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2011.09.30

モーリス・ドニ 命の輝き、子供のいる風景

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この展覧会は損保ジャパン東郷青児美術館で11月13日まで開催されています。

19世紀末から20世紀前半にフランス象徴派を代表する画家モーリス・ドニは、ナビ派の主要メンバーとして活躍し、その平面や単純な形態を使った装飾的な作風は20世紀の絵画運動に影響を与えたとされる。ナビ派の時代には「美しきイコン(聖像)のナビ」と呼ばれたドニは、聖書あるいはギリシャやローマ神話を主題にした作品で知られていますが、近年、自分の家族の肖像を日記のように克明に描き続けた作品が注目されている。熱心なカトリック教徒だったモーリス・ドニの家族愛に満ちた作品約100点が展示されている。
家族との様子を撮影したビデオ、出品リストには、モーリス・ドニ家系図もあり、この展覧会の趣旨がうかがえる。
如何にも象徴派的作品、家族を描き込んだ宗教色の強い作品が印象に残りました。
第四部の作品は特に良かった。
(一部分はチラシ解説の引用です)

展覧会の構成は以下の通り。
序章:若き日のモーリス・ドニ

第一部:くつろぎのなかで

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《子供の身づくろい》1899年 油彩・キャンバス

第二部:子供の生活

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《ボクシング》1918年頃 油彩・厚紙

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《バルコニーの子供たち、ヴェネツィアにて》1907年 油彩・キャンバス

第三部:家族の肖像

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《ドミニクのはじめての一歩(海辺の家族)》1911年 油彩・キャンバス

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《光の船》1931年 油彩・キャンバス

第四部:象徴としての子ども 

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《プリウレの窓辺の受胎告知》1916年 油彩・キャンバス

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2011.09.28

理想の暮らしを求めて  濱田庄司スタイル展

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この展覧会は、パナソニック電工汐留ミュージアムで9月25日まで開催されていました。(既に終了しています)

陶芸の人間国宝は、モダニストでした。
「京都で道を見つけ、英国で始まり、沖縄で学び、益子で育った」

東京高等工業学校で河井寛次郎の知己を得、卒業後河井が勤める京都市陶磁器試験所に入所、その後バーナード・リーチと共にイギリスに滞在します。ロンドン郊外ディッチリングの工芸家村での経験が後の益子移住に繋がります。「確固たる信念と落書きを彼らの仕事と生活に持っていた。確固たる信念は頭によって得られるが、しかし落書きは良き生活の支えがなければ得られるものではない」
「良き生活」「健康」あるいは「健康な美」を追求した益子での生活は、我々に立ち戻るべき生きる原点、生活の原点を今一度考える切っ掛けを提示してくれたようだ。
陶芸作品を中心に、食卓の再現展示、衣類、手紙等の身の回りの品々を集め展示した、工芸と生活の結びつきを再検証した展覧会です。(チラシの解説を参考にしました)

展覧会の構成。
1、濱田庄司とイギリス
2、濱田庄司のモダニズム
3、濱田家の食卓

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2011.09.27

柳宗悦展 没後50年・日本民芸館開館75周年-暮らしへの眼差し-

Yanagi

この展覧会は、松屋銀座で9月26日まで開催されていました。(既に終了しています)
この後各地を巡回します。

この日曜日にパナソニック電工汐留ミュージアム(濱田庄司展 )→同じく汐留のアド・ミュージアム東京→銀座資生堂ギャラり―(辰野登恵子の個展)→松屋銀座(柳宗悦展)→日本橋高島屋(大塚勉展)と歩いて巡ってきました。チョト頑張ってみました。
民芸運動の推進者柳宗悦と濱田庄司の展覧会を一日で見られるのは嬉しいかぎりでした。歩いて行ける距離ですし・・・・・・

展示会の構成は以下の通りです。
1、プロローグ
2、白樺派の時代
3、白樺派の眼
4、柳宗悦の心
5、柳宗悦から宗理へ

「素朴な器にこそ驚くべき美が宿る」と語った柳宗悦は、無名の職人による誠実な手仕事を「民芸」と名付け沖縄から北海道まで全国各地を巡り、陶磁器・染色・金工紙などさまざまな分野のなかから、魅力的な品々を収集しました。その思い、美の本質を求めつずけ、多数の著書も著し、この展覧会にもその言葉(キャプション)が展示されています。「健康な美」「正常の美」「知識ではなく直感で見る」これらの言葉は、この展示作品を見て納得です。
汐留の濱田庄司展にも食卓の再現展示などがありましたが、こちらにも応接間の再現があります。身の回りの品々も含め生活に於ける美意識の体現その質の高さにあらためて感心してしまいました。(チラシ解説の一部を引用しました)

