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2013.11.27

生誕100年!植田正治のつくりかた

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この展覧会は、東京ステーションギャラリーで2013年10月12日(土)~2014年1月5日(日)まで開催されています。

植田正治というと、砂丘での演出写真をすぐ思い出しますよね。
この展覧会では、演出を封印していた時代の作品「童暦」から始まります。砂丘作品だけではありませんよ....というメッセージかもしれませんね?
最終章では植田作品.なの?と思ってしまうような、作品も並びます。
ロックバンドのヴィデオクリップなんかも作っていたなんて・・・・ファッション雑誌用の写真も手がけました、新鮮ですね〜

いいなー、とてもいいな〜と私が思ったのは、「綴り方・私の家族」です。長女和子ふんする「植田カコ」による綴り方に沿って物語(写真)が進行していきます、昔の家族?ってこうだったんですよね。

考えてみれば、シュルレアリスムの世界と通じる作品も多いですよね、砂漠の風景って、シュルレアリスムの作家が描いてきた風景と似てますよね、そして登場するあの帽子もね!

地元の山陰、砂漠にこだわった写真家であることはその通りなのでしょうが、それだけでない、幅広い活躍をされた、写真が好きでたまらない人、そんな人の展覧会ですね。

HPの紹介文から

日本を代表する写真家の一人、植田正治(1913-2000)が生誕100周年を迎えました。故郷である山陰地方を生涯の拠点としたことで知られ、平面的に人物を配置した独特な演出写真で絶大な人気を誇るこの写真家を回顧する本展の主題は、「植田正治のつくりかた」です。

植田はまさしく精妙につくられた世界観によって人々を魅了してきました。植田正治という写真家は、どのようにひとつひとつの作品をつくりあげていったのか。そして植田という写真家は、いかにして形づくられたのか。新発見の作品を含む代表作約150点の作品を通じて、その秘密に迫ります。

東京ステーションギャラリーでは、1993 年に生前最大規模となる回顧展「植田正治の写真」を開催いたしました。装い新たに再開館した当館での2 度目の個展となる今回は、これまでの研究成果も踏まえて、一層充実した内容となります。一連のユニークな作品が生まれた背景、手法や作品の変化、そしてその受け入れられ方を見返すとき、「砂丘の写真家」という固定されたイメージは解き放たれることでしょう。親しみ深い印象の反面で、一筋縄ではいかないこの写真家を読み直す機会にご注目ください。

展覧会の構成は以下の通り。
Ⅰ 童暦ディスカバー 植田正治1950年代〜1970
Ⅱ 演出の発明 出発からスタイルの確立まで1931〜1951
Ⅲ 小さい伝記 回帰と反復 1970年代〜1980年代
Ⅳ 植田正治劇場 ボクのスタジオ 1990年代〜2000

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小狐登場 1948年

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案山子 1950年

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風船をもった自画像 1948年

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パパとママとコドモたち 1949年


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「小さい伝記」より 1983年

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「砂丘モード」より 1983年

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「白い風」より 1981年

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2013.11.21

上海博物館 中国絵画の至宝 展

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この展覧会は、東京国立博物館 東洋館8室で10月1日から11月24日まで開催されています。
前期:2013年10月1日(火)~10月27日(日)
後期:2013年10月29日(火)~11月24日(日)

東洋館のこの場所は好きで、トーハクに行ったときには必ず寄ってみることにしています。
東洋館リニューアルオープン記念の展覧会です。


「中国憧憬」という言葉、この種の展覧会ではよく使われる言葉だと思っていますが・・・この展覧会で、その作品を見ると、頷いてしまいますよね。

中国絵画史の再勉強をするもよし、日本絵画史との関係に思いを馳せるのもいいですよね。

トーハクで開催中の下記展覧会と合わせて観ると・・・・多岐にわたる連関に思い当たるかもしれませんよ。
一日かけてじっくり鑑賞ですね、至福の時が過ごせると思いますよ。


「京都―洛中洛外図と障壁画の美」
平成館 2013年10月8日(火) ~2013年12月1日(日)


総合文化展の特別企画「描かれた風景-憧れの真景・実景への関心-」
本館 特別1室・特別2室 2013年10月29日(火) ~ 2013年12月8日(日)

HPの紹介文

中国でも最大規模の収蔵を誇る上海博物館。そのなかから、宋元から明清まで、約千年に渡る中国絵画を代表する名画を一堂に展示いたします。
初公開、一級文物をふくむ40件もの名品によって、五代・北宋から明清にいたる中国絵画の流れを辿ることのできるまたとない機会です。日本にはない、本場中国ならではの中国絵画の真髄をお楽しみください。


展示構成は以下の通りです。
第1章 五代・北宋―中国山水画の完成―
第2章 南宋―詩情と雅致―
第3章 元―文人画の精華―
第4章 明―浙派と呉派―
第5章 明末清初―正統と異端―

