土門拳の古寺巡礼
この展覧会は11月23日まで八王子夢美術館で開催されています。
「ぼくは人生の過半をカメラを背負って古寺を巡ってきた」
土門拳のライフワークとなった古寺巡礼は、1939年の暮れに室生寺を訪ねたことから始まりました。奈良県の山間にひっそりと建つこの美しい寺は、平安時代の初期の木彫物(引仁仏)の宝庫であり、土門はそのたたずまいにひと目で魅了されます。以後、北は東北から南は九州まで、仏像撮影の行脚を続けることになりました。
「僕は荒木良仙老子が40年前に云った
白皚々(はくがいがい)たる雪の室生寺をついに観た。
そしてついに撮った。
どんなに淡く薄くあろうとも、
そして午前10時頃には
あとかたもなく消えてしまった雪であろうとも、
ぼくは雪を、室生寺の雪を撮ったのだ。」
名作古寺巡礼から、大型作品を含む170点の展示です。
(チラシ、図録から引用しています)
素人の私が言うのはとんでもない僭越な事ですが、全てが非の打ちどころのない写真です。
時に絵画のように、時に張りつめた空気を感じさせる作品、これらの作品に囲まれいる・・・・えもいわれぬ、心静まる感覚。
展示構成は以下の通り。
・僕の好きなもの
・『古寺巡礼』
・仏像行脚
・母なる寺・室生寺
・参考資料
(『古寺巡礼』美術出版社刊の第一集から五集が展示されています。その桐箱題字は夫々、梅原龍三郎、福田平八郎、安田靭彦、川端康成、井伏鱒二の書です。これも豪華)
室生寺雪の五重塔全景
飛鳥寺金堂釈迦如来坐像面相詳細
浄瑠璃時本堂 吉祥天立像頭部
三十三間堂内陣 雷神像面相
法隆寺 観音菩薩立像(百済観音)
広隆寺 弥勒菩薩半跏像右反面相
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