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染付草花文壺(朝鮮半島 18世紀)

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木喰仏 地蔵菩薩像(江戸時代 1801年)

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鷹匠餌入(畿内 19世紀)

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鉄錠前(秋田 20世紀)

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切伏衣裳(樺太アイヌ 19世紀)

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文字絵《義》(朝鮮半島 19世紀)


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2011.09.26

犬塚勉展 -純粋なる静寂- 

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この展覧会は、日本橋高島屋で9月26日まで開催されたいます。


没後20年の2009年、NHK日曜美術館で紹介されて火が付いた感のある犬塚勉の草原、山々の細密画。
この展覧会では、2つのセクション(Ⅰ画家としての変遷Ⅱ自然を描く)に分けての展示です。その作品の変容ぶりは、あまりにも極端です。
多摩丘陵に生まれ育ち、教師をしながら画家としての研鑽を積み、スペインにも渡り学びますが、そこで得たものは矢張り日本人としての自分の立ち位置だったのでしょうか、生活の見直しのために始めた山登り、丹沢で突然目の前に開けた草原にインスピレーションを得ます。そして、面相筆で草一本一本を細密に描き続けます。更に山行を続けその中でブナの木、山容を描きますが、只管細密を求めるのではなく、自然への畏敬に溶け込むような画風になっていきます。
38歳の時、谷川岳で遭難死した犬塚勉の絵画とデッサン110点を集めた展覧会です。
自分のスタイルを求めて幻想的な、抽象的な表現を更に精神性を求めて仏像を描きますが、行きついたところは自然の草むら、山容の細密表現へ・・・
私は、みずみずしい草原を描いた作品の緑のグラデーションに惚れ惚れでした。

図録は完売、予約申し込みしている方が多数おられました人気あるんですね・・・・

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「観世音菩薩」アクリル・紙 1980年

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「赤い馬」アクリル・キャンバス 1983年

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「夏の終わり」アクリル・キャンバス 1984年

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「縦走路」アクリル・キャンバス 1986年

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「ブナ」アクリル・キャンバス 1988年

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「暗く深き渓谷の入り口Ⅰ〈絶筆〉」アクリル・板 1988年

以上の画像はチラシから。

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2011.09.24

開窯300年 マイセン 西洋磁器の誕生

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町田市立博物館で9月25日まで開催されています。
この展覧会は4か所を巡回しています。
昨年10月~12月にかけて大倉集古館でも開催されました。

下記にHPの解説を引用させて頂きます。

ヨーロッパで最初の磁器を誕生させた名高いマイセン王立磁器製作所は、ドイツのザクセン選帝侯アウグスト強王がその壮大な夢を実現させるために1710年に創設しました。いわば「王の器」として誕生したのです。この時期に創出された器の形や文様装飾は、その後のマイセン窯のみならず、各地に開窯されたヨーロッパ諸窯のスタイルの基となりました。本展は創立300年にふさわしく、最初期18世紀の作品約200点を展示し、そのオリジナリティや当時の歴史的背景を紹介します。
 天才絵付師ヘロルトや調塑家ケンドラーが生み出した個性的で豪奢な作品群、ヨーロッパが憧れた中国や日本の当時を驚異的な力量で再現した東洋風磁器の数々、宮廷文化を映し出したロココ的な華やかさにあふれる磁器人形やティーサーヴィスなどをつうじて、今まで紹介されることの少なかったマイセンの草創期の魅力をお楽しみいただきます。

展覧会の構成は以下の通りです。
1章 初期作品:J.G.ヘロルトの世界
2章 東洋への憧れ
3章 フィギュア(磁器人形)は踊る
4章 サーヴィスの世界

あまり広くない館内のショーケースにびっしり素晴らしい作品が並べられています。
あの透明感のある白色に、染付草花文、天使図、赤紫彩印度の花文、セピア彩金彩花卉文、朱彩金彩花卉文。
想像してみてください、何か見ているうちにワクワクしてきます。
染付麦わら文ホットチョコレートポットなんかは見事な東洋、西洋の融合、色絵金彩貼花スノーボールのティーサービスセットの豪華絢爛に感服。
言葉だけでは伝えられませんね・・・・・

