第18回秘蔵の名品アートコレクション展 東京美術学校から東京藝術大学へ 日本絵画の巨匠たち
東日本大震災復興支援チャリティーイベント”アートで心をつなぐ”
このの展覧会は上記の主旨の基、ホテルオークラ東京別館地下2階の「アスコットホール」で8月3日~26日まで開催されています。
歩く靴音すら聞こえない、とても静かで落ち着いた空間に良い作品が展示されています。
日本の芸術の発展において多大な功績を残し、今なお多くの俊英を世に送り続けている東京藝術大学。その前身となる東京美術学校の歴代教員と卒業生の中から約40名を選抜し、画業としての最初期から円熟期までの作品を一堂に集め、対比して展示いたします。
展示は概ね3つのカテゴリーに分けられます。
(図版(チャリティ販売)参照)
実際の展示は、厳密に、この括りで展示されている訳ではありません。
■黒田清輝と西洋画科
ラファエル・コランの作品はいろいろな展覧会でよく登場しますよね、何度見たことか。
パリ留学時代の黒田と久米を育成。
ラファエル・コラン(1850-1916)《花月》 明治19年(1886)油彩・カンヴァス 東京藝術大学
その黒田が留学時代に模写した絵画。
模写《羽根帽子をかぶった自画像》(原作:レンブラント)
明治22年(1889) 油彩/カンヴァス 東京藝術大学
原作は、開催中のベルリン国立博物館展に展示されています。
ベルリン国立博物館展とマウリッツハイス美術館展のレンブラント
この作品は、黒田の代表作の一つですよね。
黒田清輝《婦人像(厨房)》 明治25年(1892) 油脂・カンヴァス 東京藝術大学
私の一押し。
「フェルメールの影響を感じさせる」との解説も・・・・
小磯良平《縫製女》 昭和7年(1932) 油彩・カンヴァス 東京藝術大学
如何にして西洋絵画を受容し、また日本に於ける油彩画のあり方を模索してきたのか、往時が偲ばれます。
■東京美術学校と日本画
江戸時代の伝統絵画からしだいに日本画というジャンルの統合され、更に西洋美術の方法を取り入れながら発展してきた軌跡を概観。
横山大観《村童観猿翁》 明治26年(1893) 絹本彩色 東京藝術大学
「猿回しの翁は、橋本先生に見立て、村童11人は同期の11人の幼顔を想像して描いたものです」と。
今生天皇の即位大嘗祭に際し制作された作品。高山辰雄のこのような作品も面白いと思いました。
らしさが存分に表れています。
東山魁夷(悠紀地方風俗歌屏風》平成2年(1990) 紙本彩色 屏風・六曲一双
宮内庁
高山辰雄《主基地地方風俗歌屏風》 平成2年(1990) 紙本彩色 屏風・六曲一双
宮内庁
松岡映丘《千種の丘》大正15年(1926) 絹本彩色 掛幅装
昨年(でしたっけ?)開催された練馬美術館の松岡映丘展に展示されていて割と評判でしたよね。
初代水谷八重子がモデル。
生誕130年 松岡映丘-日本の雅-やまと絵復興のトップランナー
■自画像コレクションの成り立ち
今も続く卒業時に描く自画像のコレクション。
個性と、如何にも若々しい意気込みの様なものを感じます。
数年前、藝大美術館でも開催されましたよね。
自画像の証言
佐伯祐三《自画像》 大正12年(1923)3月 油彩・カンヴァス 東京藝術大学
岡鹿之助《自画像》 大正13年(1924)3月 油彩・カンヴァス 東京藝術大学
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