生誕250年記念展 酒井抱一と江戸琳派の全貌
10月10日から11月13日まで千葉市立美術館で開催されています。
約一カ月の短めな展示期間に膨大な展示品を三期に分けて入れ替え展示されています。
何とも贅沢な展覧会、我が家から如何にも遠いのが難点。
先月行ってきたのですが、意外と混雑はありませんでした、これからは分かりませんが。
これほど大規模に総括的に酒井抱一を見せてくれる展覧会は私は初めて観ました。
まさに、見逃せない展覧会の一つです。
展覧会公式図録兼書籍も好評のようで、わが町の大型書店の美術書コーナーに平積みされてましたが、残り後一冊になったので、これは大変、と思って購入しました。
藩士の家に生まれ、遊興し、出家した奔放な貴公子が花咲かせた美の世界。
育った環境から、絵師になるため家督を譲っての出家、吉原での遊興、花魁の身請け、浮世絵から琳派への傾倒、そして江戸琳派としての再興、鈴木基一に代表される弟子たちの仕事そして、その琳派遺伝子の継承まで見せてくれます。
是非、空いている日(無いかも?)を狙って「十二ヶ月花鳥図」の前に座ってゆっくり時間を過ごしてみてください。
右に1、2月の二幅、正面に3~10月、左に11、12月の二幅です。抱一は2幅1対で構図の工夫等をしています、そのあたりを意識しての展示構成です。可愛い鳥、昆虫を見つけるのも良いし、どの作品が好き・・・なんて思いながら。
書き出すときりがないほど、良い作品が展示されて困ってしまうのですが、もう一つ仏画のコーナーがとても良かったと思います。
最上の絵の具と金泥をぜいたくに使って描かれた作品、そしてファンも多いと思いますが白蓮図、死と新たな生命を思わせる作品に出家した抱一をあらためて認識させてくれます、ここにも金泥が、さーどこでしょう?
お馴染み、風神雷神図屏風、夏秋草図屏風の展示もあります。展示期間が短い作品も多数ありますので、くれぐれも、HP等で展示替えスケジュールを確認してからお出かけくださいね。
光琳と抱一の八橋図の描法の違いを考えてみるなんていうのも楽しいかも・・・・
展覧会の構成は以下の通りです。
一章 姫路酒井家と抱一
二章 浮世絵制作と狂歌
三章 琳派画風への傾倒
四章 江戸琳派の確立
五章 工芸意匠の展開
六章 江戸文化の中の抱一
七章 雨華庵抱一の仏画制作
八章 鈴木其一とその周辺
九章 江戸琳派の水脈
酒井抱一 「松風村雨図」
酒井抱一 「桜に小禽図」
酒井抱一下絵 原羊遊斎作 「四季草花螺鈿蒔絵茶箱」
酒井抱一 「十二ヶ月花鳥図」
十月の柿の絵が好き
酒井抱一 「十二ヶ月花鳥図」
九月(右)、十月(左)
酒井抱一 「青面金剛図」
酒井抱一 「白蓮図」
鈴木基一「夏秋渓流図屏風」
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