野田裕示 絵画のかたち/絵画の姿
この展覧会は乃木坂の国立新美術館で1月18日から4月2日まで開催されています。
抽象作品の展覧会って一寸身構えてしまうところがあるのですが、この展覧会は面白いですよ。
どう面白いかと問われると、これがまた困るのですが。マチエールであったり、色彩構成、対比であったりは勿論なのですが、その制作方法、過程にまで興味がつながります。制作過程映像の放映もあります。
カンヴァス地が木片の上に被さって盛り上がっていたり、カンヴァス地が折り曲げられていたり、何層にも重なったり、縫い合わされたりします。平面作品というより、ある種の立体作品と考えたほうがいいかもしれません。
画像では無理、作品で実体験しないと何も分らないと思ってしまうほどです。
作品タイトルは全てWORK147(数字の連番)というのも、らしいですね。
野田裕示の作品全貌が見渡せるまたとない機会です。
展覧会の構成は以下の通りです。
画像はチラシから。
第1部
1980年代─絵画の可能性への試み
[約30点]
絵画を成り立たせている構造への興味と、平面の表現に対する真摯な問いかけがあったものと想像され、一種のレリーフ作品ともいえるような作品が並びます。
第2部
1990年代─独自の様式の確立と展開
[約40点]
大きな凹凸は少なくなりカンヴァスを縫合したり、折り返し重ねることによって作られた作品が見られるようになります。この時期の作品、そして現在につながる作品が私は面白いと思いました
第3部
2000年代─さらなる可能性を求めて
[約70点]
カンヴァスを重ねることによって作られてきた下地は、徐々に平滑になり、大きな作品が増えてきます。色彩と形象の面白さと、大画面の迫力も加わり、展示空間を意識した作品は楽しい。
特別展示
彫刻家・岡本敦生とのコラボレーションによる立体作品[17点]の他、ドローイング[60点]も併せて展示。
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