生誕120年 福田平八郎と日本画モダン
この展覧会は5月26日~7月22日まで開催されています。
今週で終了ですね。
福田平八郎の画業の中で大きなターニングとなった《漣》は前期展示でした、行く事が出来ず観ることが出来ませんでした、残念です。
抽象的であり同時に写実的な表現をも実現、この作品に続く簡素でデザインセンスに溢れる作画、は魅力的ですね。
福田平八郎は「写生の対象から先ず何を一番強く感じるかというと、形や線よりも先に色彩を強く感じる」とも言っています。
中国の院体花鳥画に倣った作品、「牡丹」(屏風絵)では見事な描写力を感じさせてくれます。
後期は22点の展示で福田平八郎の仕事を振り返ります。
二章では下記、展示構成の通りのカテゴリーに分けて、3点の国立近代美術館、個人蔵1点山種美術館所蔵42点の作品で構成されています。
こちらも充分見ごたえありです。
この美術館での、このような構成の展示って今までなかったような気がしますが?
展示構成は以下の通りです。
一章 福田平八郎
二章 日本画モダン
・琳派へのオマージュ
・主題の再解釈
・大胆なトリミング・新鮮なアングル
・構図の妙
・風景のデザイン化
漣 1932年 絹本・彩色 大阪市立近代美術館建設準備室
雨(部分、チラシを横方向にトリミング) 1953年 紙本・彩色 東京国立近代美術館
平八郎の画室は2階にあり疲れたり、退屈したとき窓の外に眼を移して休息するのです。窓の下には屋根が眼に這入る。その縦の線と横に線の面白さになんとなく興味を持っていました。ある日、夕立が来るなと窓を開けて見ると、もう大きな雨粒がぽつぽつと落ち始めました。そして、大きな雨脚を残しては消え、残しては消えていきます。それが生きものの足跡のように思われて心を打たれました。それがこの作品を成す由因となりましたが、しかし、私は最後には瓦の構成を主として、この作品を描き上げました。
筍 1947年 絹本・彩色 山種美術館
おぼこ 前田青邨 1944年 紙本・彩色 山種美術館
夏の印象 山口蓬春 1950年 個人蔵
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