版画でつくる 驚異の部屋にようこそ!展
町田市立国際版画美術館で10月8日~11月23日まで開催されています。
2009年に同館で同じテーマで開催された展覧会の拡大版です。
この展覧会はいくら観ても観あきないほど面白いですよ。
荒俣宏さんがビデオメッセージを寄せています(休憩室で放映)
ブンダーカマ-(ルネサンス期からバロック期にかけて王侯や富裕な市民が珍しいものの収集に熱を入れ部屋に陳列していた)それは、やがてヨーロッパの博物館、美術館に繋がっていくんですね。
この展覧会の最初に展示されているのがナポリの薬種商で博物学者でもあったフエッランテ・インペラートの陳列室を描いた版画です。
インペラート 『博物宝典』より「陳列室」 1599年 木版
残念ながら当時「驚異の部屋」は残されていません、当時を伝える版画はまさに記録マシーンであった。
「いい意味での知の見世物小屋」
私も、何かびっくりするものがあるのではないかと期待に胸ふくらませて、時間の都合をつけては、せっせと美術館、博物館に通っているわけです。
植物学、動物誌、建築、人体解剖学、地誌、科学、エジプト誌の博物編、考古編(ナポレオンがエジプトに遠征した時の調査成果を纏めたもの)、暗喩的な作品、所謂学術書でありながら、ユーモアたっぷりだったり、美術書としても立派に通用する作品だったり、チョト気持ち悪くなる人もいるかもしれないかな?なんて作品もあります。
子供の骸骨がハンカチで顔を拭いてるなんて場面も・・・・・まー上手く説明できませんが、以下の展示会の構成、画像を見て想像してください。
ルーペを覗きながら丹念に観て回ると結構な時間をとられてしまいます。
好奇心旺盛にして観に行かないと、何これ?で終わってしまうかもしれませんが。
展覧会の構成は次の通り。
第Ⅰ部 版画でつくる驚異の部屋
Ⅰ-1 驚異の部屋への誘い
Ⅰ-2 驚異の人、キルヒャーの世界
Ⅰ-3 異郷への旅、時空を超えて
第Ⅱ部 かつて驚異の版画があった
Ⅱ-1 版画が描く自然
Ⅱ-2 怪物の系譜
Ⅱ-3 装飾デザインの中の怪物たち
Ⅱ-4 踊る骸骨インペラート
セバ「植物宝典」より「やもり類」 1734年刊
キルヒャー「光と影の大技術」 1671年刊
《眼鏡絵「シナ広東の凱旋門」》 18世紀末
ゴーティエ・ダゴティ「頭部の解剖図集」 1748年刊
アルビヌス「人体の筋肉と骨格の構造」 1749年刊
ヨンストン「動物図譜」1660年刊
下記にHP解説から一部を引用させて頂きます。
はるか昔、珍しいもの、不思議なものをたくさん集めて一堂に並べたい!そんな欲求を抱いた人々がいました。その飽くなき好奇心を満たすべく作られた部屋が「驚異の部屋」。珍しい動物の剥製や貝殻、鉱物や植物から宝石や美術品まで、あらゆるものを競うように集めたその陳列室は博物館や美術館の始まりでもありました。本展では15~18世紀にヨーロッパで流行したこの「驚異の部屋」の精神にならい、その雰囲気を版画で構築します。もちろん版画だけで往時の「驚異の部屋」が作り出せるわけではありません。その代わり、版画の世界の広さ、奥深さを垣間見せてくれる変り種を多く展示します。解剖図や動物図譜などの自然の驚異、怪異な空想の生き物など、あっと驚くような版画や書籍約200点が大集合します。
常設展では「チベット密教版画 その未知なる世界」を開催中
| 固定リンク
コメント