ラファエロ展
この展覧会は国立西洋美術館で3月2日~6月2日まで開催されています。
混雑が予想されたので開催直後に行ってきた展覧会です。
怪我をして手術をした後で、右手を三角巾でつっての鑑賞でした、そんなことも思い出になりそうです。
この展覧会で、私が特に良いなと思った作品は《大公の聖母》と《無口な女<ラ・ムータ>》です。
殆どの方々と同じかと思いますがいかがでしょうか?
そして、丁度、アッシジの聖フランチェスコ関連の本を数冊読んでいた時期でしたのでラファエロのフランチェスコ作品に出会えたのは幸運でした。
右脇腹の服が裂け、聖痕の一つが露出していますが両手足のそれは、見られません。
経年劣化か、不適切な修復の結果ではと、解説されていますが、想像が膨らみますね。
フランチェスコの肖像はは展覧会によく出展されていますが、比較してみるのも面白いですよね。
腰の荒縄はフランチェスコの象徴のようなものですが、その三つの結び目は清貧、貞潔、従順を示しているとの事です。
作家の塩野七生が「ルネッサンスとは何であったのか」でフランチェスコをルネッサンス人の一人しかもその最初のひとりであったという指摘をされています。
ラファエロ・サンツィオ アッシジの聖フランチェスコ 1504-1505年頃 油彩・板
展覧会の構成は以下の通りです。
画家への一歩
ペルジーノ 聖ジェスティーナ 1495-1499年頃 テンペラ・板
フィレンツェのラファエロ ―レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロとの出会い
ラファエロ・サンツィオ 大公の聖母 1505-1506年 油彩・板
フェルナンド三世は、この板絵をとりわけ大切にして、生涯にわたって自身の寝室に飾っていたとされる。
黒の背景は当初の背景の保存状態の悪さゆえに商品価値を上げるためになされたとされ、検証結果が詳しく解説されています。
聖母子の表情、穏やかな色彩の調和は本当に観あきることはありません。
ラファエロ・サンツィオ 無口な女<ラ・ムータ 1507年 油彩・カンヴァス
図録から
無口な女には実際、以前の作品には見られない顔貌表現が見られる。レオナルドのモナリザのように軽く斜めになった姿勢をとり、頭は鑑賞者の側に向けれる。右腕は胸の前を斜めに横切り、体の正面に作られた奥行きを強調している。レオナルドの影響は、両手のポーズで作られた微妙なバランスにも表れている。
ラファエロ・サンツィオ 聖家族と仔羊 1507年 油彩・板
ローマのラファエロ ―教皇をとりこにした美
ラファエロ・サンツィオ エゼキエルの幻想 1518年頃 油彩・板
ラファエロ・サンツィオ 友人のいる自画像 1518-1519頃 油彩・カンヴァス
ラファエロの継承者たち
ジュリオ・ロマーノ 聖家族 1512年頃 油彩・板
HPの紹介文
ルネサンスを代表する画家ラファエロ・サンツィオ(1483-1520年)。ルネサンス絵画を完成させ、後の画家たちの手本となったラファエロですが、作品の貴重さゆえに展覧会の開催はヨーロッパにおいてもきわめて難しいとされています。本展はヨーロッパ以外では初となる大規模なラファエロ展です。
本展にはペルジーノらの影響が色濃く残る修業時代の作品から、レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロに触発されたフィレンツェにおける作品、そして1508年にローマへ上京し、教皇のもとで数々の大規模プロジェクトに携わった晩年の作品まで、20点以上のラファエロ作品が集結します。特に《大公の聖母》はラファエロの描いた数ある聖母子像の中でも、最も有名なもののひとつです。さらにラファエロの周辺で活動した画家たちや、彼の原画による版画、それを図案化した工芸品等に至るまでを合わせ、計約60点が会場に並びます。以後の美術表現に絶大な影響を与えた画家ラファエロの全貌を知る、絶好の機会となるでしょう。
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