渋谷ユートピア 1900‐1945 原宿にも、恵比寿にも、代々木にも、画家は住んでいた。
この展覧会は渋谷区立松濤美術館で2011年12月6日~2012年1月29日まで開催されています。
明治末から昭和戦前までの渋谷に住んだ美術家、渋谷近代のアーティスト・コロニー(芸術家村)を探索しようとする展覧会です。池袋モンパルナス、落合文士村のような多くのそして多彩な芸術家が集まり交歓していた代々木、恵比寿、原宿を見てゆきます。美術家たちのユートピア—美の発信地であった、かつての渋谷の姿を再発見しようとするもので、油彩画、日本画、彫刻、版画、詩稿、手紙、ポスター、デザイン画、装幀・挿絵、家具、建築図面など約150点で展望します。
(サイトの解説を引用しています)
40年近く渋谷区の住民であった私にとって土地勘もあり、とても面白い展覧会でした。
勿論、生まれる以前の事ですので、うわー、こんな事が、こんな人が、と驚く事もしばしばでした。
辻永が恵比寿で牧場、羊を飼っていたなんて・・・・更にセガンティーにに憧れていたなんて、嬉しい、楽しい。
以下は、チラシの文章をそのまま記しました。
(画像もチラシから)
国木田独歩は武蔵野に逍遥する
与謝野晶子が詠う
菱田春草は落葉の雑木林に入る
菱田春草 〈落葉〉1909
岡田三郎助は裂を蒐める
代々木練兵場で本邦初飛行す
辻永は恵比寿で羊を飼う
辻永〈無花果畑〉1912
岸田劉生は切通しに画架を立てる
岸田劉生〈赤土と草(草と赤土の道)〉1915
神宮の森が出現する
村山槐多は鐘下山房に歿す
村山槐多〈裸婦習作〉1915
エビスビールを飲み干す
富永太郎は点滅する仁丹の広告燈を憎む
富永太郎〈上海の思い出〉1924
林芙美子が道玄坂に露天を広げる
春の小川は流れる
竹久夢二は彦乃を思い、お葉と暮らす
竹久夢二〈セノオ楽譜 宵待草〉1918
児島善三郎の庭は薔薇がいっぱい
児島善三郎〈おさげ髪の少女〉1926
平塚運一の家では闇汁会
黒猫のよちゃんが歌う
蔵田周忠は同潤会アパートメントに住む
忠犬ハチ公が駅前で銅像となる
叛乱の青年将校は眠る
谷中安規はネオンの街に彷徨う
展覧会の構成は以下の通りです。
序章.逍遙する人—《落葉》と代々木の菱田春草
Ⅰ章.岡田三郎助と伊達跡画家村
Ⅱ章.永光舎山羊園と辻永
Ⅲ章.切通しの道と草土社—岸田劉生の風景
Ⅳ章.束の間のユートピア—村山槐多の終焉
Ⅴ章.竹久夢二のモダンとおんな
Ⅵ章.詩人画家富永太郎の筆とペン
Ⅶ章.フォービズムの風—独立美術協会の周辺
Ⅷ章. 郊外を刻む—版画家たちの代々木グループ
Ⅸ章. 同潤会アパートメントに住む―蔵田周忠と型而工房
Ⅹ章.安藤照とハチ公と塊人社—昭和前期の彫刻家たち
終章.都市の遊歩者—谷中安規と《街の本》
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