 北三井家 

斗々屋茶碗 銘霞  1口 朝鮮時代・16世紀  室町三井家

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重文 黒楽茶碗 銘時雨  1口  本阿弥光悦  江戸時代・17世紀  北三井家  名古屋市博物館蔵

重文 黒楽茶碗 銘雨雲  1口 本阿弥光悦 江戸時代・17世紀 北三井家 

重文 黒楽茶碗 銘俊寛 1口 長次郎 桃山時代・16世紀 室町三井家 
 
黒楽茶碗 銘菖蒲 1口 長次郎 桃山時代・16世紀 室町三井家 MOA美術館蔵

錐呉器茶碗 銘山井 1口 朝鮮時代・16世紀 三井家 個人蔵

釘彫伊羅保茶碗 銘秋の山 1口 朝鮮時代・17世紀 北三井家 湯木美術館蔵

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奥高麗茶碗 銘深山路 1口 桃山時代・17世紀 室町三井家 個人蔵

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重文 色絵鱗波文茶碗 1口 仁清 江戸時代・17世紀 南三井家 北村美術館蔵

重文 赤楽茶碗 銘鵺 1口 道入 江戸時代・17世紀 室町三井家

国宝 油滴天目 1口 南宋時代・12〜13世紀 伊皿子三井家 大阪市立 東洋陶磁美術館蔵

HPから

平成27年度は、公益財団法人三井文庫が、昭和40年5月14日に財団法人として東京都中野区上高田に開設してから50周年の年に当たります。また、同財団の博物館類似施設であった三井文庫別館が、平成17年10月8日に中央区日本橋室町の三井本館7階に移転し、三井記念美術館として開館してから10周年の年でもあります。

この記念すべき年度として、当美術館では春季と年末年始の2回にわけて記念特別展を開催する運びとなりました。春季の記念特別展Iでは、「三井の文化と歴史」と題し、前期に「茶の湯の名品」、後期に「日本屈指の経営史料が語る 三井の350年」を開催し、それぞれ1万人を超える来館者があり、好評の内に終了することができました。

これに引き続き記念特別展IIでは、「三井家伝世の至宝」を開催します。この展覧会では、館蔵の国宝・重要文化財を中心に、現在は三井から離れ、他の美術館・博物館・個人等の所蔵となっている名品・優品もあわせて展示し、かつて三井家に伝世した至宝の数々を一堂のもとに鑑賞していただきます。

展示構成は以下の通りです。

展示室Ⅰ 茶道具 

展示室Ⅱ 国宝(古筆・茶碗)

展示室Ⅲ (如庵) 茶道具取り合わせ

展示室Ⅳ 絵画・書跡

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国宝 熊野御幸記 1巻 藤原定家 鎌倉時代・建仁元年(1201) 北三井家

展示室Ⅴ 書跡・絵画・工芸・歴史資料

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舟月蒔絵二重手箱 1合 室町時代・16世紀 北三井家

展示室Ⅵ 三井高陽切手コレクション

展示室Ⅶ 能面・絵画・刀剣

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国宝 短刀 無銘正宗 名物日向正宗  鎌倉時代・14世 三井記念美術館蔵


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2016.01.20

レオナルド ・ダ・ヴィンチ ー天才の挑戦

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レオナルド・ダ・ヴィンチ ー天才の挑戦は江戸東京博物館で開催されています。
会期:2016年1月16日(土)―4月10日(日)

日本初公開!
絵画、手稿、素描、 ダ・ヴィンチの真筆が勢ぞろい!
ということですが、矢張り、スコットランドから海外に出るのは77年ぶりという《糸巻きの聖母》が目玉ですね。
チョット、観に行かないではいられません。
《糸巻きの聖母》の展示場所には既に、行列整理のための仕切りができ、警備の方も位置についていましたが、拍子抜けするほど空いていました。
混雑はこれからなんでしょうね~


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《糸巻きの聖母》
1501年頃、油彩・板、48.3×36.8cm
バクルー・リビング・ヘリテージ・トラスト蔵


小品ですが、やはりいいですね・
幼子イエスが持つ糸巻き棒は「人間と世界の運命を紡ぐ道具」だそうです。
その体の動きと視線は何に向かっているのでしょうか?
聖母の左手は支えているのでしょうか?、抑えているのでしょうか?
そして、何かを抑えこむような、宥めるような右手の意味は?

