蕭白ショック!! 曽我蕭白と京の画家たち
この展覧会は千葉市立美術館で4月10日~5月20日まで開催されています。
前・後期で大幅な展示品の入れ替えがあります。
我が家からは遠いので後期は行けないかも知れません。
トーハクのボストン美術館展でも蕭白に焦点を当てていますよね、ボストン美術館展の展示作品は保存状態も良く素晴らし作品にドキドキでした。蕭白ショック!!(観たのは前期)での展示品は保存状態がどうなのかな―と思わせる作品も多数ありますが、その質・量とも蕭白の魅力を十分堪能できる展覧会です。描かれる面相、動き、画面解釈など、奇想の画家といわれ、観る者を瞬時に作品世界に引き込んでしまいます。しかし唐画の伝統を取り入れた復古的な作品も魅力があり蕭白の全体像を概観できるいい機会になります。
曽我蕭白(1730~81)は江戸時代中期に活躍した画家です。この展覧会では修理を終えた、伊勢斎宮の旧家永島家伝来の障壁画(全44面、重要文化財、三重県立美術館所蔵)を中心に蕭白の画業をよく知るために蕭白前史と同時代の画家たちを合わせて紹介しています。
以下に展示構成を記します。
展示入れ替えが大幅に行われますので、HPの展示品リストでの確認をお薦めします。
第一章 蕭白前史
曽我蕭白は室町時代の画家曽我蛇足の系譜に連なる蛇足軒十世と名乗り、桃山時代の曽我派の画家曽我直庵の画風を取り入れている。雪舟の流れをくむ雲谷派からも学んでいるらしい。この章では、蕭白に先がけて復古かつ個性的な傾向を示した画家を紹介している。
京狩野に学んだ高田敬輔は蕭白の師と推定される。
高田敬輔「山水図屏風」
大西酔月「高氏士騎牛図」
第二章 第1部 曽我蕭白―蕭白出現―
近代日本画家・桃澤如水の報告と伊勢に残る作品から、蕭白が29から30歳頃、伊勢で活躍していたことは明らかである、伊勢の後、蕭白は播磨へも赴く。この章では蕭白の画業初期から既に大胆な筆致、詳細表現、綿密な画面構成、そして機知に富んだ解釈の基に描かれた作品を紹介している。
曽我蕭白「牧童群牛図屏風」 右隻
曽我蕭白「月夜山水図屏風」 左隻
曽我蕭白「月夜山水図屏風」 右隻
第二章 第2部 曽我蕭白―蕭白高揚―
この章では明和元年から3年ころにかけて制作されたと思われる作品を取り上げている。
蕭白の画業において重要な位置を占める代表作が次々と描かれた時代。
重文「群仙図屏風」はこの時期に描かれている。(35歳から36歳頃と推定)
曽我蕭白「群仙図屏風」 左隻
「群仙図屏風」 右隻
曽我蕭白「雪山童子図」
曽我蕭白「美人図」
第二章 第3部 曽我蕭白―蕭白円熟―
二度目の伊勢滞留の後、再び播州に向かう。播州には弟子入りした蕭月、蕭湖という絵師たちもいたとされ、蕭白は一定の時期、播州で活動したとされる。その後、生地である京都に戻り京都の画家としても一定の地位を占めるようになる。晩年は硬質な日地で密度高く画面を構築する山水画二おいて新たな様式を示した。
曽我蕭白「虎渓三章笑図」
曽我蕭白「松鷹図」(旧永島家襖絵)
第三章 京の画家たち
曽我蕭白のいた江戸時代中期の京都には革新的・個性的な画家が同時多発的に出現した。
夫々の個性際立つ作品が人気ですよね。伊藤若冲、池大雅、与謝蕪村、円山応挙唐の作品が展示されています。
伊藤若冲「旭日松鶴図」
以上、図録の解説とチラシの画像を引用しています。
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