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2011.08.02

特別陳列 運慶とその周辺の仏像(東博 本館 14室)

7、,8月のトーハクは(も)もりだくさん。
一日では見切れませんね。
二日かけて、見て回ってきました、まだ未練が残りましたが....。
空海と密教美術展は混んでいて大変ですが、こちらは空いていて楽しめますので、ついでに是非。
金沢文庫の運慶展に行った人も行けなかった人も点数は少な目ですが......10月2日(日)まで特別陳列されています。

以下はHPの解説を引用しながらです。
ここで展示する2体の大日如来坐像は、作風、構造、像内に納入された品々(X線撮影によってわかります)の種類と納入方法などに共通するところが多く、しかも大変優れた出来ばえを示すものであるため、鎌倉時代初頭の巨匠、仏師運慶の作と推測されています。光得寺像の台座(獅子4頭を含む)、光背、厨子とその内部に付された三十七体の雲に乗る小さな仏の群像も同時期のものです。真如苑の像はそれらを失っていますが、同様の荘厳(しょうごん)がされていたのでしょう。両像ともに小さな像ですが、正面、側面、背面のどの角度から見ても頭髪、姿勢、からだの肉付き、衣の襞の写実的な表現がみごとです。
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重文 大日如来坐像 平安~鎌倉時代・12世紀 東京・真如苑蔵

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重文 大日如来坐像 平安~鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵
厨子も勿論展示されています。

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阿弥陀如来坐像 鎌倉時代・12~13世紀 静岡・願生寺蔵
鎌倉時代初頭の東国で活躍した運慶周辺の仏師の作とみられる


運慶が率いた慶派(仏師集団のひとつ。名前に「慶」の字のつく仏師が多いので慶派と呼ぶ)は、鎌倉時代に写実的で迫力のある作風を創造し、造仏界をリードしました。神奈川・曹源寺と当館の十二神将像は後者の方が繊細、華麗ですが、力強さ、動きの表現に注目すると相通ずるものです。曹源寺の子神、当館の申神の滑稽味のある表現が、運慶の孫康円の四天王南方天眷属像に受け継がれているのも見逃せません。

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重文 四天王眷属立像 2躯 康円作 鎌倉時代・文永4年(1267)

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写真はヴィデオカメラの写真機能を使いました、上手く写っていませんが悪しからず。
大日如来坐像 の画像(Ⅹ線画像も)は金沢文庫の運慶展図録からです。

展示作品リスト 15件
重文 四天王眷属立像 2躯 康円作 鎌倉時代・文永4年(1267) C-1834
阿弥陀如来坐像 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 静岡・願生寺蔵
重文 大日如来坐像 1躯 平安~鎌倉時代・12世紀 東京・真如苑蔵
十二神将立像 子神 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
十二神将立像 丑神 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
十二神将立像 寅神 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
十二神将立像 巳神 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
十二神将立像 午神 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
十二神将立像 未神 1躯 鎌倉時代・12~13世紀 神奈川・曹源寺蔵
重文 十二神将立像 辰神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 C-15
重文 十二神将立像 巳神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 C-1852
重文 十二神将立像 未神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 C-16
重文 十二神将立像 申神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 C-1878
重文 十二神将立像 戌神 1躯 伝浄瑠璃寺伝来 鎌倉時代・13世紀 C-1853
重文 大日如来坐像 1躯 平安~鎌倉時代・12世紀 栃木・光得寺蔵

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