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色絵金彩人物文鉢 1723、24年

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色絵金彩人物文ティーポット 1723年頃


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色絵金彩岩牡丹紋双耳蓋物 1750年頃

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赤紫地色絵金彩花卉文ティーサービス 1750年頃

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色絵ワトー風緑彩風景人物文皿 1745年頃

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2011.09.23

日本縦断!版画の旅 版画でめぐる風景と名物

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この展覧会は9月25日まで町田市立国際版画美術館で開催されたいます。

日本各地の風景を描いた版画を主に、郷土玩具の版画も含めた150点で旅行気分を味わおうと言う楽しい企画。
行った事のある所は懐かしい思い出と共に、行ったことのない場所の作品を見ては今度行ってみようかな・・・・・
そんな気分で見てきました。絵筆で描く線と違った、版画独特の線のを楽しみながら・・・・
歌川広重から、織田一磨、畦地梅太郎、石井柏亭、坂本繁二郎、伊藤深水、川瀬巴水、前川千帆、恩地孝四郎等々作者の多彩さも楽しいですよ。

以下に展示構成を記します。
1、浮世絵の世界を旅する
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歌川広重『東海道五十三次(保栄堂)より「丸子 名物茶屋」1833から36年頃 木版(多色)

2、近代絵画の名品
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平福百穂『日本風景版画第三集 東北の部より』「塩竃1917年 木版(多色)

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織田一磨『大阪風景』より「高津神社」1919年リトグラフ


3、”ご当地版画”の魅力
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畦地梅太郎『新日本百景』より「伊予石鋸山」1938年 木版(多色)

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橋本興家『天守閣(姫路城)』1944年 木版(多色)

4、強度玩具の味わい

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2011.09.21

松島海岸

2週間ほど前に行ってきました。
仙台駅から仙石線に乗って松島海岸前駅で降りました。
仙石線は未だ全線開通はしておらず、車内では振り替えバスの連絡を放送していました。
車窓から見る限りでは、地震、津波被害の跡は見てとれませんでした。
3.11大災害で比較的被害が少なかったとされている地域のようですが、それでも注意してみると街の中にはその残滓が見受けられました。
観光客は戻っていないようで、何処も空いていました。
食事しようと入った店は広い店内に客は数人程度、店に入るのに躊躇する程。
応援の意味でも、東北観光に行くのは良いのではと・・・・・

以下スナップと動画です。
よく撮れてはいませんがよろしければご覧ください。
仏像の倒壊等、被害の様子も撮りましたが、何か気が引けて・・・・最小限にします。
楽しい旅が出来た事だけは強調しておきます。

動画はSONYのbloggieで撮りました。(販売開始から数年で販売終了した機種)

遊覧船出港から、10分程度まで。


カモメと遊ぶ観光客

Home
松島海岸駅のホームから

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遊覧船桟橋に向かう途中

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遊覧船桟橋で


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遊覧船内

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レストラン(2階)から観光船桟橋を望む
観光船桟橋の切符売り場は、プレハブで代用でした。

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瑞巌寺参道。
瑞巌寺は全面改修中で、国宝の庫裡が見られる程度でした、残念。

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国宝庫裡壁面ひび割れ?


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瑞巌寺の参道で・・・

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瑞巌寺の門を出て・・・


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五大堂から

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帰り路、駅に向かう途中で


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2011.09.18

セゾン現代美術館軽井沢 VERY BEST OF SMMA COLLECTION

Sezon
VERY BEST OF SMMA COLLECTIONは 10月2日(日)まで開催されています。
午前中にメルシャン軽井沢美術館、午後からセゾン現代美術館という日程で行ってきました。

この美術館の入り口で・・・・若林奮に出会います。
赤錆びた鉄の門扉、私が好きな若林奮がこの美術館の門から庭園まで計画しました。
緑の小道を下ると、美術館に向かう、橋を始め庭の随所に若林のあの特徴的な作品?が見られます。更にイサムノグチ等の彫刻が点在します。小川のせせらぎが心地いい・・・・

VERY BEST OF SMMA COLLECTION展は充実していますよ。
夫々の作家の作品のなかでも秀品が展示されています(私は好きという意味で)思いだせるだけで、マン・レイに始まりリヒテンシュタイン、ウォーホール、キーファー、カンデンスキー、エルンスト、ジョアン・ミロ・・・・・・ロスコ、ポロック・・・・李禹煥、菅井汲、宇佐美圭司、大竹伸朗、横尾忠則・・・・・これで半分も書いたでしょうか?
この展示と自然のなかの庭園、満足、満足の午後でした。

