イケムラレイコ うつりゆくもの
東京国立近代美術館で8月23日から10月23日まで開催されています。
展覧会が始まって早々出かけた展覧会です。
時に監視員と私だけの状態も・・・何か落ち着かないものですよね。
とても良い展覧会なのに、と思いながら観てきました。
三重県津市生まれのイケムラレイコは1972年にスペインに渡ってセビリア美術大学に学び、その後スイスを経て、現在はドイツのベルリンとケルンを拠点に活躍しています。展覧会”ごあいさつ”の一文です。 1972年というと、学園紛争が大荒れに荒れた時より幾分終息に向かいつつある、そんな時期にあたると記憶しています。 こんな社会体制には参加したくない、と思う若者が溢れていたように思います。 イケムラレイコ氏はそんな時代にスペインに渡ったわけです。そして西洋で創作活動し続けて今日に至ったわけです。そんなことを思いながら、この展覧会を見てきました。 初期の作品は、西洋ともろに格闘したのでしょうか、挑戦的、煽動的的な形、彩色と、私には見えました。これらの作品は、展覧会の後半に展示さています。 そして、この展覧会展示作品を印象付けるのは、茫洋としたとらえどころの無い横たわる少女の姿。 そこには、ほとんど脚が描き込まれていません。 ”うつりゆくもの”その心象風景をそのまま描き込んだような・・・・足を描くと移ろう心象が固定されてしまうかのように。 絵画、彫刻、ドローイング約145点を展示する展示空間も上手く設計されていて、作品の意図を増幅くしてくれます。
1:イントロダクション
2:新作:風景
《マンダリン》2010年
3:インターヴァル(写真)
《少女‐v》2004年
4:横たわる人物像:彫刻と絵画
《ひざまずいて(目に身をあずけながら》1997年
5:写真
6:うみのけしき
《mizu umi》2004年
7:木々
8:進化
《Cabagged head》1994年
《無題》1993年
9:インターヴァル(本の仕事)
10:ブラック・ペインティング
<横たわる少女》1997年
《黒に舞う》1998‐1999年
11:出現する像
12:アルペンインディアナ
13:80年代の作品
《さかな》1985年
14:インターヴァル(これまでの展覧会)
15:新作(顔)
以上、書いていて、もう一度見に行きたくなってきました。
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