マリオ・ジャコメッリ写真展
この展覧会は東京写真美術館で3月23日〜5月12日まで開催されています。
白、それは虚無。
黒、それは傷痕。
チラシに記されているフレーズですが・・・・。
この展覧会のキーワードは、ジャコメッリ自身の言葉そして友人、仕事仲間の言葉にあります。
「彼は写真家じゃないんだ、イメージの発明家なんだ」
「写真は絵画より、詩や文学に近い」
この展覧会の作品を見ていると、この言葉がすんなり頷けます。
そしてジャコメッリは語ります。
「もし私の人生の良かったことを挙げるなら、貧しかったことと、私が受けたすべての苦悩である」
ジョコメッリの「孤高の」といえる作品そのイメージは必見です。
HPの解説から
「黒」と「白」とを見事に操り、強烈なハイ・コントラストで「死」と「生」に立ち向かい、孤高の写真表現で現実(リアル)を抽象した120余点は、NHK新日曜美術館でも特別番組が制作されるなど、日本ではほとんど無名の海外作家の展覧会でありながら多くの来場者を迎え、大成功をおさめました。2回目にあたる本展覧会は、「ホスピス(死がやって来てお前の目を奪うだろう)」、「スカンノ」、「神学生たち(私にはこの顔を撫でてくれる手がない)」、「善き大地」などの代表作を中心に作品数を220余点と大幅に増やし、作家の本質へ切り込む構成となります。
ジャコメッリは、1枚の素晴らしい写真で何かを語るのではなく、組み合わされた写真群で事物の本質へ迫ろうとする写真家です。そのような作家の営為の延長線上に今回の展覧会は位置づけられます。
作品相互の関係が響きあうことにより、ジャコメッリ理解の深化をはかり、単なる回顧ではなく、現在尚写真表現の未来をも指し示しているジャコメッリの作家、人間双方の本質を明らかにする展覧会にご期待下さい。
展示作品は以下の通りです。
「初期作品」 1950-57
「死がやって来ておまえの目を奪うだろう」 1954-68 セニガッリア
「スカンノ」 1957-59 スカンノ
「ルルド」 1957-59 ルルド
「善き大地」 1964-66
「私にはこの顔を撫でてくれる手がない」 1961-63 セニガッリア
「シルビアへ」 1987 レカナーティ、セニガッリア
「男、女、愛」 1961-61 セニガッリア
「風景」 1960-2000 マルケの野
「帰還」 1960-2000 セニガッリア
「新しい移民たちの歌」 1985 カラブリア州
「私は誰でもない!」 1992-94 セニガッリア
「死がそうであるように」 1999 セニガッリア
「詩のために」 1980-90 セニガッリア
「スカンノ」より
「ルルド」より
「自然についての認識」より
「神学生たち」より
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