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2012.03.10

片野田 斉写真展 「日本!天晴れ!」

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この展覧会は、東京国際フォーラム1階の相田みつお美術館第2ホールで3月6日~18日まで開催されています。
報道写真家の片野田 斉さんが大震災発生翌日に車で駆けつけてから、今まで何度も出かけて撮り続けた写真が展示されています。

凄惨な現場で、片野田 斉さんにとって、心を落ち着かせる唯一の方法はシャッターを押すことでした。

そんな状況でも、人々は立ち上がろうとしています。日本の未来にエールを送りたい。その想いをこめて「日本!天晴れ!」というタイトルをつけさせて頂きました。(チラシからの引用です)

避難所で、全国から寄せられた救援に対してお礼をしようという事になり、少年の一人が画用紙に描いた「日本!天晴れ!」これがタイトルの由来です。
その少年の写真も展示されていました。
(以下の写真ではありません)

次の写真はチラシからです。
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その少年を写した写真が展示されていた同じ展示室に「岩手県普代村の堤防」を写した写真がありました。
堤防が3.11東日本大震災の津波にも耐えて家々はなにもなかったように無傷です。
新聞でも報道されましたのでご存知の方もおられるかもしれません。
報道の一部はこちら

村長は過去の震災、津波の経験から15メートル以上の堤防設置を提案、村民からは、「そこまでの高さが本当に必要なのか」「金は別の目的に使うべき」だと反対されたが建設を強行したそうだ。
「3.11東日本震災後、元村長の墓参りに、行列が出来たという」

吉村昭著「三陸海岸大津波」が震災後に話題になりました。
最近読み返して、とても複雑な気持ちになりました。
この本の最終部分です。

明治二十九年の大津波以来、昭和八年の大津波、昭和三十五年のチリ地震津波、昭和四十三年の十勝沖地震津波等を経験した早野幸太郎氏(八十七歳)の言葉は、私に印象深いものとして残っている。
早野氏は言った。
「津波は、時世が変わってもなくならない、必ず今後も襲ってくる。しかし、今の人たちは色々な方法で十分警戒しているから、死ぬ人はめったにないと思う」
この言葉は、すさまじいいくつかの津波を体験してきた人のものだけに重みがある。
私は、津波の歴史を知ったことによって一層三陸海岸に対する愛着を深めている。屹立した断崖、連なる岩、点在する人家の集落、それらは、たび重なる津波の激浪に堪えて毅然とした姿で海と対している。そしてさらに、私はその海岸で津波と戦いながら生きてきた人を見るのだ。
私は、今年も三陸海岸を歩いてみたいと思っている。

この本は、別タイトルで昭和四十五年に上梓され、2004年文庫本第一刷です。


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