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2012.11.28

もうひとつの川村清雄展 ―加島虎吉と青木藤作 二つのコレクション

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この展覧会は目黒区美術館で10月20日~12月16日まで開催されています。

江戸東京博物館の展示は、大量の展示品で歴史における川村清雄の位置づけを試みていますが、目黒は支援者が収集した作品が展示されていて、異なった視点からの企画です。目黒の展示もとてもお薦めです。


江戸東京博物館で11月2日まで開催されている「維新の洋画家 ―川村清雄展」に合わせて開催されている展覧会です。川村清武の歴史的背景等についてはそちらをご参照ください。

以下は目黒美術館HPの解説の一部を引用しました。

「明治以降、海外で学び活躍した作家の初期の作品」を収集のテーマに取り上げている目黒区美術館では、川村清雄のフランス、イタリア時代(1876-1881)の貴重な素描5 点を開館後まもなく入手しています。そして幸運にも2004 年度に、川村の代表作で行方が分からなかった、屏風仕立ての「村上彦四郎」を含む大正時代から昭和にかけての作品33 点を、川村清雄とゆかりのあった加島虎吉ご遺族からご寄贈いただきました。当館では、このコレクションを翌年「川村清雄を知っていますか?」展として初公開し、小規模展ながらもいくつかの話題にも上りました。この展示から7 年経過した現在までに、川村の大型の作品がいくつも発見されるなどさらに川村研究も展開しています。
そうした中、今年の秋に江戸東京博物館(静岡県立美術館に巡回)では大規模な「川村清雄」展が開催されます。当館ではこれに合わせ「もうひとつの川村清雄展」を同時期に開催し、当館のコレクションに加え、さらに栃木県那珂川町馬頭広重美術館に収蔵されている、青木藤作が集めた川村作品もあわせてご紹介します。
江戸東京博物館が川村の全体像を総括することに対して、当館の展覧会では、目黒区美術館と那珂川町馬頭広重美術館の二つのコレクションに合わせ、さらに当館のコレクションが、出版業を営んでいた支援者加島虎吉の旧コレクションという意味から、川村がかかわった書籍や冊子の装丁デザインにも光をあてていきます。こうした当館ならではの展示により、江戸東京博物館とは違う視点からスポットを当て川村清雄の魅力に迫ります。

展覧会の構成は以下の通りです。

Ⅰ加島虎吉と川村清雄
加島コレクション:出版に関する取次業を営む加島虎吉と川村清雄の出会いから、加島が支援し入手した作品を紹介、また、至誠堂を創業し、出版に関わった虎吉を紹介、店のあった日本橋界隈の出版事情にも触れます。

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「鸚鵡」 大正~昭和初期 油彩、板、朱漆塗 目黒区美術館蔵

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「ベネチア風景」明治中頃~昭和初期 油彩、水彩絵具、板 目黒区美術館蔵

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「梅に雀」 大正~昭和初期 油彩、板 目黒区美術館蔵


Ⅱ青木藤作と川村清雄
徳富蘇峰の引きあわせにより川村も青木藤作を知り、交友がはじまり、青木藤作 の元には、比較的晩年に近い時期のよい作品が集まっていきます。青木藤作のコレクションが寄贈されたことにより建設された栃木県那珂川町馬頭広重美術館には、こうした経緯から川村の作品が多数おさめられています。

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「鳩図巻」 1928年頃 水彩、紙 那珂川町馬頭広重美術館蔵


Ⅲ川村清雄の装丁意匠
川村清雄は、おもに大正期になると、当時人気のあった『新小説』などの文芸雑誌の表紙のデザインを多く手がけ、はなやかなこうした冊子ともに、「大正名著文庫」などの地味な書籍だが、手の込んだ装丁にも力をふるいました。

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「洗心廣録」 幸田露伴 大正15年(1926年) 至誠堂 個人蔵


Ⅳ滞欧作品その他

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「幼児石膏習作」 明治6~14(1873~81年 コンテ、紙 目黒区美術館蔵

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2012.11.25

紅葉の高尾山 1211

毎年同じような写真で申し訳ありませんが、よろしかったらどうぞ。
益々、混雑が激しくなってきてますね。

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2012.11.24

特別展 没後70年 竹内栖鳳 ―京都画壇の画家たち―

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この展覧会は、9月29日~11月25日まで山種美術館で開催されています。

