開館25周年記念 「北斎と広重 きそいあう江戸の風景」展
この展覧会は、町田市立国際版画美術館で10月6日~11月25日まで開催されています。
広重と北斎どっちが好きか?と問われたら・・・・・・
51対49で広重かなな~
お馴染みの作品、何度も、何度も観てきたモチーフの作品も多数展示されていますが、とても発色の良い作品が展示されていて、それこそ何度見ても新たな発見があって楽しいものですね。
この美術館は穴場です、とても特色のある企画展が開催されますが、比較的空いていてじっくり鑑賞できます。
版画などの小ぶりな作品は、都心の美術館で列に並んで疲れきっての鑑賞より、こちらの方が観てきたという充足感が味わえます。
この展覧会では、浮世絵の風景版画が北斎と広重によって大成するまでの道のりを3部構成、総計延べ422点の作品を通じてご紹介し、江戸時代を生きた人々が風景に向けた多彩な「まなざし」に迫ります。
期間中、大幅な展示替えがあります。(ありました)
展示構成は以下の通りです。
Ⅰ江戸のまなざし―風景表現の発展
浮世絵誕生初期から広重が登場する19世紀前半。天保初期までの作品によって、風景表現が発展していくようすを概観します。
レンズを通して観る眼鏡絵や、画中に遠眼鏡やのぞきからくりを描きこんだ作品なども展示されています。
北斎、広重の他、歌麿、清長、師宣、春信、湖龍斎等々多彩な浮世絵氏の作品が展示されていて、この展覧会の導入部です。
西洋の銅版画の影響を受けたとされる作品。
葛飾北斎「羽根田弁天之図」 享和期(1801~04) 木版
神奈川県立歴史博物館蔵 (前期出品)
北斎の美人画、数少ないですよね。
葛飾北斎「風流なくてなゝくせ」より『遠眼鏡』 享和期(1801~04) 木版
山口県立萩美術館・浦上記念館蔵 (後期出品)
Ⅱ風景版画の集大成―北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五十三次」
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五十三次」を中心に関連作品を含めて、二代浮世絵師の金字塔的作品の全貌を紹介しています。
「冨嶽三十六景」と「東海道五十三次」をじっくり鑑賞するコーナーです。
私は、広重の「蒲原 夜之雪」「庄野 白雨」が大好きです。
葛飾北斎「冨嶽三十六景」より『凱風快晴』 文政(1818~30)末期 木版
この図版は山口県立萩美術館・浦上記念館蔵 (後期出品)
歌川広重の「東海道五十三次」より『蒲原 夜の雪』 天保4~7年(1833~36) 木版
この図版は房総浮世絵美術館蔵 (後期出品)
図録では版の違う?作品が並べて掲載されていて、摺りによる違い(色ののせ方の違い?)でイメージが随分と違うんだな~と・・・・。
展覧会場では、残念ながら展示期間がずれているので、現物を比較することはできなせん、これが残念。
Ⅲきそいあう江戸の風景
風景画というジャンルが隆盛し幅をひろげるてゆくなかで、北斎と広重をはじめとする絵師たちがきそいあうように生み出した、多種多様な風景表現を紹介しています。
広重に、北斎に...こんな作品もあるんだ、なんて、このコーナーは、いろいろ発見があって楽しかったですよ。
葛飾北斎「百人一首姥がゑとき』より『山辺の赤人』 天保6~7年(1835~36) 木版
町田市立国際版画美術館 (前期出品)
歌川広重「木曽海道六拾九次」より『中津川(雨)』
天保6~13年(1835~42) 木版 個人蔵 (前期出品)
歌川広重「六十余州名所図会」より 『信濃 更科田毎月鏡台山』
嘉永6年(1853) 木版 神奈川県立歴史博物館蔵 (後期出品)
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コメント
北斎が一番好き、同じ位魅了されたのは渓斎英泉 、ゴッホが描いた花魁はタンギー爺さんの背景にも描かれているがこれらは渓斎を模写していることにも驚いた次第
投稿: 宣子 | 2012.12.27 20:06