レオナルドは、表情やジェスチャーで登場人物の感情を伝えようとしました。
特に、目に見えない人物の心の動きを表すものとして「手の動き」を入念に研究したそうです。

そのような研究の一端であるレオナルドの素描群も展示されています。

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《子供の研究》部分
1502-1503年 28.5×19.8cm

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《手の研究》弟子との共作
1495年頃 20.8×16.1cm


『鳥の飛翔に関する手稿』、ルネサンス期の工房とレオナルド・アカデミーの画家たちの作品も楽しめます。
もう一度行ってこちらもじっくり見てきたいと思いますが、混んでるかな次回は・・・・

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《鳥の飛翔に関する手稿》
第10紙葉と第11紙葉表
1505年 トリノ王立図書館


HPの解説から


日本とイタリアの国交樹立150周年を記念し、イタリアが生んだ天才レオナルド・ダ・ヴィンチ(1452-1519)の展覧会を開催します。

 今回の展覧会では、自然観察を通じて真理に近づこうとしたレオナルドの挑戦を、日本初公開の絵画《糸巻きの聖母》(バクルー・リビング・ヘリテージ・トラスト)と直筆ノート『鳥の飛翔に関する手稿』(トリノ王立図書館)を中心に紹介します。

 《糸巻きの聖母》は、イギリスの貴族バクルー公爵家が所蔵し、レオナルドの故郷イタリア、作品のあるイギリス以外の場所では初めて出品されることになりました。2009年にようやく、スコットランド・ナショナル・ギャラリーで一般公開されることになった至宝です。

 また、レオナルドの手稿の中でも人気の高い『鳥の飛翔に関する手稿』も、日本初公開となります。本展の図録で、日本側の監修者である斎藤泰弘氏(京都大学名誉教授)による待望の新訳も発表されます。

 2点とも、本展のテーマである「見えない世界を探る(beyond the visible)」ために、レオナルドが行った人間観察・自然研究が集約された円熟期の傑作です。このほか、花や子どもを観察した日本初公開の真筆素描7点(うち1点は弟子との共作)、レオナルド派による日本初公開の珠玉の絵画、神話化・伝説化されたレオナルドの生涯を表した版画など約70点と、素描から忠実に再現した関連模型を通じ、天才の挑戦を体系的に展観します。

展覧会の構成は以下の通りです。

序章 レオナルドの肖像 ―天才像と神話化

第1章 自然と人間―直感と観察

第2章 『鳥の飛翔に関する手稿』―人間の限界を超えた飛翔、自然と神への挑戦

第3章 《糸巻きの聖母》―見えない世界を探る

第4章 レオナルドの教え―ルネサンス期の工房とレオナルド・アカデミー


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2016.01.18

プラド美術館展 ―スペイン宮廷美への情熱

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プラド 美術館展は三菱一号館美術館で開催されています。
会期:2015年10月10日~2016年1月31日


プラド美術館所蔵の「小さなサイズ」の作品に焦点を当てた企画展です。
これはこれで面白いですね、大作に劣らない、違った楽しみがありますね。
中世後期から19世紀までを網羅、秀品ぞろいで楽しめました。

HP解説からの引用


今回、プラド美術館は自らのコレクションに新しい光をあてる試みを企てました。つまり 「小さなサイズ」の作品に焦点を当て、その魅力を見出す展覧会を組み立てたのです。マドリードからバルセロナを経てここ東京にやってきたこの展覧会はヨーロッパ絵画の知られざる側面に光を当てようとする斬新な試みです。
19世紀、印象派の出現によってようやく近代絵画は民主主義的で人間的なスケールに立ち戻りましたが、実はあれほど壮大な画面を手掛けたオールド・マスターたちもまた、そうした個々の秘やかな人間感情に基づいて制作を行っていたことが、この展覧会の出品作品によって如実に証明されます。こうした「私的感覚」を感じ取るのに、おそらく三菱一号館美術館の小さな展示空間ほど的確な場所もないでしょう。かつてスペインの碩学エウヘニオ・ドールスが名著「プラド美術館の3時間」で試みたように、精選された作品とのつかの間の自由な対話を通して
私たちはこの素晴らしい美術館の深部に横たわる美のエッセンスを垣間見ることができるのです。