このところ、終了間際の展覧会について立て続けに投稿しています。

この展覧会も見逃せない展覧会ですよね、「東の大観、西の栖鳳」このフレーズ何度読んだり、聞いたりして来たことか・・・・。

斑猫から始まる展示は以下の構成になっています。
前・後期で展示替えが行われました。

第一章 先人たちに学ぶ
栖鳳の造形的源泉となった円山派の祖・円山応挙をはじめ、与謝野蕪村、呉春、長沢芦雪、森狙山、森徹山、国井応分、望月玉泉、中島有章、川端玉章、今井景年の作品が展示されています。

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円山応挙《虎図》18世紀 東京国立博物館蔵


第二章 竹内栖鳳の画業
1887年頃の龍雲から1942年の春雪まで竹内栖鳳の初期から最晩年までの作品でその画業を展望します。


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竹内栖鳳《虎・獅子図》 左隻 1901年 紙本金地・墨画・淡彩 三重県立美術館蔵

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竹内栖鳳《潮来小暑》 1930年 絹本彩色 山種美術館蔵


 

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竹内栖鳳《絵になる最初》 部分 1913年 京都市美術館蔵


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竹内栖鳳《飼われたる猿と兎》 左隻・部分 1908年 国立近代美術館蔵


第三章 栖鳳をとりまく人々
上村松園をはじめとする栖鳳の教えを受けて活躍した、菊池芳文、都留華香、山元春拳、西村五雲、伊藤小坡、西山翠障、橋本関雪、村上華岳らの作品が展示されています。


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西村五雲《白熊》 1907年 絹本・彩色 山種美術館蔵


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2012.11.23

棚田康司「たちのぼる。」展

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この展覧会は練馬区立美術館で9月16日~11月25日まで開催されています。

この展覧会の作品を観ていくうちに、作品が2つのパターンに分けられるのに気が付くと思います。
ジェイソン?みたいな、チョット怪異?な作品、ワイヤで継がれた人体にはボルト、木ねじ等が表面に顕になっています。
そして、不安そうに立ちすくす子供の作品、細長い手足とひ弱な体躯はとても印象的です。
ベルリンでの7ヶ月間の滞在が制作活動に決定的な影響を与えたと解説には書いてあります。

これらの作品が好きか否かと訊かれたら、チョット不安になります、そんな印象を持った展覧会でした。
作品は過去に何度も拝見していますが、確かに個性的だなとは思っています。

棚田康司さんの言葉

彫刻にとって大切なことは精神性や、神秘性にあると思います。
作品の構成の中で見る人の気持ちが上昇し時には下降する、そうした心の動きを自分の思考や人生に重ね合わせることで、プラスにもマイナスにも作用させるもの、それが彫刻の力だと考えます。

エントランスホール、第一展示、第二展示、第三展示室をフルに使って最新作を含め棚田康司全貌を概観できる展覧会です。


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《支配と従属》 1999年の

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《父を待つ少年》 2004年

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《生える少年》 2010年

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2012.11.20

大正・昭和のグラフィックデザイン 小村雪岱展

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この展覧会は、ニューオータニ美術館で10月6日~11月25日まで開催されています。
会期も残り僅かになってきました。

装丁を基調とした展覧会って結構開催されますよね。

小村雪岱(こむらせったい、1887-1940)、聞き慣れない画家ですが、その作品は時代を象徴するようなとても趣のある作品です。
私は文庫本か、電子ブックで本を読むことが多いので、偉そうなことは言えませんが、矢張りこのような装丁、挿絵の本があったら、チョットした本棚を買ってきて、収めたい気持ちになりますね。

雪岱のデザイン力が遺憾なく発揮された装幀本を中心に、挿絵下図や舞台装置の原画など約200件が展示されています。
泉鏡花の「日本橋」で装丁家としてデビュー、その後多数の装丁を手がけ、挿絵の世界にも活躍の場を拡げます。
さらに舞台美術も手掛け、その作品は今でも引き継がれています。画家、文化人との多彩な交流も紹介されています。
近代日本の先駆け、その時代を懐かしむ企画でもあると思いました。

