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2012.07.11

京都 細見美術館展 PartⅡ 琳派・若冲と雅の世界

この天覧会は横浜そごう美術館で5月26日~7月16日まで開催されています。
今週末横浜美術館で始まる奈良美智展とペアでと考えていたのですが別の予定をいれたので、急遽日曜の午後に出かけました。

京都 細見美術館展 PartⅠ都の遊び・王朝の美に続いての開催です。

PartⅡ(本展)は 琳派と伊藤若冲の作品を中心に、コレクションの根幹をなす仏教美術、平安王朝の雅な世界を伝える物語絵、桃山から江戸期の意匠美術を示す工芸品や能装束など約70点が展示されています。

展示構成は以下の通りです。

祈りの美
宗教美術は細見コレクションの出発点であり根幹をなすのが仏教美術、神道美術です。
《六観音像》5幅のうち2幅が展示されています。この作品と田中親美の平家納経(模写)が特に見応えありました。

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《六観音像のうち「如意輪観音」》 鎌倉後期

王朝の雅と源氏絵
白描源氏物語絵巻断簡が、良かったですよ。
こちらも。
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土佐光吉 《源氏物語色紙「初音」》 江戸中期


華麗なる琳派
この展覧会ではこのコーナーがいちばん楽しめました。
抱一の作品はもとより、抱一の弟子であり事実上の後継者鈴木其一、其一の長子守一と続く流れと、その個性の変化を比較して観ていくと面白いと思います。
描表装は守一の十八番です。
また、喜多川相説の存在はこの展覧会で初めて知りました、光琳の画風と工房を継いだ宗雪に続き光琳の第3代として工房の中核をなす活躍したそうです。

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酒井抱一 《槇に秋草図屏風》 江戸後期

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鈴木其一《藤花図》 江戸後期

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鈴木其一 《水辺家鴨図屏風》 江戸後期

若冲の魅惑


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伊藤若冲 《雪中雄鶏図》 江戸中期

まだ、家業を勤め字の「景和」を署名とした30代前半頃の作品、現在知られる若冲がの中では最初期のもの。
精緻に描き込まれた雄鶏と竹に積もる雪の背景その色彩が美しい作品。

また、若冲の息子といわれている若演の墨画《遊鶏図押絵貼屏風》が展示されています。
若冲の墨画《鶏図押絵貼屏風》と比べてみると、如何に、若冲の、その筆致の勢い、伸びやかさ、ちゃめっ気が分かりますよ。若演の鶏が委縮しているように見えてしまいます。

かざりの意匠
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《能装束 檜垣に藤花文様唐織》 部分 江戸中期

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