この展覧会は4月25日~7月16日まで乃木坂の国立新美術館で開催されています。
こういう展覧会は早めに、が鉄則ですから、開催早々に行ってきました。
さすがに、セザンヌ展とエルミタージュ展が開催されているとあって、新美術館の人出は多かったです。
思っていた通りの充実した内容で満足でした。
この展覧会の展示はルネサンス→マニエリスム→バロック→ロココ→新古典派→ロマン派→リアリズム......と美術史の基準的見方というよりは、これを世紀で替えている。エルミタージュ美術館の得意分野を考慮しつつ、例えば16世紀はイタリアのベネツイア派、17世紀はオランダとフランドル、18世紀はフランスとイギリスが中心というように、それぞれの世紀の中で国ないし、地域に限定している。
以下に展示構成を記します。
第1章 16世紀 ルネサンス:人間の世紀
盛期ルネサンスの精華であるヴェネツィア派の黄金時代を先導したティツィアーノほか、ミラノやクレモナなど北イタリアの諸都市で活動した画家たちの作品16点の展示です。ルネサンスからバロックへ向かう時代におけるイタリア・ルネサンスの多様性に触れることができます。
ティツィアーノ・ヴェチェリオ 《祝福するキリスト》 1570年頃
ベルナルディーノ・ルイーニ《聖カタリナ》 1527‐31年
バルトロメオ・スケドーニ 《風景の中のクピド》 16世紀末-17世紀初め
第2章 17世紀 バロック:黄金の世紀
17世紀フランドル美術を代表する画家ルーベンス、ヴァン・ダイクのほか、オランダ美術の巨匠レンブラントやライスダールらによる22点の作品が展示されています。
空前の経済的繁栄を謳歌した17世紀ネーデルラントは、美術においても「黄金時代」を迎えます。絵画を愛好する市民たちの家を飾る小ぶりの風俗画や風景画が制作された北部のオランダ派と、カトリック教会や国家のための華やかで大規模な作品を制作した南部のフランドル派に分かれ、美術史上に残る多くの傑作が生まれました。
レンブラント・ファン・レイン 《老婦人の肖像》 1654年
アンソニー・ヴァン・ダイク《エリザベスとフィレデルフィア・ウォートン姉妹の肖像》 1640年
ペーテル・パウル・ルーベンス《ローマの慈愛(キモンとペテロ)》 1612年頃
第3章 18世紀 ロココと新古典派:革命の世紀
イギリス産業革命やアメリカ独立戦争、そしてフランス大革命がおこり、市民革命と近代化の波が怒涛のように押しよせた、そんな時代背景にの中、王侯貴族の雅な生活を彩る最後の輝きであったロココから新古典派にいたる様式の変遷を、20点の作品を通して紹介しています。
ユベール・ロベール<古代ローマの公衆浴場跡》 1798年
ライト・オブ・ダービー(本名 ジョセフ・ライト)《外から見た加治屋の光景》 1773年
ジョシュア・レノルズ《ウェヌスの帯を解くクビト》 1788年
第4章 19世紀 ロマン派からポスト印象派まで:進化する世紀
市民社会が形成され科学技術が目覚ましく進歩した19世紀。芸術の都パリでは、画家たちが新たな表現を模索し、さまざまな絵画様式がめまぐるしく展開されました。
ドラクロアに代表されるロマン派、写実主義や、野外で自然を観察しながら描いたコローらバルビゾン派、その延長線上にある印象派、さらに、そうした合理主義への反動として個人の内面を表現する象徴派が現れ、その流れを受け継いだナビ派、一方で、印象派をより科学的な色彩理論によって展開した新印象派も登場しました。
ロマン派から新印象派、そしてセザンヌまで、19点の展示です。
ウジェーヌ・ドラクロワ 《馬に鞍をおくアラブ人》 1855年
ジェイムズ・ティソ《廃墟(内なる声)》 1885年
アンリ・ファンタン・ラトゥール《水の要請ナイアス》 1896年頃
第5章 20世紀 マティスとその周辺:アヴァンギャルドの世紀
フォービズム、キュビズムへの展開から第二次世界大戦前までに描かれた絵画12点の展示です。
モスクワの二人のコレクター、セルガイ・シチューキンとイワン・モロゾフの収集品がエルミタージュ美術館におけるこの時代に制作された作品の中核をなしています。
アンリ・マティス《赤い部屋(赤いハーモニー)》 1908年
パブロ・ピカソ《マンドリンを弾く女》 1909年
以上、本展のチラシ、図録、出品リストから、画像、文章を引用しています。
エルミタージュ美術館に行ってきた知人から頂いた、お土産。(数年前のこと)
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