シャルダン展 静寂の巨匠
この展覧会は丸の内の三菱一号館美術館で2012年9月8日~2013年1月6日まで開催されています。
始まって直ぐ行ってきた展覧会ですが、もう年明け早々に終了ですね。
チラシが変わったんですね、私が行った時点ではこのチラシでした。
フェルメール同様、一時忘れられ再評価された画家だそうです。
作品のテーマは、時代そのものを反映しているのですが、時代を感じさせない?とても新鮮なイメージを持って鑑賞してきました、不思議な感覚です。
静物画における色彩の調和と光(空気)の柔らかさはとても心地よいものでした。
どこか人形のような女性の表現は時代を越えた不思議な魅力を持っています。
シャルダンの回顧展、今回を見逃すと今後見る機会はあまりないかもしれませんね。
時を越えて蘇る、18世紀のフェルメール
やさしい沈黙に、つつまれる。
静寂の巨匠
国王ルイ15世やエカテリーナ2世を魅了した、静かなる美。
(以上チラシのコピーから)
シャルダン(1699-1779)はパリの下町に生まれました。
父はビリヤード台を作る職人です。
1724年に職人画家の組合、聖ルカ・アカデミーに登録するまでは歴史画家ピエール・ジャック・カーズ(1676-1754)に師事後、装飾画家ノエル=ニコラ・コワペル(1690-1734)の制作助手をしたりしていました。
1728年に開催された青年画家展に出品した作品でが好評を博し、やがて《赤えい》と《食卓》によって、「動物と果実に卓越した画家」としてアカデミーに受け入れられます。
1731年に結婚し男の子と女の子に恵まれますが、その後、病弱だった妻と長女は亡くなってしまいます。
(後に再婚)
シャルダンは静物画の名手として知られ、また親密な雰囲気の風俗画も評価されましたが、いずれも格下のジャンルと見なされていました。
長男を格上とされる歴史画家に育てようと執心しますが、歴史画家としての適正にかけたとされ・・・、そして亡くしてしまいます(入水自殺したとも)
このような不幸があったものの、シャルダンは、アカデミーの会計官とサロンの展示係を兼任し、国王からルーヴル宮内の官舎に住むことを許され、画壇からも評価されますが、晩年にはアカデミー内での庇護者が失脚し、1774年には会計官とサロンの展示係を辞してしまいます。
眼疾を患ったため、新たにパステル画を試み、1779年のサロンに3点のパステル画を出品しますが、これを最後に、1779年12月6日に亡くなりました。
(HPの解説を参考にしています)
展覧会の構成は以下の通りです。
Ⅰ多難な門出と初期静物画
死んだ野兎と獲物袋 1730年頃 油彩、カンヴァス ルーブル美術館
Ⅱ「台所・家事の用具」と初期の注文制作
肉のない料理 1731年 油彩、銅板 ルーブル美術館
Ⅲ風俗画 ―日常生活の場面
羽根を持つ少女 1737年 油彩、カンヴァス 個人蔵
良き教育 1753年 油脂、カンヴァス 1753年頃 ヒューストン美術館
セリネット(鳥風琴) 1751-53年(?) 油彩。カンヴァス フリック・コレクション
Ⅳ静物画への回帰
カーネーションの花瓶 1754年頃 油彩、カンヴァス スコットランド美術館
銀のゴブレットとりんご 1768年頃 油彩、カンヴァス ルーブル美術館
桃の籠 1768年 油彩、カンヴァス ルーブル美術館
木いちごの籠 1760年頃 油彩、カンヴァス 個人蔵
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