ドキュメンタリー映画公開記念展 ちひろ 27歳の旅立ち
映画のチラシです。(7月14日ロードショー)
この展覧会は練馬区下石神井のちひろ美術館・東京で5月23日~8月26日まで開催されています。
その昔?ご主人の松本善明氏はTVの討論会なんかに、さかんに出演していましたし、直に選挙演説も聴いていました。(私が昔住んでいた恵比寿が選挙区に含まれていた)その様子から、「いわさきちひろ」の作品から受けるイメージとの距離感に複雑な気持ちだったのを覚えています。当たり前ですよね、善明氏が描いているわけではないのですから。
この展覧会を観て、「いわさきちひろ」の人生と、その作品を時系列で追い掛けるこで、その魅力を再認識しました。
絵の具のにじみが生み出す表現、その色調と濃淡は子供たちの心の風景を、そして、その場の空気を瞬時に伝えてくれます。
無邪気に喜び、悲しみ、寂しがる、ちひろが寄せた子供への愛が溢れています。
比較的裕福な家庭に生まれ、絵の才能を認められた、ちひろは、14歳で岡田三郎助に師事して絵を学んでいます。そして、20歳の時に、長女だったちひろは両親の薦めを断り切れずに婿養子を迎えることになります。
夫の勤務地である満州・大連に渡りましたが、翌年、夫の自殺という不幸な結果により帰国します。
帰国したちひろは中谷泰に師事し、再び油絵を学びますが、書家をめざした時期でもあります。
25歳の時、再び女子開拓団に同行して満州・勃利に渡りますが、戦況悪化のため同年帰国します。
翌年には5月25日の空襲で東京中野の家を焼かれ、母の実家である長野県松本市に疎開し、ここで終戦を迎えます。
戦争の実態を知った、ちひろは一貫して戦争に反対していた日本共産党に入党、党宣伝部の芸術学校で学ぶため、一人で上京します。
ちひろ27歳の旅立ちです。
ドキュメンタリー映画 ~いわさき ちひろ~27歳の旅立ち 《予告編》
展覧会の構成は以下の通り。
展示室1 初期・中期の作品
●終戦 1945年(26歳)
●自立への道 1946(27歳)
●運命の人との結婚(31歳)
●わが子の誕生(32歳)
●子供を描く(中期)1950年代~1968年(30歳~49歳)
「ひとりでできるよ」より 1956年
●アンデルセン童話を描く 1947年~1968年(28歳~49歳)
●絵で展開する絵本が誕生 1968年(49歳)
雨にけむる家
「あめのひのおるすばん」より 1968年
展示室3 後期の作品1968年~1973年
●子供を描く(後期) 1968年~1974年(49歳~55歳)
ガーベラを持つ少女 1970年頃
●平和の願いを込めて 1972年~1973年(53歳~54歳)
「戦火の中の子どもたち」より 1973年
ちひろのアトリエが展示されています。
展示室4 絵本 1968年~/年譜
展示室2つひろ美術館コレクション
奇想の絵本―夢幻とナンセンス―
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