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2013.02.16

二川幸夫・建築写真の原点 日本の民家一九五五年 展

Photo

この展覧会はパナソニック汐留ミュージアムで1月12日〜3月24日まで開催されています。

二川幸夫は早稲田の学生の時に帰省の途中、先生の勧めで訪れた民家とその街並み、風景に魅せられてしまいます。
そして、全国の民家を訪れることを決意します、訪れた場所で撮った写真が、やがて『日本の民家』全10巻として結実します。

チラシのコピーです。
一九五五年、日本には美しい民家があった。
その民家を、日本中を歩いて記録した若者がいた。

会場には、天上から吊るされた写真パネルが、それぞれの地域ごとに並べられていて、さながら迷路?小旅行気分です。
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京・山城⇒大和・河内⇒山陽道⇒四国路⇒西海路⇒陸羽・岩代⇒武蔵・両毛⇒信州・甲州⇒北陸路⇒高山・白川


その場所で生きるために、生活するために工夫された建築が風景の中に見事な造形美として存在しています。
地に足の着いた濃密な人間関係まで脳裏に浮かんできます。

見ていくと、訪れたことのある町での出来事が思い出されて、これもまた楽しいですね。
出雲崎の街並みの写真もありましたが、数年前、私も出雲崎を訪れて、良寛記念館から安物のデジカメで街並みの俯瞰を動画で撮影してきまた。
画像ファイルがみつかったら載せてみます。

会場自体は、入場者が増えて混雑してきたらどうなっちゃうのかな?なんて余計な心配をしてしまいました。

チラシの解説文です。

この国の自然と風土、歴史と文明のなかから生まれ、育まれてきた庶民の住まい「民家」。モダニズムの建築や今日の住宅を考える上でも、私たちの原点といえるでしょう。一方で快適で合理的なライフスタイルを優先する現代的な感覚にはそぐわなくなり、いにしえの民家は日本の風景から確実に姿を消しつつあります。

1957年から59年にかけて発行された『日本の民家』全10巻は、日本が国際的な経済発展に向けて飛躍しようとしていた頃に、あえて民家の最期の美しさにカメラを向けて、世間を瞠目させました。大地とつながる民家の力強さ、そしてそこに蓄積された民衆の働きと知恵をとらえた280点のモノクロ写真は、現在、国際的に高く評価される二川幸夫が20歳前後に撮影したものです。文章は当時新鋭の建築史家、伊藤ていじ(1922-2010)が著しました。

二川幸夫は確かな評価眼を通して見たものを建築写真として定着し、自ら主宰する出版社を中心に発表してきました。優れた建築を追って世界中を駆け巡り、比類のない作品を精力的に残してきた彼の建築の旅の原点は、この『日本の民家』にあります。

本展は1955年にさかのぼって、若き日の二川幸夫がとらえた貴重な民家の姿、そして日本人の本来の逞しさと しなやかさを、選び抜いた約70点の作品にご覧いただきます。ここに見るような建築のあり方を、これからの 日本で再構成することはできるのでしょうか―そんな想像がふくらむ展覧会です。

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蔵王村民家の妻破風とニグラハフ 1952-1959年

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愛媛県南宇和の外泊の瓦屋根 1952-1959年

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