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2014.11.02

菱田春草展

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この展覧会は、2014年9月23日(火・祝)~11月3日(月・祝)まで開催されています。
明日までになってしまいました。
私が行ったのは始まってすぐのころで、とても空いていてじっくり鑑賞できました。

「日本画を変えたい」菱田春草は15年の画業の中で追及し続けました。
この展覧会では時系列で概観しています。
蒙老体に始まり、洋画絵具の取入れ、色彩理論の応用(点描、色彩対比)等々探究は尽きません。
ですが、やはり気温、湿気までが伝わってくるような空気感が素晴らしい、春草の真骨頂ですね。
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雨中牡丹1907年(明治40年)7月

牡丹そのものは、平凡ですがそれを包む空間、空気感ですよね、
実際はもう少し牡丹と空気の境が曖昧だったような気がするのですが・・・・


展覧会の構成は以下の通りです。

1章:東京美術学校の時代
2章:日本美術院の時代
3章:外遊、そして五浦へ
4章:代々木の時代

HPの解説


 菱田春草(1874-1911)は、日本近代の芸術家のなかで最も重要な人物の一人です。今秋、春草生誕140年を記念し、東京国立近代美術館に100点を超える作品を集めた大回顧展を開催します。

 春草は、岡倉覚三(天心)のもと、線によって精神性を表わそうとした初期、色をぼかして空気を表現しようとしたいわゆる「朦朧体もうろうたい」の時期を経て、背景表現を抑制した装飾的な画風にとりくみ、《落葉おちば》(1909年、永青文庫蔵<熊本県立美術館寄託>、重要文化財)、《黒くろき猫ねこ》(1910年、永青文庫蔵<熊本県立美術館寄託>、重要文化財)といった近代美術史上の名作を生み出しました。36歳で亡くなった春草の画業はおよそ15年。その間に彼が行なった様々な絵画上の実験が、後の「日本画」を変えたのです。

 本展では、所蔵者各位のご協力を得て、春草の代表的な作品が一堂に集結します。《落葉おちば》の連作5点すべてに加え、《黒くろき猫ねこ》及びその関連作、さらに準備過程で新たに発見された作品や、数十年ぶりの出品となる作品も数多く紹介します。かつてない充実したラインナップを実現させる本展は、春草芸術の魅力を再確認するまたとない機会となることでしょう。

 一方、現在《水鏡みずかがみ》、《王昭君おうしょうくん》、《賢首菩薩けんしゅぼさつ》といった代表的作品を対象に絵具の科学調査を進めています。その成果をふまえ、春草の革新的な色彩表現について考察し、さらに落款等を手掛かりに各作品の制作時期の再検討も試みます。こうした最新の研究成果から春草の創造性豊かな画業に迫ることも、本展の大きな特徴の一つです。


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《黒き猫》1910(明治43)年 重要文化財 永青文庫(熊本県立美術館寄託)
展示期間:10月15日~11月3日

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《落葉》1909(明治42)年 重要文化財 永青文庫(熊本県立美術館寄託)展示期間:9月23日~10月13日

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《王昭君(おうしょうくん)》1902年(明治35) 重要文化財 善寳寺

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《賢首菩薩(けんしゅぼさつ)》
1907(明治40)年 重要文化財 東京国立近代美術館

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