「愚か者を治療するための手術」を描いていて、様々な寓意が込められています。(詳しくは本展の特設ページで)
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ヒエロニムス・ボス  
《愚者の石の除去》48.5×34.5cm  1500-10年頃


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バルトロメ・エステパン・ムリーリョ
《ロザリオの聖母》166×1125cm   1650-55年

この色彩バランスは素晴らしい、不変の美。
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ファン・バン・デル・アメン 
《スモモとサワーチェリーの載った皿》20×28cm   1631年頃


この展覧会、ゴヤで一章を設けていますが、矢張り、ゴヤの作品は際立ちます。
作品と対面した瞬間に引き込まれる・・・感じです。


諍いの現場?その様子が小さな画面に表現されてますね。
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フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 
《アルパ女公爵とラ・ベアタ》33×27.7cm   1795年

この人物の総体が見事に描きこまれていますね。
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フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス
《レオカディア・ソリーリャ?》82.5×58.2cm   1814-16年


展示構成は下記の通りです。

Ⅰ中世後期と初期ルネサンスにおける宗教と日常生活

Ⅱマニエルスムの世紀:イタリアとスペイン

Ⅲバロック:初期と最盛期

Ⅳ17世紀の主題:現実の生活と詩情

Ⅴ18世紀ヨーロッパの宮廷の雅

Ⅵゴヤ

Ⅶ19世紀:親密なまなざし、私的な領域


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2016.01.14

シカゴ ウェストンコレクション「肉筆浮世絵-美の競艶」展

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シカゴ ウェストンコレクション「肉筆浮世絵-美の競艶」展は上野の森美術館で開催されています。
期間は、2015年11月20日(金)から2016年1月17日(日)

肉筆浮世絵だけの展示会はあまりないですよね。
それにしても、こういう秀品が、外国収集家のコレクションとして里帰り公開されることって多いですよね。

じっくり見たいところですが、混んでるんですよね~(年末に行ってきました)
なかなか動かない列に加わって観てきました。

時代の流れとともにあった浮世絵という視点からも楽しめました。
浮世絵美人画の中では鳥居清長あたりの八頭身美人、歌麿の大首絵、勝川春章の楚々とした佇まいの作品が好みですが、この企画展、絵師の描く美人のバラエティは豊富で楽しいし、生活感覚なんかも良く表現された作品も多くて、興味は尽きません。
浮世絵(版画)より画面が大きいですからね、より楽しいですね。


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勝川春章  納涼美人図


ゆったりとした体形と袖から出た手首の線が絶妙。
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伝菱川師宣 立ち姿遊女図 

今回、歌麿の真筆と鑑定された西王母。歌麿の作品を思い浮かべて観に行くと、あれ?と思いますよね。
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喜多川歌麿 西王母図 

                                                 


北斎の上手さは、今更ながら感心。
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葛飾北斎 美人愛猫図


この、あぶな絵は色っぽいですね~
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西川祐信 髷を直す美人


まさに風俗画、遊女の生活描写が面白い。
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初代歌川豊国 時世粧百姿図(全24図)から

