国宝 興福寺仏頭展
この展覧会は東京藝術大学大学美術館で9月3日~11月24日まで開催されています。
今年、都内最大級の仏像展覧会との事ですが、振り返って見ると、確かに今年は仏像の大規模展覧会は少なかった様な気がします。
何しろ、国宝25点、重要文化財31点という豪華さですからね。
仏頭を真ん中に、左右に木造十二神将立像が並ぶ展示空間はとても魅力的です。
十二神将の木彫の素晴らしさは勿論ですが、十二神将の頭部に乗る干支を確認しながら見て回るという楽しみもあります。
1187年に山田寺から移送されて東金堂の本尊となった巨大な白鳳時代の仏像(現仏頭)は1411年に火災で胴体を失って所在不明となり、500年の時を経て1937年に再び発見されました。
所在不明となってから仏像(現仏頭)と十二神将立像は今日までそろって並ぶことはなく、今回の展覧会での展示が、実に約600年ぶりの再会の場となります。
また、我が国の浮き彫り超像屈指の名品とされる国宝板彫十二神将像は厚さ3センチのヒノキ板に掘られていて、豊かな表情、たくましい姿は見飽きない魅力があります。
(永承元年(1046)に火災があり本尊が焼失し、仏像彫刻の巨匠、定朝が再興した際には、東金堂本尊薬師如来像の台座に張り付けられていた可能性があるとの解説にあり)
HPの紹介文
奈良・興福寺の創建1300年を記念して「国宝 興福寺仏頭展」を開催します。展覧会では現存する東金堂をテーマとし、同寺の代表的な名宝である国宝「銅造仏頭」(白鳳時代)をはじめ、東金堂ゆかりの名品を展示します。「仏頭」の守護神として造られた国宝「木造十二神将立像」(鎌倉時代)、浮彫の最高傑作として有名な国宝「板彫十二神将像」(平安時代)の各12点、計24点が初めてそろって登場するほか、法相宗に関わる至宝も展示。「仏頭」と同じ白鳳仏として、東京・調布の深大寺所蔵の重要文化財「銅造釈迦如来倚像」も特別陳列され、国宝25点、重要文化財31点など約70点の至宝が集う豪華な展示となります。ヴァーチャル・リアリティー(VR)技術を使って、仏頭頭部の復元に挑むとともに、同寺で進む中金堂再建事業についても紹介します。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 法相の教えと興福寺の絵画・書跡
第2章 国宝 板彫十二神将像の魅力国宝「迷企羅大将像(板彫十二神将)
第3章 国宝 銅造仏頭と国宝 木造十二神将立像
第4章 特別陳列 深大寺釈迦如来倚像
国宝「銅造仏頭」 白鳳時代
重要文化財「厨子入り木造阿弥陀如来半跏像」 鎌倉時代 興福寺蔵
厨子と別々に展示。
重要文化財「持国天像」(部分) 鎌倉時代 興福寺蔵
奈良文化庁財「法相曼荼羅図」 室町時代 興福寺蔵
重要文化財「鋳造釈迦如来倚像」白鳳時代 深大寺蔵
国宝 板彫十二神将像 毘羯羅大将像
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