ポール・デルボー 夢をめぐる旅
この展覧会は、府中市美術館で9月12日~11月11日まで開催されています。
ジェームズ・アンソール展に引き続きベルギーの画家ポール・デルヴォー(1897-1994)の展覧会に行ってきました。
アンソールが、母親が経営していた店の仮面とか雑貨を見て育ち、その記憶が作品に反映されているといわれていますが、デルボーは電車が好きな子供で高校生のときにはオデッセイアに親しみました。また、教室で骨格標本を見て衝撃を受けたという少年時代の思い出も語られています。
作品には、骸骨、電車、神殿、ランプか繰り返し描かれでいます。
デルボーは言います。
「私が創造したいのは、その中に自分が生きている、生きることが出来る寓話的な絵画なのです」
初期の印象派、象徴派に影響を受けた油彩、デッサンから、シュルレアリスムに出会い、やがて独特な幻想的な世界を作り上げたデルボーの日本における約10年ぶりの(だそうです)回顧展。
出品作、約80点のうちおよそ半数以上が日本初公開の作品との事。
デルボーの作品を纏めて見られるいい機会です。
入り口で、デルボーの略年譜を頂きました、これって結構助かります。
展覧会の構成は以下の通りです。
第1章 写実主義と印象主義の影響
《森の小径》1921年 ポール・デルボー財団蔵
第2章 表現主義の影響
《森の中の裸体群》1927-28年 ポール・デルボー財団蔵
第3章 シュルレアリスムの影響
第4章 デルボーの世界
・欲望の象徴としての女性・男性の居場所
《ローの婦人》1969年 ポール・デルボー財団蔵
・生命の象徴としての骸骨
《会話》1944年 サイモン・コレクション(パトリック・デロム・ギャラリー)蔵
・汽車。トラム・駅
・建築的要素
《エペソスの集いⅡ》1973年 ポール・デルボー財団蔵
《夜の死者》1980年 ポール・デルボー財団蔵
・ルーツとしての過去のオブジェ
・フレスコ壁画
第5章 旅の終わり
89歳の頃、最後に書かれた油彩画。
視力が極端に衰えていた。
《カリプソー》1986年 ポール・デルボー財団蔵
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