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パウル・クレー「北極の露」1920年

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ジャクソン・ポロック「ナンバー9」1950年

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ジャスパー・ジョーンズ「標的」1974年

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ルーチョ・フォンタナ「空間概念―期待」1965年

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マーク・ロスコ「ナンバー7」1960年

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ジョアン・ミロ「夜の中の女たち」1946年

動画も撮ってきました。小川のせせらぎが聴こえると思います

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入り口

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入り口を反対側から

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美術館に向かう道にある橋


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美術館建物

以下、庭園
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2011.09.15

メルシャン軽井沢美術館 薔薇と光のフランス人画家アンリ・ル・シダネル 小さな幸せ  

これからの季節、朝、目が覚めて天気がよかったら電車に乗って都心を離れるのも良いかもしれません。
他の美術館等も周るとなると車利用が便利ですが、駅(しなの鉄道の御代田駅)からも歩ける距離ですから、のんびり歩いてというのも良いですよ、お酒も飲めるし・・・・私は、我慢できない方なので電車利用が主になります。

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この展覧会は11月6日まで開催されています。

以下にHPの解説文の引用を・・・・・・

アンリ・ル・シダネル(Henri Le Sidaner 1862-1939)は20世紀初頭に活躍したフランス人の画家。1862年にインド洋のモーリシャス島で生まれ、1939年第二次世界大戦勃発の数週間前に亡くなるまで、印象主義、新印象主義など様々な芸術的運動を同時代人として目撃しながらも、同時代の印象派、新印象派など様々な芸術的な動きとは距離を置いて独自の画風を発展させました。

ジェルブロワの庭、木漏れ日、ガーデンテーブル、ベンチ、薔薇の花、夜の森、夕暮れに家々の窓から漏れる光など身近な題材を淡い色調を用い、どこか内省的でありながら穏やかな空気感を持つ情緒的なタッチで描き出した作風は当時大変な人気を集め、現在でもフランス国内はもちろん、ヨーロッパ、アメリカの重要な美術館に作品が所蔵され、また、各国に熱心な愛好家がいることで知られております。

シダネルの作品は何と言っても、黄昏時、家の窓から漏れる光の表情の暖かさですよね。食卓に集った家族の団らんから談笑が聞こえてきそうです。
夜明けの、黄昏時の、その移り変わる光のなかに神秘性、と心の情景を描いています。
今年印象に残る展覧会の一つになりそうです。
幸せな日になりました。
この展覧会は、メルシャン軽井沢美術館を皮切りに国内5か所に巡回します、確か東京にもきます。
でも、ビル群のなかの美術館で見るのと、この美術館で見るのとでは趣み違ってくるかもしれませんね。
ちなみに、メルシャン軽井沢美術館はこの企画展を最後に閉館されるそうです。

展覧会の構成は以下の通りです。
1、自画像
2、エタプル
3、人物像
4、オワ―ス県の小さな町々
5、取材旅行
6、ブルターニュ地方
7、ジェルブロア
8、食卓


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《ランビネ美術館》1937年

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《離れ屋》1924年

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《朝》1896年

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《薔薇の花に覆われた家》1928年

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《夕日のあたる道沿いの川》1923年

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《月明かりのなかの家々》1915年

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《コンコルド広場》1909年


場内スナップです。
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エントランス

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エントランス

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ミュージアムショップ・カフェ

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美術館

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メルシャンプラザ・レストラン

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ウイスキー蒸留所

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中庭

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2011.09.13

青森県立美術館常設展示室 夏のコレクション 青森ゆかりの美術家たち

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こちらも10月10日までの開催です。

この美術館のシンボル”あおもり犬”です。
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企画展示室から常設展示室に移るとアルコホールです。
マルク・シャガールによるバレー「アルコ」の背景画が壁面三面に展示されています。
これは圧巻です。
第一幕 月光のアレコとゼンフィラ
第二幕 カーニヴァル
第四幕 サンクトペテルブルグの幻想

演奏会等の企画もこのホールで行われるようです。


展示室F 奈良美智:インスタレーション
Hula Hula Garden
奈良美智+graf:ニュー・ソウルハウス
あおもり犬

八角堂
Hakkaku
八角堂内部
工事中でしたが・・・

展示室G 寺山修司:青少年のための寺山修司入門
楽屋裏の様な構造物の壁に横尾忠則、宇野亜喜良等のお馴染みのポスターが展示されています。
更に、タイトルの映像が映し出されています。
上を見上げると、定番の詩
亡き母の真っ赤な櫛を埋めに行く恐山には風吹くばかり
マッチ擦るつかの間海に霧ふかし身捨つるほどの祖国はありや

