あこがれのヴェネチアン・グラス 時を超え、海を越えて
この展覧会はサントリー美術館で10月10日まで開催されています。
私が行った日は結構混んでいました。
この類の展覧会はそんなに混まないと思って行ったのですが・・・観客のほとんどが女性でした(99パーセント?)
「時を超え、海を越えて」とある様に15世紀に始まるヴェネチアン・グラスの起源から現在まで、日本との関わりも含めて、歴史をたどります。最終コーナーには、まさに今活躍している現代グラスアートの作品が展示されています。時代の政治、社会環境の変化に如何に対応してきたかも含め興味深い展示になっています。私のなかではレースグラスは象徴的に思えていたのですが、この展覧会でも数多く展示されていました、その清楚な雰囲気は良いですよね。第五章の現代グラスアート作品は作家それぞれの個性が溢れていて楽しいですよ。三嶋りつ恵作品 のガラスの透明感と大胆なフォルムは魅力です。今年、資生堂ギャラリーの個展もありました、良い個展でしたよね。
以下は、この展覧会HPの解説引用です。
軽やかで繊細優美なヴェネチアン・グラス。その芸術性は1450年頃に開発された無色透明ガラス「クリスタッロ」の誕生と、都市経済の繁栄を背景に、大輪の花を咲かせました。エナメル彩、ラッティモ(乳白色ガラス)、レースグラス、アイスグラス等、その多彩な手わざには目を奪われるばかりです。装飾性豊かな珠玉のガラスは、ヨーロッパ各国で王侯貴族や富裕層の羨望の的となりました。
秘密保持、あるいは火災の拡大防止のため、ムラーノ島に限って行なわれていた制作技術も、周辺諸国の求めに応じ、次第に流出を始めます。そして模倣と地域性との狭間で生まれた「ヴェネチア様式」は、16世紀から18世紀にかけて、ヨーロッパを席巻したのです。国外への伝播は西洋に留まりません。南蛮船の渡来によって日本にもたらされたその瀟洒な美しさが、和ガラスの誕生にも少なからず影響を与えたと考えられています。
ヴェネチアン・グラスは、今なお、見る者すべてを魅了し続けています。本展では、ルネサンス期の作品から、影響を受けたヨーロッパや日本のガラス、そしてそのエッセンスを引き継ぐ現代グラス・アートまで、約150件の優品をご覧いただきます。時を超え、海を越えて、人々の心を捉え続ける「あこがれのヴェネチアン・グラス」の魅力をご堪能ください。
展示構成は次の通り。
第1章 ヴェネチアン興隆―技術の応酬
エナメル彩ゴブレット ヴェネチア 1500年頃
第2章 流出したヴェネチアン―「ヴェネチア様式」の誕生
レースグラス蓋付瓶 ヴェネチアあるいはネーデルランド 16世紀末から17世紀初頭
第3章 ヴェネチアンと和ガラス
藍色ちろり 日本 18世紀
第4章 ヴェネチアン再興―19世紀イタリア
スレイドコレクション婚礼用ゴブレットのレプリカ ヴェニス&ムラーノ・ガラス会社 1878年頃
第5章 今に息づくヴェネチアン―現代アートへの影響
Sea Form デイル・チフーリ 1989年
STELLA NUVOLA 三嶋りつ恵 2008年
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