展覧会の構成は以下の通りです。

第一章 泉鏡花との出会い ―花開く才能

第二章 部隊とのかかわり ―戯曲と舞台装丁原画

第三章 挿絵 ―共鳴する画文

特集 ―装丁の妙

資料/その他

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佐野美術館で(こちらも25日まで)小村雪岱 江戸の残り香 ―清水三年坂美術館コレクションより
が開催されています(わたしは行けませんが)

以下、チラシからです。
以下の画像作品は、二ユーオータニ美術館の企画展では展示されていません、悪しからず。

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雪の朝 昭和16年頃

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赤とんぼ 昭和12年頃

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夕涼み(おせん)

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2012.11.17

「古道具、その行先」 坂田和實の40年展

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この展覧会は渋谷区立松涛美術館で10月3日〜11月25日まで開催されています。
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とうとう、既成の美の価値観というような大きな堅牢な壁と撃沈覚悟で真っ向勝負という形になってしまいました。
(坂田和實)

私にとって、永く連れ添えるものは、技術の完成度の高さや、めずらしさを誇る美術品ではなく、用途のために素材と形が硬く結びついた、なんでもない普段使いの日常工芸品で、使われはぐくまれたものだと気がつきました。
(坂田和實)

坂田和實氏は「古道具坂田」主人

松涛美術館の雰囲気にぴったり合ってとても居心地のいい空間が出来上がっていす。
考えてみれば、人によってはガラクタの類の集積に見えるかもしれません。
どうでしょう、古道具の一点一点の前に立つと、いろいろな思いが脳裏に浮かび上がってきまますよ?
渋谷に出かけたらチョッと歩きますが松涛まで行ってみませんか。

展示品を見て何を思うかは人それぞれですね、坂田和實さんも言っておられます。

今回のこの展覧会も、きっと次の世代の人たちから異議申し立てを受け、揺さぶられるに違いありません。そうされることで芯の部分が少しでも明確化され、 継承され、また新しい展開が始まります。古道具、その行き先がどちらの方向に進んでいくのかは今の私にもはっきりとは見えませんが、それを指し示してくれるのは次の世代の若者なのでしょう。

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人物埴輪 古墳時代 (日本)

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水中眼鏡 昭和 (日本)

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雑巾 昭和 (日本)

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竹オモチャ 昭和 (日本)

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質屋包み紙 昭和 (江戸末期~明治)

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ドゴン族祈祷用階段 20世紀 (マリ) 


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2012.11.16

マリー・アントワネット物語展

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この展覧会は、そごう横浜店6階のそごう美術館で9月15日~11月18日まで開催されています。
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神聖ローマ皇帝フランツ・シュテファンとマリア・テレジアの末娘として生まれたマリー・アントワネット(1755~1793)が政略結婚でオーストリアからフランスへ14歳で輿入れし、37歳で断頭台の露として消えた、その波乱に富んだ人生と、ライフスタイルやファッションに焦点を当て、家宝、絵画、工芸品など120点を展示しています。

会場は流石に女性だらけ、99対1位の感じでした。
女性にとってはたまらない展覧会なのかもしれませんね。
彼女が好んだ内装パターンを再現したテキスタイルの展示等、なかなかこった展示になっていました。

展覧会の構成は以下の通りです。

プロローグ ~ハプスブルグからフランスへ、14歳のプリンセス

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C.F.フリッチ 《オーストリア皇女マリア・アントニア(マリー・アントワネット)》1774年頃 カルナヴァレ美術館蔵

第1章 ヴェルサイユの華 ~フランスが愛した王妃~

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ニコラ=ジャン・バティスト・ラグネ《サン=ベルナール河岸からの眺め》1750年頃
カルナヴァレ美術館蔵


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ヴィジェ・ルブラン《王妃マリー・アントワネットと子供たち》1786~87 ジャン・ド・ベアルヌ伯爵蔵


第2章 彼女の愛した美① ~マリー・アントワネット様式~
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1 作者不詳《香水入れ》18世紀末 ナポレオン財団蔵
2 ジャン=ジョゼフ・バリエール《マリー・アントワネット肖像画で装飾された小物入れ》1774年 ナポレオン財団蔵
 

