東京国立博物館140周年 特別展「ボストン美術館 日本美術の至宝」
この展覧会は上野の東京国立博物館の平成館 で 2012年3月20日(火) ~2012年6月10日(日)まで開催されています。
見逃すと後悔しますよ。
私はあと何回か通います。
開催直後に観に行ったのですが、そんなに混んでいなくて助かりました。
朝10時過ぎに入って、出たり入ったり繰り返はしましたが17時までいました、それでも観あきませんでしたよ。
私が行った日の閉館間際の第一章の展示室には数人しかおらず、何か急に視野が開けて、照明が明るくなったような錯覚を覚えるほど・・・細部まで丹念に観ることが出来ました、至福の時間でした。
展示構成は以下の通りです。
展覧経路は多少前後しています。
プロローグ コレクションのはじまり
ボストン美術館草創期の日本美術コレクションは明治10年代に相次いで来日し、日本の古美術の調査研究、蒐集を精力的に行ったたアーネスト・フランシスコ・フェロノサとウィリアム・スタージス・ビゲローによって形成されます。そのコレクションは八世紀の仏画から中世、近世、明治の画家たちにいたる絵画や浮世絵、仏像、刀剣、染織などにわたります。後にフェロノサの薫陶を受けた岡倉天心(ボストン美術館に着任後、中国・日本部長)も加わり、三人の主導によってボストン美術館の日本美術コレクションの礎が築かれました。
第1章 仏のかたち 神のすがた
私が一番お勧めしたいのがこの第一章です。
残念ながら、展覧会の入り口ですので、行列です。
そして照明が暗い。
私は、ほぼ一日いましたので、その日は閉館20分前ぐらいになると、このコーナーに鑑賞客は4~5人しかおらず、細部までじっくり観てきました。
「法華経根本曼荼羅図」をはじめとする仏画17点、快慶作の「弥勒菩薩立像」をはじめとする彫刻4点が展示されています。
法華経根本曼荼羅図 奈良時代 8世紀
霊鷲山[りょうじゅせん]で釈迦が諸尊や衆生[しゅじょう]に囲まれ法華経を説く光景をあらわしている。
かつて奈良・東大寺法華堂(三月堂)に伝わっていたことがしられている。8世紀に描かれた曼荼羅図がこの美しさで残り対面できる、そのことだけでも行ってみる価値ありと・・・・勿論その他の仏画の素晴らしさも・・・・.
普賢延命菩薩像 平安時代 12世紀中頃
弥勒菩薩立像 快慶作 鎌倉時代 文治5年(1189)
第2章 海を渡った二大絵巻
「吉備大臣入唐絵巻」「平時物語絵巻」の展示です。
「吉備大臣入唐絵巻」は4巻に分かれた長大な絵巻何と全長25メートル 、これがまた話、絵がユーモラスで楽しめます、こちらも必見ですよ。
「平治物語絵巻」の保存の良さ、美しく迫力満点の戦闘場面、こちらも見逃せません。
吉備大臣入唐絵巻(部分)平安時代 12世紀後半
吉備大臣入唐絵巻(部分)巻頭 平安時代 12世紀後半
平治物語絵巻 三条殿夜討巻(部分) 鎌倉時代・13世紀後半
平治物語絵巻 三条殿夜討巻(部分)巻頭 鎌倉時代・13世紀後半
第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
ボストン美術館の水墨画導入期の優品「「観音図」や禅僧画家の祥啓が宗画を範として制作した山水画の名品「山水図」など中世の水墨画とともに、狩野派発展の基礎を築いた元信から松栄に至る初期狩野派の優品を展示しています。
山水図 祥啓筆 室町時代 15世紀末~16世紀初
第4章 華ひらく近世絵画
安土桃山時代から江戸時代前期までに現れた主要画派の作品をはじめ、異国趣味や享楽的な世相を反映した風俗画が展示されています。
狩野永徳、狩野探幽、狩野永納。狩野山雪、長谷川等伯、土佐光起、尾形光琳、伊藤若冲などなど、もうこの名前が並んだら観に行かないわけにはいきません。それにしても素晴らしい作品がずらりと並んでいます。
竜虎図屏風(左隻) 長谷川等伯筆 江戸時代 慶長11年(1606)
竜虎図屏風(右隻) 長谷川等伯筆 江戸時代 慶長11年(1606)
松島図屏風 尾形光琳筆 江戸時代 18世紀前半
第5章 奇才 曽我蕭白
この展覧会の目玉のコーナーでしょうね。まさに奇才の面目躍如というところです、11点展示されていますが、その奔放な画法には一点一点興味が尽きません。妙に鷲図が気になったりして・・・・。
雲竜図(部分) 蘇我蕭白筆 江戸時代 宝暦13年(1763)
鷹図 蘇我蕭白筆
風仙図屏風(部分) 蘇我蕭白筆
第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織
この章は、刀剣にまつわる言葉(表現)の解説が掲示されていて、素人の私は、いちいち意味を確認しながらの鑑賞でしたが、これがまた楽しい。常設展示室の刀剣コーナーはいつも素通りなのに今回は単眼鏡も使ってじっくり鑑賞してきました。
能装束などの織物・着物の絢爛さも素晴らしいですよ。
短刀 銘大和尻懸則長四十八作之 鎌倉時代 文保3年(1319)
唐織 紅地流水芦菊槌車模様 江戸時代 18世紀
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