究極の身体、完全なる美 大英博物館 古代ギリシャ展
上野の国立西洋美術館で9月25日まで開催。
このような作品の前に立つと、人間の歴史って何だろう。
何が進歩して、何が後退したのか.....つくづく考えてしまいます。
トーハクの「空海と密教美術展」も、この展覧会も、科学博物館の「恐竜博」も(恐竜博は、未だ観に行っていませんが、午前中の入場の列で...)多分動物園も混んでます。それだけ、この時期の上野は人気企画でいっぱいです。藝大美術館の「今美術の力で、被災地美術館所蔵作品から」もこの時期、ある意味必見です。
そして、これらの展覧会を観ることによってある種根底を流れる何かを感じる事が出来るかもしれません。
さて、古代ギリシャ展、ショーケースに収めれた作品を見るには、列に加わって流れに従って鑑賞することになります。一人だけ立ち止まってじっくり、はできません。
大きな作品は、ゆっくり見られますが、休日には、すし詰め状態でしょうね、可能であれば平日出動ですね。
夏休みの時期を外す.....これも一案ですね。
この展覧会の目玉展示の一つディスコボロス(円盤投げ)の展示会場は暗幕がサークルを作っていて、360°ぐるっと回って見る事が出来ます。
其れこそ、この一点だけでも観に行く価値ありだと私は思いました。
この展覧会のタイトルにある様に「究極の身体、完全なる美」まさにその通り。
今にも動き出しそうなフォルムと筋肉の美しい表現、頭のてっぺんからつま先まで完璧に表現されています。血管までも.......。
展覧会の構成は以下の通りです。
Ⅰ 神々、英雄、別世界の者たち
Ⅰ-1 ギリシャの神々
ゼウス小像 後1-2世紀 ローマ制作/伝ハンガリー出土
Ⅰ-2 英雄ヘラクレス
Ⅰ-3 別世界の者たち
スフィンクス(おそらくテーブルの脚部) 後120-140頃 ローマで製作/イタリア、モンテ・カニョーロ出土
Ⅱ 人のかたち
Ⅱ-1 男性の身体美
優勝選手の像 後1世紀 前430年頃のギリシャのオリジナル(現存せず)に基ずくコピー
Ⅱ-2 女性の身体美
アフロディテ ローマ時代 前4世紀のギリシャのオリジナルの基づくバリアント)
Ⅱ-3 人の顔
喜劇役者の像 後1-2世紀 ローマ、カエリウス丘出土
Ⅲ オリンピアとアスリート
Ⅳ 人々の暮らし
Ⅳ-1 誕生、結婚、死
赤像式アンフォラ 前510-500年 ギリシャ・アテネで制作/イタリア・ヴレチ出土
(家を後にする兵士を表わしている)
Ⅳ-2 性と欲望
Ⅳ-3 個性とリアリズム
大英博物館が誇るギリシャ・ローマコレクションから約130点が展示されています。
2000年を遡るまさに美の源流を目の当たりにして溜息が洩れます。
その粋となる身体表現に焦点を当てています。
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