浮世絵―国芳から芳年へ
この展覧会は、町田市立国際版画美術館で3月3日~4月1日まで開催されています。
幕末に活躍した歌川国芳は「武者絵の国芳」とも「奇想の絵師」ともいわれ、さまざまなジャンルの作品をのこしています。
国芳には沢山の弟子がいましたが、その中の一人月岡芳年はデビュー当時は国芳の作風に学んだ浮世絵を描いていますが明治期に入ると繊細な筆使いに個性を発揮、美人画や日本古来の説話画を多く生み出し、明治期の浮世絵界の第一線を常に走りつづけました。
本展は、幕末、明治期に活躍した国芳、芳年他数名の作品120点で構成されています。
(本展のHP解説を参考にしています)
第一章 国芳「唐土二十四孝」―異国へのあこがれ
「唐土二十四孝」より 嘉永(1848~54)は、今年二月にかけて行われていた森アーツセンターギャラり-の国芳展にもこの美術館から数点出展されていましたが、本展では24点すべてが展示されています。
西洋の表現を取り入れた描写が面白いですよ。
親孝行にまつわる説話と共に楽しめます。
歌川国芳「唐土二十四孝」より 「大舜」
第二章 国芳とライバル、門人たち
当時「役者絵の三代豊国」「武者絵の国芳」「名所絵の広重」と並び称された絵師のコラボ作品「小倉擬百人一首」より天保末~嘉英永5(1843~52)を中心に、門人数名の作品が展示されています。
歌川国芳「小倉擬百人一首」より「陽成院」
第三章 若き芳年の活躍
和漢百物語」より 慶応元年(1865)(芳年初期の妖怪ものの傑作)
月岡芳年「和漢百物語」より「田原藤太秀郷」
「美勇水滸伝」より 慶応二年(1866)(講談等から取材したシリーズでさまざまな妖怪使いが描かれる)
「魁題百撰相」より 慶応4~明治2年(1868~69)(南北朝から江戸時代初期の歴史上の人物の肖像を描いたもの、戊辰戦争をめぐる人々の見立絵の側面もある。江戸川乱歩、三島由紀夫が激賞したと伝わりますが分かるような気がします)
月岡芳年「魁題百撰相」より「森蘭丸」
上記作品を中心に、他の作品も多数展示されています。
第四章 「大蘇」以降の芳年
34歳のころ病(神経の病といわれているが、定かではない)に倒れ、その翌年、大いに蘇ることを祈念して画号を大蘇という画号で再出発します。鏑木清方は月岡芳年の弟子ですが、その人柄を「涙もろくて人情家である」と文集に記しているそうです。
次の作品を中心に展示。
「大日本名将鑑」より 明治11年~15年(1877~1882)頃
「風俗三十二相」より 明治21年(1888)
月岡芳年「風俗三十二相」より 「あいたさう」
「新形三十六怪撰」より 明治22年~25年(1889~92)
「月百姿」より 明治18年~24年(1885~91))(月にちなむ説話や故事を描いた芳年最期の大作)
月岡芳年「月百姿」より「玉兎 孫悟空」
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