第2章 彼女の愛した美② ~ファッションとモード~

このコーナーのみ写真撮影可でした。


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当時のファッションを身につけて、写真を撮ってもらっている方も・・・・


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池田理代子氏が本展のために書き下ろした原画の展示。

第3章 はかなく散った永遠の王妃
有名な首飾り事件から監禁そして断頭台の露と消えるその時までを紹介しています。
同い年のおかかえ画家ヴィジェ・ルブラン亡命後、お抱え画家になったアレクサンドル・クシャルスキーが描いたマリー・アントワネット35歳の時の肖像画が印象的です。

ふろく。
映画「マリー・アントワネット」予告編(2007年1月日本公開 ソフィア・コッポラ監督)
波紋を呼んだ映画だった印象は残っているのですが、どうも拙ブログに投稿記事が見当たりません、忘れたのかな~

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2012.11.14

東京駅復元工事完成記念展 「始発電車を待ちながら」 東京駅と鉄道をめぐる現代アート9つの物語

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この展覧会は、東京ステーションギャラリーで2012年10月1日~2013年2月24日まで開催されています。

東京駅丸の内駅舎復元工事が完了し、休館していたこの美術館も同時に再スタートしました。
私は以前あった場所で再スタートと思いこんでいたものですから、その場所に行ってみたら、ギャラリーの入り口が無いので、警備の方に訊いてしまいました。
北口改札近くに移動しての開館なんですね。

この記念展のタイトル結構気に入っています。
会場では9人の現代アーティストのインスタレーションが展示されています。

広瀬通孝の《Sharelog》が人気です。
pasmo、VIEWカードをセンサに翳すと、カードに記憶された情報を読み込んで、プロジェクタで投影された地図上で移動した経路に沿って光が走ると言う作品。

クワクボリョウタの作品《10番目の感傷(展・線・面)》も面白かった。
LED電球を取り付けた鉄道模型がレールの上を一周すると、周辺におかれた日用品の影が壁面に投影され擬似風景が出現します。ただし、狭い展示場(暗室)なので、入場待ちがあります。

展示作品は、以下チラシから。
チラシの但し書き⇒過去の参考作品画像です。(一部作品は展示されています)

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以下、東京ステーションギャラリースナップです。
スマホで撮影、動画はsonyのblogyで撮りました。

ステーションギャラリー入り口
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展覧会場を出ると休憩室、自動販売機が置いてあります、チョット狭いかな~
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休憩室の窓から丸の内ビル街の夕景。
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休憩室を出ると回廊があります。
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回廊をを一周しながら東京駅北口を俯瞰できます。
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ギャラリーを出て、北口の丸天井を見上げます。

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2012.11.12

国立近代美術館60周年記念特別展 「美術にぶるっ」展

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この展覧会は2012年10月1日~2013年2月24日まで開催されています。

この企画展の特別観覧会に参加させて頂きました。

この観覧会では、一定条件のもと撮影が許可されていました。
以下の写真は当日スマホで撮影したものです。


全館改修後の初めての企画展です。
改修について、どう感じたか?はもう少し通わないと何とも言えません。
この企画展、膨大な展示作品があり特別観賞会の2時間の観覧時間ではとても見切れない分量です。
第2部 実験場1950sは、15分程度で駆け足観覧でした、あと二回ぐらい行かないと・・・・。


改修前とかわらず、4階からのスタートです。
先ずは気になっていた休憩室へ……丸テーブル、自動販売機が無くなっていて、飲食禁止になっていました。
自販機で、飲み物を買って一息というのが出来なくなったんですね。
「眺めの良い部屋」と改名。
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以前彫刻作品等が展示されていた場所の隅っこ。
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以下に展覧会の構成を記します。

第Ⅰ部 MOATコレション スペシャル
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展示室1 ハイライト
東京近代に術館が所蔵する重要文化財13点(寄託1点を含む)のうち、6点がこの展示室に集まっています。
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壁を隔てた反対側は、いつも年始に展示されていた、生々流転です。
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展示室2 はじめの一歩
この展示室では、記念すべき開館の年に収集した作品を中心に紹介。現在は東京国立博物館に移された3点も里帰りしています。(展示は11月25日まで)
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展示室3 人を表す1
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展示室4 人を表す2
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展示室5 風景を描く
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展示室6 前衛の登場

