空想の建築 ―ピラネージから野又穣へ―展
この展覧会は、町田市立国際j版画美術館で4月13日~6月16日まで開催されています。
ピラネージの作品を初めて観たのはこの美術館です、描かれた壮大な空間にたちまち魅了されてしまいました。
この美術館では過去に何度も展示され、観てきましたが飽きることはありません。
そして、野又穣の作品も瞬間的に人の目を引き付ける不思議な力がありますよね。
まあ二人の名前が並ぶと観に行かないわけにはいきませんよね。
但し、二人の作品展ではありません。
展示構成は以下の通りで、コウズミアヤ、阿部浩の作品コーナーも含め建築に纏わる過去現在の作家による空想の世界をたっぷりと楽しませてくれます。
Ⅰ.空想の古代 Part1 エジプトへの憧憬
『<エジプト誌>古代編』
デンデラ、大神殿柱廊内部(古代篇第4巻30葉)
メンフィスのピラミッド、南東から見たスフィンクスとピラミッド(古代篇第5巻11葉)
ピラミッド幻想 ―阿部浩
二本の棒または透明なピラミッド 1985年
Ⅱ.脳内に構築せよ、空想の伽藍を ―コイズミアヤ
未知の信仰のための空の器(瞑想) 1998年
Ⅲ.空想の建築、その系譜 ―紙上の建築家たち
1.ルネサンスからバロックそして近代へ
原画:ピュ-テル・ブリュゲール(父) 版刻者:ピーテル・ファン・デル・ヘイデン
放漫(「七つの大罪」より)
ジュゼッペ・ガッリ・ダ・ビビエーナ(著・画)
『建築と遠近法』より「ポーランド大太子にしてザクセン選帝候太子の婚礼の儀の演劇の場面」
クロード・ニコラ・ルドゥー(著・画)『芸術的見地から熟考された建築』
2.物語を紡ぎだす幻想の建築
惑星の部屋(№5) エリック・デマジエール 『バベルの図書館』より
3.幻想の建築劇場
過激『オセロ』第一幕 カール・フリードリッヒ・シンケル『舞台装置図集』より
4.近代都市の幻想 ―魔都出現
ヒュー・フェリス(著・画)『明日のメトロポリス』
Ⅳ.空想の古代 Part2 ―ピラネージの見た夢―壮大なローマ
ハドリアヌス帝廟の巨大な地下土台(第4巻Ⅸ)
火葬場の遺構の景観(第3巻Ⅳ)
Ⅴ.逍遥せよ、空想の建築の森を ―野又穣
世界の外に立つ世界‐1 Nowhere-1 1993年
都市の肖像 Babel 2005 2005年
視線の変遷‐31 Points of View-31
HPの解説から
絵画、立体、版画 … さまざまなかたちで人は現実には存在しない建築を創造してきました。本展では、遥か古代ローマに思いを馳せ、その空想的復元を版画として結実させたジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージや、壮麗なバロック的空間を描いた<紙上>の建築家たち、考古学的調査と想像力を駆使して古代エジプトの建造物を描いた18世紀末の絵師たち、そして今まさに創作活動を展開している現代の美術家までをとりあげます。それにより、空想によって構築された建造物の面白さ、美しさを探ります。世界を空想の建築というかたちで目に見えるものにしようとした人々の系譜が浮かび上がることでしょう。
昨年25周年を迎えた国際版画美術館が、新たな飛躍をめざしてスタートを切る2013年春、この展覧会は版画のみならず、絵画や立体、書籍など、変化に富んださまざまなタイプの作品によって、見る者を遥かな世界へと誘うことをめざします。ヨーロッパの古い版画から現代美術まではばひろく<空想の建築群>を渉猟する得がたい機会となるにちがいありません。
また本展開催にあわせ、特別展示として、出品作家の一人である野又穫(のまた・みのる)のドローイング展『ELEMENTS-あちら、こちら、かけら』を開催いたします。あわせて、ぜひご観覧ください。
| 固定リンク
コメント