会期末が迫ってますます混むとは思いますが、お勧め企画展です。


展覧会の構成は以下の通りです。

第1章上方で展開した浮世の絵

第2章浮世絵の確立、江戸での開花

第3章浮世絵諸画派の確立と京都西川祐信の活動

第4章錦絵の完成から黄金時代

第5章百花繚乱・幕末の浮世絵界

第6章上方の復活

第7章近代の中で

HPの解説

アメリカ・シカゴの日本美術収集家ロジャー・ウェストン氏所蔵の肉筆浮世絵は、個人コレクションとしては世界有数の規模と質を誇っています。本展では、その千点以上のコレクションの中から厳選された約130点の作品をご紹介します。勝川春章、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、河鍋暁斎など50人を超える絵師たちによる多彩な作品を通して、江戸初期から明治にいたるまでの肉筆浮世絵の流れを知ることができる、またとない機会です。
肉筆浮世絵とは、絵師が絹や紙に筆で直接描いたものを指します。浮世絵といえば、写楽の役者絵、歌麿の美人画、北斎や広重の風景画など、鮮やかな色彩で摺られた版画を思い浮かべる人が多いでしょう。そのような浮世絵版画と区別するため、あえて肉筆浮世絵と呼んでいるのです。

量産される浮世絵版画に対して、一点物の肉筆浮世絵は大変貴重であり、大名や豪商たちからの注文を受けて描かれることもありました。絵師たちが腕をふるった肉筆浮世絵には、女性の髪の生え際や華麗な衣裳の文様まで精緻に描かれている作品が多く見られます。ウェストンコレクションの優品が日本に里帰りし初公開される本展で、華やかな美人たちの競艶をぜひお楽しみください。

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2016.01.09

「岡本太郎と中村正義・東京展」  ~「東京展」に賭け、日本の美術界に挑む~

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岡本太郎美術館で下記期間開催されています。
2015年10月17日(土)~2016年1月11日(月・祝)

今日の芸術は、 うまくあってはいけない、 きれいであってはいけない、 心地よくあてはならない。 と、私は宣言します。それが芸術における根本条件である、と確信するからです。 これは今まで考えられていた、絵はうまく、美しく、快いものであるという価値基準とは、全く正反対の意見ですから、あるいは逆説のように聞こえるかもしれません。しかし、これこそ、まことに正しいのです。 (太郎のことば)
現代、これほど大きなひずみの中で、怒りを持たない人間は、無知か、卑屈か、卑怯者か、いずれにしても偽物です。 反骨精神とは、 無知と卑怯におかされない正常な人間の本能のようなものです。 この本能に対して行動をもたない人間も偽物です。 金は持っているが、かっこのよいことを言うが、 本当に行動的に怒りを投げかける大人を、 私はほとんど知りません。 (正義のことば)

これらのことばを、どうとらえるかは、人それぞれでしょう・・・
この展覧会の作品を見ていると、特に正義の作風の大変貌は小気味いい!私は、そう思いました。
「岡本太郎、中村正義、東京展」というキーワードで観るというより、中村正義の作品の変遷ばかりが印象に残る展覧会でした。


HPの解説


1975年、画家・中村正義はこれまで築きあげてきた画家としての人生のすべてを賭けて全く新しい美術の共同体・組織を、日本の閉塞的な美術界に誕生させようとしました。
自らが育った「日展」に反旗を翻した中村正義が、さらに日本美術界そのものを変革させるべく、病身をおして作ったのが「第1回 東京展」でした。中村正義にとって、「第1回 東京展」は日本美術界の全体を変革させる核であり、変容させる新しい生命体だったのです。その新しい生命体を誕生させるには、さらに強烈なエネルギーが必要でした。そのエネルギーこそが岡本太郎だったのです。

一方、岡本太郎は1941年に10年余りいたパリから帰国し、第28回二科展に滞欧作4点を発表。1946年復員した岡本太郎は、作家活動を再開し、1947年二科春季展に出品。

1948年、評論家・花田清輝、小説家・野間宏、安部公房、椎名麟三、埴谷雄高らと総合芸術運動を目論む「夜の会」を結成し、日本の芸術界全体の変革を目指します。ここから岡本はアヴァンギャルドの旗手として、美術という領域から逸脱するように多面的な活動を行います。しかし、またもう一方で、岡本は二科会には所属し続け、若い芸術家を育てながら、「二科会」内部からの変革も模索していました。

1961年、奇しくも岡本太郎は、8月に「二科会」を脱会。中村正義は、同年6月に「日展」から脱退しました。

本展は岡本、中村の接点である「第1回 東京展」の構想および再現を軸にして、岡本と中村の作品を中心に展示し、現在の日本の美術の状況を再考する機会にしたいと考えております。


