日本・スイス国交樹立150周年記念 フェルディナント・ホドラー展
この展覧会は国立西洋美術館で
2014年10月7日(火)~2015年1月12日(月・祝)まで開催されています。
詳細はHPでご確認下さい。
ホドラーは世紀末の象徴主義の特有のテーマに惹かれると同時に、身近なアルプスの景観をくりかえし描きました。また、類似する形態の反復によって絵画を構成する「パラレリズム」(平行主義)という方法を提案し、人々の身体の動きや自然のさまざまな事物が織りなす、生きた「リズム」を描き出すことへと向かいました。今回の展覧会は、ホドラーの画業をたどりながら、世紀転換期のスイスに生まれた「リズム」の絵画を体感する場となるでしょう。
Chapter 1(光のほうへ ― 初期の風景画)、Chapter 2(暗鬱な世紀末? ― 象徴主義者の自覚)はこの展覧会の(画業の)序章と言えそうです。
14歳で弟子入りした師が観光客へのお土産に描いていた為、風景画の制作に携わるが、18歳で工房を飛び出してしまう。
無一文のホドラーは徒歩でジュネーブに向かう。
そして、ジュネーブ美術学校のバルテレミー・メンの弟子となる。
ホドラーは、アングルに学びドービニーやコローとも交流のあったメンに鍛えられ、室内で既存の風景画をコピーするのではなく、戸外の光をじかに知覚することを覚える。
また、貧しかったホドラーは労働者階級の住む町に住み、彼らを描くことも少なくなかった。
クールベのリアリズムを意識した作品も描くが、モデルそのものの苦悩、思索を象徴するような作品へと変化していく。世紀末の空気と両親や兄弟すべてを結核で失った「死」につきまとわれたことが反映されていたと・・・
そして、リズムの絵画へ・・・・
私は、とても新鮮さを感じながら観てきました。
過去にホドラーの作品は見ているのですが、これだけ体系的に多量の作品に出合えると尚更です。
時系列での鑑賞の中で、クールベ、セザンヌ、クリムト、シャバンヌ、ダンス、音楽、フレスコ画、等々、連想が膨らみます、そして醸成されたホドラーの世界へ。
ホドラーは、この様にも言っています。
「わたしが人間の身体を描くのは、それが身体の情動によって動かされるときである。(・・・・)どんな感情もリズムをもつ」
「自然の形態のリズムと協働すること、交響すること。わたしはそれおオイリュトミーと呼ぶのだ。」
「色彩は形態と結びつくことで、より強く際立ち、交替と反復から生じるリズムを規定する」
日本では40年ぶりの回顧展。
出展作100点のうち8割が日本初公開だそうです。
展覧会の構成は以下の通りです。
Chapter 1
光のほうへ ― 初期の風景画
Chapter 2
暗鬱な世紀末? ― 象徴主義者の自覚
Chapter 3
リズムの絵画へ ― 踊る身体、動く感情
Chapter 4
変幻するアルプス ― 風景の抽象化
Chapter 5
リズムの空間化 ― 壁画装飾プロジェクト
Chapter 6
無限へのまなざし ― 終わらないリズムの夢
Chapter 7
終わりのとき ― 晩年の作品群
《感情 III》 1905年、油彩・カンヴァス、ベルン州
© Kanton Bern
《木を伐る人》 1910年、油彩・カンヴァス
ベルン、モビリアール美術コレクション
《恍惚とした女》
1911年 油彩、カンヴァス ジュネーヴ美術・歴史博物館
©Musée d’art et d’histoire, Ville de Genève
©Photo: Bettina Jacot-Descombes
《「無限へのまなざし」の単独像習作》 1913/1915年、油彩・カンヴァス、ジュネーヴ美術・歴史博物館
© Musée d’art et d’histoire, Ville de Genève © Photo: Bettina Jacot-Descombes
《バラのある自画像》
1914年、油彩・カンヴァス
シャフハウゼン万聖教会博物館
《シェーブルから見たレマン湖》 1905年、油彩・カンヴァス、ジュネーヴ美術・歴史博物館
© Musée d’art et d’histoire, Ville de Genève © Photo : Yves Siza
《トゥーン湖とニーセン山》 1895年、油彩・カンヴァス、ベルン美術館
Kunstmuseum Bern, Staat Bern
《白鳥のいるレマン湖とモンブラン》 1918年、油彩・カンヴァス、ジュネーヴ美術・歴史博物館
Museum of Art luceernc © Photo: Andri Stadler
《昼Ⅲ》 1900/10年頃、油彩・カンヴァス、ルツェルン美術館
© Musée d’art et d’histoire, Ville de Genève © Photo: Yves Siza
tame
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