犬塚勉展 -純粋なる静寂-
この展覧会は、日本橋高島屋で9月26日まで開催されたいます。
没後20年の2009年、NHK日曜美術館で紹介されて火が付いた感のある犬塚勉の草原、山々の細密画。
この展覧会では、2つのセクション(Ⅰ画家としての変遷Ⅱ自然を描く)に分けての展示です。その作品の変容ぶりは、あまりにも極端です。
多摩丘陵に生まれ育ち、教師をしながら画家としての研鑽を積み、スペインにも渡り学びますが、そこで得たものは矢張り日本人としての自分の立ち位置だったのでしょうか、生活の見直しのために始めた山登り、丹沢で突然目の前に開けた草原にインスピレーションを得ます。そして、面相筆で草一本一本を細密に描き続けます。更に山行を続けその中でブナの木、山容を描きますが、只管細密を求めるのではなく、自然への畏敬に溶け込むような画風になっていきます。
38歳の時、谷川岳で遭難死した犬塚勉の絵画とデッサン110点を集めた展覧会です。
自分のスタイルを求めて幻想的な、抽象的な表現を更に精神性を求めて仏像を描きますが、行きついたところは自然の草むら、山容の細密表現へ・・・
私は、みずみずしい草原を描いた作品の緑のグラデーションに惚れ惚れでした。
図録は完売、予約申し込みしている方が多数おられました人気あるんですね・・・・
「観世音菩薩」アクリル・紙 1980年
「赤い馬」アクリル・キャンバス 1983年
「夏の終わり」アクリル・キャンバス 1984年
「縦走路」アクリル・キャンバス 1986年
「ブナ」アクリル・キャンバス 1988年
「暗く深き渓谷の入り口Ⅰ〈絶筆〉」アクリル・板 1988年
以上の画像はチラシから。
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