映画(DVD)八日目の蝉
久しぶりで映画の話。
この前の土曜日は一日中しのつく雨。
たまには家で映画(DVD)と思って……展覧会から早めに引き返して。
永作博美 (野々宮希和子役) 小池栄子 (千草役)が良い。
製作年 2011年
配給 松竹
上映時間: 2時間27分
出演
井上真央 (恵理菜)
永作博美 (野々宮希和子)
小池栄子 (千草)
森口瑤子 (秋山恵津子)
田中哲司 (秋山丈博)
市川実和子 (エステル)
平田満 (沢田雄三)
劇団ひとり (岸田)
余貴美子 (エンゼル)
田中泯 (滝)
風吹ジュン (沢田昌江)
スタッフ
監督 成島出
脚本 奥寺佐渡子
原作 角田光代
製作総指揮 佐藤直樹
企画 石田雄治
関根真吾
製作 有重陽一
吉田直子
池田史嗣
武石宏登
ゼネラルプロデューサー 野田助嗣
撮影 藤澤順一
美術 松本知恵
音楽 安川午朗
安川午朗
主題曲/主題歌 中島美嘉
録音 藤本賢一
照明 金沢正夫
編集 三條知生
小説を読んでから見た方は、映画の出だしに戸惑うかもしれません。
小説は、ほぼ時系列で物語が進行しますが、映画は過去と現在を交錯させながらというシナリオです。
小説では、稀和子の心理描写の比重が大きいのですが、映画は、薫と稀和子を同じ重さで捉えているようです。
小説のエンディングがとても良くて、映画のエンディングが近付くに従って期待と緊張でしたが、全く違うエンディング。映画の流れからして仕方ないのかなと思ったりしました。
NHKでもドラマ化され(数回に分けて放送)私も録画して観たのですが、これはチョット...という事で途中で見なくなりました。この映画は、昨年度の映画賞を総なめしそうで、なかなかよく出来ていると思いました。
ただし、エンジェルと写真店の滝にはげんなり。ちなみに、写真店は小説に登場しましたっけ?
エンゼルハウスに紛れ込むまでの、立ち退きを迫られる偏屈な老婦人の家での生活はカットされていますよね。
以下は小説の概説です。(昨年、拙blogで取り上げたときのもの)
ドアノブをつかむ。氷を握ったように冷たい。その冷たさが、もう後戻りできないと告げているみたいに思えた。
平日の午前八時十分ころから二十分ほど、この部屋のドアは鍵がかけられていないことを稀和子は知っていた。なかに赤ん坊を残したまま、誰もいなくなることを知っていた。ついさっき、出かける妻と夫を稀和子は自動販売機の陰から見送った。冷たいドアノブを、稀和子は迷うことなくまわした。
以上は、0章の冒頭部分です。
この小説は0章、1章、2章で構成されています。赤ん坊は不実な男の妻の子供。
不倫の末、身ごもった稀和子は生むことを許されず、おろしてしまったのだ。
誘拐した子供には薫と名付けた。
赤ん坊を連れた稀和子の逃亡生活が始まります。
先ずは、学生時代の親友の家で、それから関西まで逃げて、そこで立ち退きを迫られる偏屈な老婦人の家に身を隠し、そして、社会から隔絶した集団エンジェルホームに紛れ込んで......さらにエンジェルホームで知り合った久美の小豆島の実家で......
その都度、発覚を恐れて、その場を逃れ逃走を続けます。
そして、久美の実家のある、その島からの逃走を試みて、稀和子とようやく物心のついた薫は、辿りついた連絡船の乗り場で、引き離されることになります。時は移って、実の両親の元に戻った恵理菜(薫)は既に19歳の学生、親元を離れ、アルバイト生活。
すると、そこにエンジェルホ-ムで面倒を見てくれた、お姉さん的存在だった千草が現れる。
千草は、自分が育ったエンジェルホームの取材をしている。
実は、恵理菜(薫)は、妻子ある男と......そして妊娠する。
あの、稀和子と私は同じことを......一時期、エンジェルホームで育った、恵理菜と千草は、恵理菜(薫)と稀和子が最後に過ごしたあの島小豆島を目指す。
そして、あの連絡船乗り場で.......
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