アルプスの画家 セガンティー二 -光と山-
この展覧会は11月23日~12月27日まで損保ジャパン東郷青児美術館で開催されています。
東日本大震災で延期になっていた展覧会です(各地を巡回してようやくやってきました)
セガンティーニは、滞在していた山で急死します、41歳の若さでした。
伝記作家ゼルフェースは、彼の死の瞬間を感動的に記しています。
しかし、天候が再び回復し、大気がほのかに光、きらめき、またたき、輝いて、明るい昼を予告したとき病人は山への憧れに熱くつつまれた。
「我が山を見たい!」と祈るように語り、小さな窓のそばのベッドに寝かせてもらったセガンティーニは、向かい合う山並をじっと眺めていた。それは最後まで彼が描こうとしていた山並みであった」
ジョヴァンニ・セガンティーニ(1858-99年)は、アルプスの風景を描いた画家として知られ、イタリア、スイスを代表する画家のひとりでもあります。
イタリアで生まれ不遇な少年時代を過ごした彼は画家を志し、17歳でブレラ美術学校に入学します。初期はフランスの画家ミレーが描いたような明暗法で農民生活などをテーマにしていました。
フランスで、スーラが点描画を発表したその時期、28歳のセガンティー二は、より明るい光を求めスイス・アルプスへと向かいます。
やがて彼は、分割技法(ディビジョニスム)によって、アルプス山々の風景、空気と光を明晰に描くようになります。
そして晩年は、象徴主義の傾向を示すような作品を描きます。
分割技法(ディビジョニスム)の作品における効果を確認してみるのも楽しいですし、イタリア時代の作品もなかなかですよ。
約60点の展示ですからゆっくり鑑賞したいですよね。
「キャンパスに、アルプスの光と空気を閉じ込める画家」という表現がありましたが、その絵から、家族への、そして共に生きる動物たちへの愛情も伝わります。
参考資料として自筆手紙等の展示もあります。
Ⅰ、ミラノとブリアンツァ:初期
羊たちへの祝福 1884年頃
白いガチョウ 1886年頃
Ⅱ、肖像画
Ⅲ、サヴォニン:山の光 1886年
わがモデルたち 1890年
アルプスの真昼 1892年
Ⅳ、マロヤ:アルプスの象徴主義
虚栄 1897年
Ⅴ、自画像
Ⅵ、シャーフベルクでの死、マロヤでの埋葬
二人の母たち (ジョヴァンニ・セガンティーニ/ジョヴァンニ・ジャコメッティー) 1899-1900年
おまけ
まあ、このようなところでアルプスの画家の作品鑑賞というのも何とも。
拙blogで何度も同じような映像を投稿したような気もしますし、更に手ぶれが烈しいですけどよろしければご覧を。
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