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2012.09.14

田村彰英 夢の光

Photo


この展覧会は、東京都写真美術館で7月21日~9月23日まで開催されています。

大半がモノクロームの作品で構成されています、カラー作品も含めて、焼き込まれたような階調、この微妙な階調が作家の個性を特徴づけているように思えました。
蘇った記憶のイメージそのものが目の前にあるような、そんな作品群に思えました。


展示構成は以下の通りです。(チラシから引用しています)
BASE
1960年代後半から1970年代前半にかけて、国内の米軍基地を撮影したシリーズ。
政治的な解釈を排除した、金網を隔てた異国を観るような写真、また、戦闘機そのものの存在感を風景とともに写し出した写真など。

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シリーズより《横須賀》1969年

◆<家>House <道> Road
<家>は写真学校在学中、造成された宅地に住宅が出現する様子を撮影したもの。
<道>は郊外の丘陵が切り拓かれ、横浜線横須賀道路が完成するまでを撮影したシリーズ。
定点観測になっていて、家のバックに稲妻が光ったり、雪の積もった景色などが映し出されている。

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シリーズ<家>より 1968年6月22日

◆<午後>Afternoon
6×6の中判カメラで撮影されたモノクロームのシリーズ。
美術手帖に1971年~1973年まで30回に渡って連載された作品。
日本的な情緒や、ドキュメンタリーと一線を画した表現は同時代の写真家に多大な影響を与えたたとされる。
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シリーズ<午後>より《横須賀保土ヶ谷区》1972年 川崎市民ミュージアム蔵

◆<湾岸>Wangan
東京湾沿いに、日差しの一番美しい12月から1月初めににかけて4×5インチのポジフィルムを用い撮影されたシリーズ。二枚一組で時間のズレや視点のズレを対比させている。
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シリーズ<湾岸>より《横浜》1992年 作家蔵


日本的な◆<赤陽> Dusk
「黄昏のの光」と題してカメラ雑誌に発表した作品を今回<赤陽>というタイトルを新たに付けました。
本シリーズで、時代を経たレンズを使い、風雨にさらされながら人々の生活に溶け込んできた風景を黄昏の光の中で精緻に描写しました。夭逝の版画家藤義夫に触発されて命名。
8×10インチの大型カメラに100年以上も前に製造された古いレンズを装着して撮影。
深川、浦安、根津、下谷等々の町並を撮影した写真が並んでいます。

生誕100年 藤牧義夫展 モダン都市の光と影


◆<名もなき風景のために> Ereuwhon
稲田登戸病院、戦闘機ファントムの墜落事故現場、座礁したタンカー、オーム真理教のサティアン、陸前高田市、八ッ場ダム等々、ある日突然非日常の世界になってしまう情景を捉えています。

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シリーズ<名もなき風景のために>より《座礁船、三重県津市》1994年

BASE 2005-2012
デビュー作を発表して40年後の2009年、田村はその続編とも言えるシリーズをカメラ雑誌に発表しました。私には色々な意味で輪郭が明瞭になったように見えました。

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シリーズ<新BASE>より《厚木》2009年 作家蔵 


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