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2016.01.14

シカゴ ウェストンコレクション「肉筆浮世絵-美の競艶」展

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シカゴ ウェストンコレクション「肉筆浮世絵-美の競艶」展は上野の森美術館で開催されています。
期間は、2015年11月20日(金)から2016年1月17日(日)

肉筆浮世絵だけの展示会はあまりないですよね。
それにしても、こういう秀品が、外国収集家のコレクションとして里帰り公開されることって多いですよね。

じっくり見たいところですが、混んでるんですよね~(年末に行ってきました)
なかなか動かない列に加わって観てきました。

時代の流れとともにあった浮世絵という視点からも楽しめました。
浮世絵美人画の中では鳥居清長あたりの八頭身美人、歌麿の大首絵、勝川春章の楚々とした佇まいの作品が好みですが、この企画展、絵師の描く美人のバラエティは豊富で楽しいし、生活感覚なんかも良く表現された作品も多くて、興味は尽きません。
浮世絵(版画)より画面が大きいですからね、より楽しいですね。


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勝川春章  納涼美人図


ゆったりとした体形と袖から出た手首の線が絶妙。
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伝菱川師宣 立ち姿遊女図 

今回、歌麿の真筆と鑑定された西王母。歌麿の作品を思い浮かべて観に行くと、あれ?と思いますよね。
Utamaro
喜多川歌麿 西王母図 

                                                 


北斎の上手さは、今更ながら感心。
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葛飾北斎 美人愛猫図


この、あぶな絵は色っぽいですね~
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西川祐信 髷を直す美人


まさに風俗画、遊女の生活描写が面白い。
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初代歌川豊国 時世粧百姿図(全24図)から

会期末が迫ってますます混むとは思いますが、お勧め企画展です。


展覧会の構成は以下の通りです。

第1章上方で展開した浮世の絵

第2章浮世絵の確立、江戸での開花

第3章浮世絵諸画派の確立と京都西川祐信の活動

第4章錦絵の完成から黄金時代

第5章百花繚乱・幕末の浮世絵界

第6章上方の復活

第7章近代の中で

HPの解説

アメリカ・シカゴの日本美術収集家ロジャー・ウェストン氏所蔵の肉筆浮世絵は、個人コレクションとしては世界有数の規模と質を誇っています。本展では、その千点以上のコレクションの中から厳選された約130点の作品をご紹介します。勝川春章、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、河鍋暁斎など50人を超える絵師たちによる多彩な作品を通して、江戸初期から明治にいたるまでの肉筆浮世絵の流れを知ることができる、またとない機会です。
肉筆浮世絵とは、絵師が絹や紙に筆で直接描いたものを指します。浮世絵といえば、写楽の役者絵、歌麿の美人画、北斎や広重の風景画など、鮮やかな色彩で摺られた版画を思い浮かべる人が多いでしょう。そのような浮世絵版画と区別するため、あえて肉筆浮世絵と呼んでいるのです。

量産される浮世絵版画に対して、一点物の肉筆浮世絵は大変貴重であり、大名や豪商たちからの注文を受けて描かれることもありました。絵師たちが腕をふるった肉筆浮世絵には、女性の髪の生え際や華麗な衣裳の文様まで精緻に描かれている作品が多く見られます。ウェストンコレクションの優品が日本に里帰りし初公開される本展で、華やかな美人たちの競艶をぜひお楽しみください。

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