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一級文物 琴高乗鯉図軸 李在筆 明時代・15世紀 
李在は雪舟が、師事したことで知られる宮廷画家です。

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一級文物 青卞隠居図軸 王蒙筆 元時代・1366年 

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一級文物 漁荘秋霽図軸 倪瓚筆 元時代・1355年 


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山陰道上図巻 呉彬筆 明時代・1608年

この表現力は圧巻、必見ですよ。 

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一級文物 竹石集禽図軸 王淵 1幅 元時代・至正4年(1344)

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寒香幽鳥図軸 呂紀 1幅 明時代・15世紀

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2013.11.04

印象派を超えて点描の画家たち ―クレラー=ミュラー美術館所蔵作品を中心に

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この展覧会は10月4日〜12月23日まで開催されています。

ファン・ゴッホの優れたコレクションで知られるオランダのクレラー=ミュラー美術館の所蔵作品を中心に構成された展覧会です。
因みに《第1章印象派の筆触》に出展されている作品は、全て国内の美術館からです、何故?なのでしょうね。

「点描作品は好きですか?」と訊かれると、はっきり答えられないでいましたが、この展覧会で、ちょっと見直したかもしれません。

印象派に始まり、スーラの分割主義がフォーブへそして抽象絵画への先駆けとして位置づけられているという、そのことがよく解る展示構成になっています。

この展覧会、矢張りゴッホの個性が際立つのですが、《第4章 ベルギーとオランダの分割主義》《第5章 モンドリアン ―究極の帰結》こちらも注目です。象徴主義、抽象との関係性も見るのも面白いと思いました。

過去に青森県立美術館で筆触分割に注目した展覧会《光を描く 印象派展 −美術館が解いた謎−》
が開催され、旅行のついでに観てきましたが、こちらは技術的な説明にこだわった感がありました。
今回の展覧会でも、映像等での解説があり鑑賞の助けにはなりますが、あくまでも基本的な説明です。

近寄って、筆触分割の技術的な確認をするもよし、全体を見渡して、その空間の色彩を楽しむもよし、楽しめる展覧会だと思います。


HPの解説から

19世紀末から20世紀前半のヨーロッパ絵画において色彩は、外界の事物を再現するという役割から次第に解放され、ひとつの表現として自立していきます。色彩の独立は、印象派の筆触分割に、その萌芽を見出すことができます。新印象派の代表的な画家であるスーラは、印象派の感覚的な筆触分割には飽きたらず、科学的な知識をもとに独自の点描技法を開拓しました。色彩を純色の小さな点に分解して描く分割主義は、フランスを超えてヨーロッパ各地に瞬く間に広がります。そして、シニャックによる理論化にも後押しされて、抽象絵画の創設にも大きく貢献しました。オランダからパリに出たファン・ゴッホは、新印象派の技法に大きな着想を得て色彩を探求し、やはり点描を通過したモンドリアンは後年、三原色に分割された宇宙的な調和に満ちた抽象絵画へと到達したのです。

本展は、ファン・ゴッホの優れたコレクションで知られるオランダのクレラー=ミュラー美術館の特別協力のもと、スーラ、ファン・ゴッホ、モンドリアンを中心にした、フランス、オランダ、ベルギーの画家たちによる色彩の探求を検証するものです。国内の所蔵機関の協力も得て一堂に展示される、油彩画、水彩画、素描、約90点にも及ぶ珠玉の作品を通じ、絵画の真髄ともいえる色彩の輝きを新たな目で捉えなおします。

展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 印書派の筆触

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クロード・モネ 《サンジェルマンの森の中で》 1882年 油彩・カンヴァス


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カミーユ・ピサロ 《エラニーの牛を追う娘》 1884年 油彩・カンヴァス


第2章 スーラとシニャック ―分割主義の誕生と展開

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ジョルジュ・スーラ 《ポール=アン=ベッサンの日曜日》 1888年 油彩・カンヴァス


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ポール・シニャック 《コリウール、鐘楼作品164》 1887年 油彩・カンヴァス


第3章 ゴッホと分割主義

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フィンセント・ファン・ゴッホ 《種まく人》 1888年 油彩・カンヴァス


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フィンセント・ファン・ゴッホ 《レストランの内部》 1887年 油彩・カンヴァス


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アンドレ・ドラン 《コリウール港の小舟》 1905年 油彩・カンヴァス

第4章 ベルギーとオランダの分割主義

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ヤン・トーロップ 《夕暮れの光あるいは誘惑》 1888-1889年頃 油彩・カンヴァス


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テオ・ファン・レイセルベルヘ 《読書する女あるいは青い帽子の女あるいは青い帽子》 1900年 油彩・カンヴァス


第5章 モンドリアン ―究極の帰結


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ピート・モンドリアン 《砂丘》 1909年 油彩・鉛筆・厚紙


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ピート・モンドリアン 《赤と黄と青のあるコンポジション》 1927年 油彩・カンヴァス

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