展覧会の構成は以下の通りです。

第Ⅰ章 日展・二科時代

第Ⅱ章 決別、そして、新たなる挑戦

第Ⅲ章 1975年東京展

第Ⅳ章 飽くなき探究と挑戦

第Ⅴ章 美術の枠を超えて

第Ⅵ章 対決!太郎と正義

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中村正義 空華 1951 豊橋市美術博物館蔵


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中村正義 女 1957 豊橋市美術博物館蔵


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中村正義 舞妓 1958 兵庫県高砂市 新井神社蔵

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中村正義 妓女 1962 豊橋市美術博物館蔵

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中村正義 男と女 1963 豊橋市美術博物館蔵

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中村正義 イト 1964 豊橋市美術博物館蔵

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中村正義 うしろの人 1972-77 豊橋市美術博物館蔵

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中村正義 何処へいく 1974 豊橋市美術博物館蔵


正義の作品(画像)ばかりを取り上げましたが、展覧会では、勿論東京展に参加したアーティストの作品、記録資料もたくさん展示されています、太郎の作品も正義の作品と対比するような形で展示されています。

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2016.01.08

奉納土俵入り(明治神宮)

正月の恒例行事ですね、久しぶりで、行ってきました。

以下は、明治神宮HPのQ&Aからの引用です。

 明治神宮と相撲とのかかわりは創建前(明治神宮は大正9年に創建)の大正7年(1918)6月1日、明治神宮外苑の地鎮祭に際し、大日本相撲協会によって地固相撲の神事が行われたことに始まります。次いで大正9年(1920)11月2日に明治神宮創建を奉祝して相撲大会が青山練兵場(現在の外苑)にて行われ、大錦横綱方と栃木山横綱方とが分かれて勝敗を競い合い、大錦方が大勝して優勝旗を掲げながら神宮に参拝しています。

 また大正11年(1922)11月2日には、大錦が拝殿前石階下にて横綱土俵入りを奉納した記録があり、これが明治神宮で行われた最初の手数入り(でずいり)です。そして大正14年(1925)11月1日に、当時の栃木山・西ノ海・常の花の三横綱が大前の参拝に続いて、豪快な手数入りを奉納して、3日に明治神宮相撲場(外苑)にて第1回大会が開催されました。これが現在、明治神宮例祭を奉祝して秋に行われる「全日本力士選士権大会」通称・明治神宮相撲大会のはじまりでした。

 つぎに横綱の推挙状授与式ですが、横綱の推挙状は江戸時代からはじまり、相撲司の吉田襖風家からその邸宅の祭場で授与されていたようで、第40代東富士までは熊本の司家より横綱免許状が出されていました。そして第41代千代の山より、明治神宮の神前において相撲協会から推挙状が出されることになり、昭和26年6月8日、神前ではじめて横綱推挙式と手数入りが行われ、以来、恒例として横綱推挙式は明治神宮で行われることとなりました。

 現在では横綱推挙式のほか、正月の手数入り(例年1月5~7日ころ)と秋の相撲大会に横綱土俵入りが行われます。

 ちなみに「手数入り」の「でず」とは、わざの意味で吉田司家の口伝に横綱土俵入りを「手数入り」といったことから由来します。

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見学に集まった大群衆(南神門)


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見学に集まった大群衆(本殿前)報道陣がカメラを構えてます。


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参拝を終えて着席した相撲協会役員の親方たち。

三横綱の奉納土俵入り。(デジカメの動画機能、しかも大混雑で不自然な姿勢で撮ってます。手ぶれ補正をしていますので、大画面にすると不自然に見えるかもしれません)





インタビューに応じる三横綱

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ファンの声援に手を振って・・・

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2016.01.02

謹賀新年 2016

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新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になり有難うございました。
拙ブログ、なかなか更新できませんが、暇な時にでも覗いてみてください、今年もよろしくお願いいたします。

皆様にとって健やかで幸せな一年になりますように
お祈り申し上げます。


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