が、かたどられた文字で矢倉に取り付けられています。

棟方志功展示室 わだばゴッホになる
油彩画、木版画、スケッチなどが展示されています。
油彩画に結構面白い作品が・・・・

時間が無くなったので以下の展示室はざっと・・・
展展室N 特別史跡 三内丸山遺跡出土の重要文化財:縄文の表現
展示室O リチャード・ロング:白神山地を歩く
展示室P,Q 画家達の青春~棟方志功のライバルたち
展示室M 成田亨:怪獣デザインの美学

青森美術館は建築も含め美術館そのものに興味があったのですが、展示室は、白と茶系の色で落ち着いた雰囲気、天井が高くとても良い環境です。外観は広々とした自然の中に建物が孤立している感じ、今一つ周辺の環境と調和があると良いと思ったのですが。首都圏の美術館に無い魅力と、反面集客が大変かなと、余分な事まで考えてしまいました。


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青木淳設計の美術館の建築についてはこちらから

撮ってきた動画

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2011.09.12

青森県立美術館開館5周年記念 光を描く印象派展 美術館が解いた謎 

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この展覧会は、10月10日まで青森県立美術館で開催されています。

突然、青森です。
理由はありません、PCで美術館のHP巡りをしていたら何故か行ってみようかと・・・・・十和田市現代美術館も行きたかったのですが、時間的に無理なので・・・・・事情があって日帰りです。(美術館滞在は3時間強、あとは延々と乗り物の中)
この企画展開催中は、美術館行きの無料シャトルバスが新青森駅から出ています。
但し、マイクロバスなので、定員が限られていて、乗れない事もあります(乗れないと次のバスは約40分後です)他に市営バスと、ねぶたん号(200円)がありますが、どのバスも間隔があり、注意が必要です。タクシーは何十台も待っていますが。
私は、運良く待たずに乗れた、行きはシャトルバス、帰りはねぶたん号を利用しました。

チラシおよびHPの解説文からです。

ゴッホ、ルノアール、モネ、マネ、セザンヌ、ゴーギャン・・・・・巨匠の秘密に、青森だけで出会えます。

ドイツ屈指の印象派コレクションを誇るケルンのヴァルラフ・リヒャルツ美術館は、印象派誕生の謎を解き明かすべく、4年がかりで作品を調査しました。赤外線や顕微鏡などを使った科学的な調査を含め、その成果を一挙公開した展覧会は大反響。フィレンツェとウィーンにも巡回し、3会場合わせて60万人が訪れています。

青森のみで開催される日本展には、ヴァルラフ・リヒャルツ美術館から約60点を超える名画とその研究成果が出品されます。さらに日本国内の名品も加えて、時代を超えた印象派の魅力にせまります。

展覧会の構成は以下の通りです。
第一章 「印象」とは何か?-新しい絵画の誕生-
第二章 何を使って描いたのか?-印象派の画材-
第三章 どこで描いたのか?-戸外制作-
第四章 感じたままに描いたのか?-理想の表現を目指して-
第五章 作品は完成していたのか?-新しい価値観-
第六章 作品は描かれた当時のままなのか?-最新の調査報告から-

印象派の登場はまさに近代絵画の大きな転換点であったわけですが、その誕生から発展の過程、色彩の科学的研究根拠に基ずく画法、根本思想に亘って、具体的に作品を展示し解説しています。印象派の教科書を美術館でという感じ。
例えば、カイユボットの《セーヌ河畔の洗濯物》の展示には、次の様な解説が添えられています。

画面を調べると、左下に小さな粒が見つかりました。顕微鏡で覗いてみると植物の芽のようです。画面にはポプラの木が描かれている。もしかすると・・・その通り、ポプラの芽であることがわかりました。この作品が強い風の日、実際にポプラ並木の下で描かれたことを示す証拠です。(以下略)

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このように、それぞれの作品にまつわるエピソード、研究の成果が丹念に解説されています。
色彩の科学的解説のコーナーもあり、補色、色相、三原色等の解説、また、実験が出来るようになっています。
「おっ、そうだったのか、驚いた」という程ではないにしろなかなか面白いですよ。
「これは、これは」と言う、作品も少ないのですが・・・・

