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2012.05.25

平治物語絵巻(六波羅行幸の巻)

平治物語絵巻(六波羅行幸の巻)は東京国立博物館総合文化展の国宝展示室(本館2階)で4月27日まで公開されています。
こちらも今週で修了ですよ。


平治物語絵巻「六波羅行幸の巻」はボストン美術館の「三条殿夜討」,静嘉堂文庫美術館の「信西」の巻などとともに大部のセットであったと思わています。
3巻とも、とても物語性に富んだ内容、色彩が見事な風景表現など観あきることがありません。
同時期に3巻纏めてみる機会など、もう訪れる事が無いと思うと幸運だったなと思わざるを得ません。

「六波羅行幸の巻」は源氏方に幽閉された二条天皇が内裏から女房の姿で脱出をはかり,清盛の六波羅邸に逸れるべく行幸する次第が全四段で描かれています。

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国宝 平治物語絵巻「六波羅行幸の巻」(巻頭部分) 紙本着色 鎌倉時代・13世紀

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国宝 平治物語絵巻「六波羅行幸の巻」(部分) 紙本着色 鎌倉時代・13世紀

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国宝 平治物語絵巻「六波羅行幸の巻」(巻末部分) 紙本着色 鎌倉時代・13世紀

おさらい

平治の乱
保元(ほうげん)の乱後、1159年(平治1)12月、京都に勃発した内乱。後白河上皇の近臣間の暗闘が源平武士団の対立に結びつき、藤原信頼・源義朝による上皇幽閉、藤原通憲(信西)殺害という事件に発展した。しかし、平清盛の計略によって上皇は脱出し、激しい合戦のすえ源氏方は敗北した。以後、平氏の政権が成立した。


静嘉堂文庫美術館の「信西」の巻
静嘉堂蔵 東洋絵画の精華 ①珠玉の日本絵画コレクション」で三回に分けて公開されました、私が観たのは最終回の第四段部です。(5月20日で終了しました)

「信西巻」は、信西の最期をテーマにしたもの。詞書三段、絵四段から成る。藤原信頼と源義朝に襲撃された信西は自害。首を獄門にかけられるまでが描かれています。

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三条河原において、光保が資経に信西の首を受け渡す。
信西の首を受け取った資経は、三条大路を引き回し、西獄へと向かう。

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獄門の棟木に信西の首がかけられる。市井の人々が首を見物しに集まってくる。

重要文化財 平治物語絵巻「信西巻」(第四段) 一巻 紙本着色 鎌倉・13世紀

ボストン美術館の「三条殿夜討」
トーハクで開催中の「ボストン美術館展」(6月10日まで)に展示されています。私は2度観ました、これから行かれる方は混雑覚悟で。

「三条殿夜討巻」は、平治の乱のきっかけである藤原信頼および源義朝による後白河上皇の拉致と御所三条殿の焼討を描いている。政敵である信西[しんぜい]の首を求め三条殿を襲う信頼・義朝軍と、逃げ惑い命を落とす人々の様子がドラマティックに描かれています。

 

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平治物語絵巻 三条殿夜討巻(部分) 鎌倉時代・13世紀後半

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平治物語絵巻 三条殿夜討巻(部分)巻頭 鎌倉時代・13世紀後半


おまけ
(トーハクのユリノキについては、拙ブログで以前にも同様の記事を投稿しています)

平治物語絵巻「六波羅行幸の巻」とボストン美術館の「三条殿夜討」を観にトーハクに行った当日、ユリノキに花が咲いていました、青空が広がっていましたが、強い風が吹いていました。

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