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展示室7 戦争の世紀に1
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展示室8 戦争の世紀に2
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展示室9 写真
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展示室10 日本画
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肘掛け椅子がスツールに変わっていました。自由に移動してゆっくり作品と対面ということのようです。


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展示室11 疑うことと信じること1

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展示室12 疑うことと信じること2
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展示室13 海外作品とMOMAT
以前、ミニ企画展が開催されていた場所ですよね。
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第2部 実験場1950s

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企画展が行われるフロアですよね。
時間が無くて15分程度で駆け足観覧でした。
また行ってきますので、感想はその後に投稿できるかも?です。
濃厚な内容ですよ。


第2部では、こうした50年代美術の精神と活力を、同時期誕生した近代美術館への含意も込めて「実験場」というキーワードで捉えることにしました。絵画、彫刻、版画、素描、写真、映像を含む約300点の作品と資料によって、その実験精神が提起した多様な可能性を歴史的に検証し、そこから現在の美術と社会の関係を、さらには美術館の未来を考えるヒントを引き出すことを試みます。

1 原爆の刻印
2 静物としての身体
3 複数化するタブロー
4 記録・運動体
5 現場の磁力
6 モダン/プリミティヴ
7 「国土」の再編
8 都市とテクノロジー
9 コラージュ/モンタージュ
10 方法としてのオブジェ


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2012.11.07

開館25周年記念 「北斎と広重 きそいあう江戸の風景」展

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この展覧会は、町田市立国際版画美術館で10月6日~11月25日まで開催されています。

広重と北斎どっちが好きか?と問われたら・・・・・・
51対49で広重かなな~

お馴染みの作品、何度も、何度も観てきたモチーフの作品も多数展示されていますが、とても発色の良い作品が展示されていて、それこそ何度見ても新たな発見があって楽しいものですね。

この美術館は穴場です、とても特色のある企画展が開催されますが、比較的空いていてじっくり鑑賞できます。
版画などの小ぶりな作品は、都心の美術館で列に並んで疲れきっての鑑賞より、こちらの方が観てきたという充足感が味わえます。

この展覧会では、浮世絵の風景版画が北斎と広重によって大成するまでの道のりを3部構成、総計延べ422点の作品を通じてご紹介し、江戸時代を生きた人々が風景に向けた多彩な「まなざし」に迫ります。

期間中、大幅な展示替えがあります。(ありました)

展示構成は以下の通りです。
Ⅰ江戸のまなざし―風景表現の発展
浮世絵誕生初期から広重が登場する19世紀前半。天保初期までの作品によって、風景表現が発展していくようすを概観します。
レンズを通して観る眼鏡絵や、画中に遠眼鏡やのぞきからくりを描きこんだ作品なども展示されています。
北斎、広重の他、歌麿、清長、師宣、春信、湖龍斎等々多彩な浮世絵氏の作品が展示されていて、この展覧会の導入部です。

西洋の銅版画の影響を受けたとされる作品。

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葛飾北斎「羽根田弁天之図」 享和期(1801~04) 木版
神奈川県立歴史博物館蔵 (前期出品)

北斎の美人画、数少ないですよね。

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葛飾北斎「風流なくてなゝくせ」より『遠眼鏡』 享和期(1801~04) 木版
山口県立萩美術館・浦上記念館蔵 (後期出品)


Ⅱ風景版画の集大成―北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五十三次」
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」と歌川広重の「東海道五十三次」を中心に関連作品を含めて、二代浮世絵師の金字塔的作品の全貌を紹介しています。
「冨嶽三十六景」と「東海道五十三次」をじっくり鑑賞するコーナーです。
私は、広重の「蒲原 夜之雪」「庄野 白雨」が大好きです。

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葛飾北斎「冨嶽三十六景」より『凱風快晴』 文政(1818~30)末期 木版
この図版は山口県立萩美術館・浦上記念館蔵 (後期出品)

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歌川広重の「東海道五十三次」より『蒲原 夜の雪』 天保4~7年(1833~36) 木版
この図版は房総浮世絵美術館蔵 (後期出品)


