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2012.09.04

生誕100年 船田玉樹 ―異端にして正当、孤高の画人生。―展

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この展覧会は、練馬区立美術館で7月15日~9月9日まで開催されています。

暫くは、かなり以前に行ってきた展覧会のまとめです。(備忘録の意味もあって)
会期末が迫った展覧会(あるいは過ぎた展覧会)ばかりです。

HPの解説にもあるように船田玉樹(ふなだ ぎょくじゅ)と聞いて直ぐにその作品を思い浮かべる方はそう多くはないのかもしれません。
もちろん私もその一人です。
この展覧会を観ても、その作品様式の多様さには戸惑いを感じました。
それにしても、船田玉樹という画家の絵画に寄せる執念を感じさせてくれるとても良い展覧会です。


 1912年、広島県呉市に生まれた船田玉樹は、日本画を学ぶために上京しますが、琳派の作品に刺激されて、日本画に転向します。最初は速水御舟に教えを受けますが、まもなく御舟が没したため小林古径に師事します。その後、岩橋英遠や丸木位里らと「歴程美術協会」を結成して、抽象表現を取り入れた前衛的な作品を発表します。
 戦後になると、中央を離れ郷里の広島にひきこもって創作を続けます。
画材も、岩絵具や墨のみならず油彩やガラス絵など使い玉樹独特の世界を模索し続けます。
そのさなか、60歳過ぎ、クモ膜下出血に倒れ右半身が不自由となってしまいます。
玉樹は負けません、只管描くことで(油彩による自画像を描く習練からやり直し)やがて大画面に樹木の枝を繊細に描く作品を制作するまでになります。

 この展覧会には、師の御舟や古径、位里や靉光ら玉樹が接した多彩な画家たちの作品も展示されています。

個人的には、雪の九品仏と毛越寺庫裏が好きなんですけど。

展覧会の構成は以下の通りです。
Ⅰ画業のはじまり
Ⅱ新たな出発
Ⅲ水墨の探求
Ⅳ孤高の画境へ

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紅葉 1941年

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紅梅(利休像) 1942年

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ひばり 1945年頃

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暁のレモン園 1949年 

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雪の灯りともし頃 1950年 広島県立美術館

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緑の館 1952年 油彩


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仮面 1977年


まるでポロック?
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枝垂れ桜 1986年 二曲一双屏風


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梅林 1987年

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