米田知子 暗なきところで逢えれば
この展覧会は東京都美術館で7月20日〜9月23日まで開催されています。
個々人の生きてきた上での経験が、見方を大きく変えるかもしれません、この展覧会。
伊藤博文が暗殺された中国のプラットホーム、ゾルゲ事件の密会場所を追った写真、台湾、サハリン、マハトマガンジーの眼鏡で最後のノートを見る等々、そして福島の写真に終わります。
このこの展覧会を見ていると、自分史を思い返すことになります。
自分が生きてきた土地、その歴史を考えたりもします。
米田さんは言います。
「写真のイメージと言語の関係に興味がある。表現だけではなく、歴史性や社会性、さらには受け止める人によって『見えること』は変わると」
HPの紹介文。
日本を代表する写真家の一人である米田知子の個展を開催します。米田の作品は“記録”という写真の根本的な役割をベースにしながら、現実に見えているものだけではなく、そこにある記憶や歴史を背景に投影しています。初展示となる「サハリン島」や映像作品、そして近年の代表作より、日本やアジアの近代化における記憶や歴史をテーマに構成しました。いま存在する風景や建物に、過去にどのような出来事が起こったのか。写真を見る側はその事実を知った途端に、見えているイメージが別のものに見えてくる錯覚を覚えます。米田の作品は写真というメディアの持つ特質を最大限に生かしながら、鑑賞する側に見えているものの本質を、あらためて問いかけています。

《帝政ロシア時代、囚人が掘ったトンネルの入り口、”3人兄弟の岩”をながめて、アレクサンドロフスク・サハリンスキー》「サハリン島」より
《道―サイパン島在留邦人玉砕があった崖に続く道》「Scene」より 2003
《日本統治時代に設立された台湾銀行の寮、後の中華民国中央銀行職員の家「Japanese House」より2010
《平和記念公園・広島「積雲」より 2011
《東京宝塚劇場(クラウゼン ヴトケヲッチ) 「パラレル・ライフ」より 2008
《マハトマ・ガンジーの眼鏡『沈黙の日』の最後のノートを見る》
『Between Visiblie and invisible』より 2003
《Kimusa9》 「Kimusa」より 2009
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