図録では版の違う?作品が並べて掲載されていて、摺りによる違い(色ののせ方の違い?)でイメージが随分と違うんだな~と・・・・。
展覧会場では、残念ながら展示期間がずれているので、現物を比較することはできなせん、これが残念。

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Ⅲきそいあう江戸の風景
風景画というジャンルが隆盛し幅をひろげるてゆくなかで、北斎と広重をはじめとする絵師たちがきそいあうように生み出した、多種多様な風景表現を紹介しています。
広重に、北斎に...こんな作品もあるんだ、なんて、このコーナーは、いろいろ発見があって楽しかったですよ。

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葛飾北斎「百人一首姥がゑとき』より『山辺の赤人』 天保6~7年(1835~36) 木版
町田市立国際版画美術館 (前期出品)


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歌川広重「木曽海道六拾九次」より『中津川(雨)』
天保6~13年(1835~42) 木版 個人蔵 (前期出品)

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歌川広重「六十余州名所図会」より 『信濃 更科田毎月鏡台山』
嘉永6年(1853) 木版 神奈川県立歴史博物館蔵 (後期出品)


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2012.11.02

リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝展

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この展覧会は、国立新美術館で10月3日から12月23日まで開催されています。

この展覧会、とても楽しい魅力いっぱいの展覧会です。
特に、「バロック・サロン」「ルーベンス」の展示コーナーは、まさに圧巻です。
こんなに楽しい展覧会も久しぶりです。

HP解説から

オーストリアとスイスの間にあるリヒテンシュタイン侯国。同国の国家元首であるリヒテンシュタイン侯爵家は、優れた美術品収集こそが一族の栄誉との家訓のもと、500年以上にわたってヨーロッパ美術の名品を収集してきました。その数は3万点に及び、英国王室に次ぐ世界最大級の個人コレクションといわれています。本展では同コレクションから139点の名品を選りすぐり、日本で初めて公開します。世界屈指のルーベンス・コレクションからは、愛娘を描いた《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》など10点が一挙に来日。ラファエッロ、クラナッハ、レンブラント、ヴァン・ダイクをはじめとする巨匠たちの名画や、華麗な工芸品が一堂に並びます。

展覧会の構成は以下の通りです。
エントランス

バロック・サロン
この部屋では、現在ウィーン郊外の「夏の離宮」で公開されている侯爵家コレクションの展示方法に倣って展示作品へのキャプションは付けられていません。絵画、彫刻、工芸品、家具やタペストリーが、宮殿を特徴づけるバロック様式の室内装飾と調和している様子を再現するためです。
リーフレットに解説があります。
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リヒテンシュタイン侯爵家
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イアサント・リゴー 《金羊毛騎士団の正装をしたヨーゼフ・ヴェンツェル・リヒテンシュタイン侯の肖像》
1740年 油彩/カンヴァス


名画ギャラリー
■ルネサンス
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ラファエッロ・サンティ 《男の肖像》 1502/04頃 油彩/板

■イタリア・バロック
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クリストファーノ・アッローリ 《ホロフェルネスの首を持つユディット》
1613年 油彩/カンヴァス

■ルーベンス
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ペーテル・パウル・ルーベンス《クララ・セレーナ・ルーベンスの肖像》
1616年頃 油彩/板

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ペーテル・パウル・ルーベンス《占いの結果を問うデキウス・ムス》 「デキウス・ムス」の連作より
1916/17年
横幅4メートルの大作。

クンストカマー:美と技の部屋
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マティアス・ラウフミラー 《華麗なジョッキ》 1976年 象牙


名画ギャラリー
■17世紀フランドル
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アンソニ・ヴァン・ダイク 《マリア・デ・タシスの肖像》 
1629/30年頃 油彩/カンヴァス 

■17世紀オランダ
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レンブラント・ハメルンスゾーン・ファン・レイン 《キュービットとシャボン玉》
1634年 油彩/カンヴァス


■18世紀ーー新古典主義の芽生え


■ビーダーマイヤー
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フリードリッヒ・フォン・アメリング 《マリー・フランツィスカ・リヒテンシュタイン侯女2歳の肖像》
1834年 油彩/厚紙


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