ヴァレリオ・オルジャティ展
この展覧会は竹橋の東京国立近代美術館ギャラリー4で2011年11月1日~2012年1月15日まで開催されていました。
既に終了しています。
同館の、ぬぐ絵画展と同時期に開催されていた展覧会です。
作品のユニークさと共に展示方法に拘った、とても印象に残る展覧会でした。
ヴァレリオ・オルジャティは言います。
図面や図版といったすべての情報は床に置かれている。そして、模型は樹のように立っているから会場の中を歩き回っていると、それらが自然に視界に入ってくる。展覧会という場所で、人が本当に文章を読みたがっているとは思わない、本にでもできることだからね。展覧会という場所で彼らが必要としているのは、感情に強い印象を与える何かだよ。
ご覧になった方は、お分かりと思いますが、模型の高さも考えられていましたよね。
(腰をかがめて、小さな模型を覗き込むようにしてみるのが従来の展示方法ですからね)
さらに、模型はすべて縮尺1:33で、そして白色で作られ、その細部は省略されていて、まるで彫刻のようです。
床には、ディスプレー置かれていて、建物のスライドが映し出されています。そしてオルジャティが自らに影響を与えたものとして集めた、建築や庭園や空間や絵画などのイメージの展示がありました。
計9作品の展示でした。
以下、ヴァレリオ・オルジャティの紹介記事を本展のサイトから引用させて頂きます。
作品を発表するたびに話題を集める建築家、それがヴァレリオ・オルジャティです。彼が今事務所を構えているのは、グラウビュンデン地方の山里であるフリムス。このことからもわかるように、オルジャティは、時流にとらわれることなく、建築の本質と向き合い続けてきました。
その建物の特徴は、「概念性」と「職人性」と「芸術性」とが高いレベルで融合しているところにあります。篠原一男(1925-2006)や安藤忠雄(1941- )などの影響もうかがえる幾何学的なプラン(平面図)に、時には土着的と思える形や模様を与えていくオルジャティの建築は、過激さと懐かしさとユーモアを同時に備えることに成功しています。そこで求められているのは、新しい建築などではなくて本当の建築である、そう言い換えることもできるでしょう。
ベルミ21世紀美術館 ベルミ/ロシア
スイス国立公園ヴィジターセンター ツェルネッツ/スイス
| 固定リンク
コメント