以下、チラシの画像から。

幸せを描くルノワール
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ピエール=オーギュスト・ルノワール《縫い物をするジャン・ルノアール》

点描のハーモニー シニャック
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ポール・シニャック《カーポ・ディ・ノーリ》

棟方志功の原点ゴッホ
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フィンセント・ファン・ゴッホ《クリシーの橋》

作品配置図
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企画展室は室温を低めに設定しているので寒く感じる方には、監視員がショールのようなものを貸してました。心づかいが良いですよね。監視員の女性の制服もユニークでしたよ。


次は、常設展示室に向かうのですが、長くなるので次の機会に・・・・・

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2011.09.05

北斎とリヴィエール 三十六景の競演

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この展覧会は、10月10日までニューオータニ美術館で開催されています。

リヴィエールの作品は、過去に数点を何度か見ているのですが、今回纏めて見ることが出来る、という事で行ってきました。
アンリ・リヴィエールは19世紀末ジャポニズムが流行っていたフランスで北斎の作品に触発されて『エッフェル塔三十六景』を制作しました。リヴィエールが美術史上特に重要な地位を占めるのは木版画復興と多色リトグラフの開発と言う事です。北斎や広重の作品から構図、色彩を熱心に研究し『エッフェル塔三十六景』に反映させています。会場はリヴィエールの作品数点に北斎、広重の作品が写真で添えられ比較できる構成になっていて、なるほど、なるほど、です。
「そこに住む庶民目線からの暮らしとエッフェル塔」という印象をもって見てきました。
とても良い展覧会ですよ。

アンリ・リヴィエール『エッフェル塔三十六景』
葛飾北斎『冨嶽三十六景』
歌川広重『東海道五十三次』『名所江戸百景』から代表作数点
ジョルジュ・オーリオルの作品数点
北斎の透視画法の解説も含め100数点の展示で十分楽しめました。

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《エッフェル塔三十六景 扉絵》

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《建設中のエッフェル塔、トロカデロからの眺め》エッフェル塔三十六景より

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歌川広重《東海道五十三次 蒲原》

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《パーシー・シャルボニエ河岸より》エッフェル塔三十六景より

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2011.09.02

岡本信治郎展「空襲25時」

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この展覧会は渋谷区立松濤美術館で9月19日まで開催されています。

岡本信治の作品は初めて拝見しました、知識もゼロです。
と言う事で、以下にこの展覧会の解説記事を丸ごと引用させて頂きます。

岡本信治郎(1933年、東京都生まれ)は独学で絵画を学び、1950年代半ばからアンデパンダン展に出品、個展などを通して次第に注目を集めるようになりました。フラットでクールな線と明るい原色で、下町のポピュラーカルチャーから美術、宗教、歴史など幅広く主題を選び、ユーモアとレトリックを駆使して社会への評言を描きだしてきました。 本展は画家が長年あたためてきた戦争をテーマにした新しい桜図を中心に、未発表作品約40点を一挙に紹介し、敗戦後60年余を経て戦争と平和を改めて問おうとする試みです。少年期の眼差しを交えて岡本信治郎が提示する、「見る絵画/読む絵画」をぜひご覧ください。

正直戸惑いました、どう見て、どう解釈したらいいのか?
会場に入ると、原色の氾濫と意匠化された寓意的対象の羅列に圧倒されます。
更に、タイトルが、《植物的要素-ピカドン》《ころがるさくら・東京大空襲》ですjから......
そして、文字、短文がたっぷり書き込まれています、歴史的な事象、伴う社会的現象についての......
どう思うかは、人それぞれ、生きてきた環境、時間によって異なるのでしょうね。
兎に角、印象に残る展覧会であることに間違いはありません。

Okamoto0002pika1
《植物的要素-ピカドン図1》(2006年)


Okamoto0002kuusyuu
《ころがるさくら・東京大空襲》より(2006年)部分


Okamoto0002pika2
《植物的要素-ピカドン図2》(2006年)


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《積み木倒しニュー・ゲルニカ》より(2002年)

この日は、恵比寿駅から、タコ公園に寄り道して山種美術館。
山種から歩いて松濤美術館へというコース。
タコ公園のタコが、私の子供の頃のタコとは似ても似つかない形になっていてがっかり。
更に山種から松濤に向かう途中の渋谷駅付近で大雨に降られて膝から下がぐしょぐしょ。
夕方帰宅時も雨雲がおっかけて来て、傘を差しても服を着たままプールに飛び込んだ見たいな状態、他にもチヨット...まあ、いろいろあった日でした。

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